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掲載日:2006年7月18日

ソリューション事例

日本郵船の総合物流事業を支えるVisibilityシステムの紹介

SCMの強化を求める声に応えて
Visibilityシステム「NEXT」を構築

グローバル化の進展とともに、サプライチェーンが世界規模へと広がるなか、物流コストや物流リードタイムなどの要因を勘案した資材調達や最適地生産、在庫管理などを統合的にマネジメントするSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)が求められています。
日本郵船様のシステム整備を担当する(株)NYKシステム総研の山下一郎氏は、企業が直面しているこれらの課題解決を支援する日本郵船(株)の取り組みと、その取り組みを支えている物流管理システム「NEXT」の概要、さらにシステム構築時のポイントを説明しました。

「日本郵船は、自動車専用船の運航隻数で世界一の規模を誇るなど、海運業の“雄”と呼ぶべき存在です。一方で、空輸や物流などにも事業を広げ、現在では日本を代表する総合物流業者としての地位を築いています。しかし、輸送手段の多様化と積み地・揚げ地の拡大に伴って、荷物の管理プロセスはかなり複雑になっています。加えてSCMの強化をめざす顧客企業から『荷物の輸送状況をより詳細に知りたい』という要望が多く寄せられ、その対応を図ることも必要になっていました。そこで整備されたのが、2006年3月から稼働を開始した『NEXT』です」

既存のシステムをモジュール化して
統合を可能に

日本郵船(株)では、以前から輸送中の荷物がどの過程にあるのかをリアルタイムに把握するためのシステムを整備し、荷主への情報提供に活用していました。たとえば、海外で生産された製品が国内へと運搬され、指定された倉庫に納品されるまでには、(1)現地の工場から物流会社の倉庫へと荷物をトラック輸送で運び込む、(2)倉庫で製品をコンテナに収納し、コンテナを輸送船に荷積みするため、再度トラックで輸送する、(3)海上輸送を経て、国内に荷物を荷揚げし、トラックによって物流会社の倉庫に運び込む、(4)倉庫で荷物をコンテナから取り出し、指定された顧客側の倉庫へとトラックで輸送する――というプロセスを辿ります。その各段階に応じた「輸送進捗管理システム」「在庫管理システム」「オーダー進捗管理システム」を構築し、それらの情報を“紐づける”ことで、荷物の現状を荷主に通知していました。

「しかし、これらのシステムは個別につくられ、それぞれの目的に応じて個別最適化されてきたため、個々のシステムで見ると使い勝手が良い半面、システム全体としては改善を要する点がありました。また、調べたい情報によってシステムを使い分けなければならないことも、効率的なオペレーションを実現する上ではネックとなっていました」
こうした課題を解決するために、NEXTでは既存のシステムをモジュール化し、共通のプラットフォーム上に統合。これによってシステムの全体最適化を実現するとともに、NEXTにアクセスするだけで荷物に関するあらゆる情報を入手できるようになりました。また、荷主企業が導入しているシステムとも容易に連携できるようにEDI(電子データ交換)のインタフェースを設けています。

「新システムの開発にあたっては、顧客からのカスタマイズの要求にいかに応えるのか、また、汎用性をいかに高く保たせるのか、さらに、いかに短期間に開発するのかという3つの課題がありました。システムのモジュールとEDIのインタフェースを備えさせることで、NEXTはこれらの要求を満たすことができたのです」

収集した情報を組み合わせて
SCMの強化を支援

さらにNEXTでは、Web上で簡単に荷物の輸送情報を確認できるようにしたほか、EDIによって必要な情報を業務データとして取得することも可能にしています。加えて、船便の到着が遅れるなど、重大な事態が発生した際には、自動的に荷主へメールを発信する機能も備えています。
「こうした情報収集機能を活用して、日本郵船ではSCMの強化を支援する新しいサービスを開始しています。その一例が、『パイプライン型在庫管理』です」 パイプライン型在庫管理とは、倉庫に向けて運ばれている輸送中の荷物、倉庫からの出庫が予定されている荷物、さらには荷主の製造計画などをも踏まえて在庫総量をコントロールするというもの。これによって、荷主は無駄な在庫や輸送コストを削減することができます。

「無駄のない、スピーディな物流業務を実現するために、日本郵船では航空輸送や海上輸送などのさまざまな輸送手段を柔軟に組み合わせるとともに、荷物に関する情報を多角的に収集し、分析・活用することでSCMの高度化を支援しているのです」
将来的には「NEXT」で提供している各種機能を、パッケージ化して同業他社に提供することも検討している、と山下氏。「現在は荷主への付加価値サービスとして提供していますが、近い将来、日本ユニシスと共同で外販することも計画しています。関心のある方、ぜひ当社もしくは日本ユニシスにお問い合わせください」と講演を締めくくりました。

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山下 一郎 氏

株式会社NYKシステム総研
物流システムグループ 物流システム企画チーム 課長代理

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