- 井芹
- 今後、企業が情報革命による変化をチャンスとして活かしていくために、パートナーであるITベンダーには何が求められるのでしょうか?
- 田坂
- 顧客企業の(1)衆知創発革命、(2)主客融合革命、(3)感性共有革命という3つの革命を促進させる戦略的な提案が望まれます。(1)ではブロゴスフィア(注1)でのテキストマイニング技術などで顧客の智恵を集める仕組み、(2)では顧客と協働でプロシューマ型開発(注2)を進める仕組み、(3)では動画や音声で顧客と対話する仕組みなどの提案です。なぜなら、これから経済の世界にも、情報革命による「直接民主主義」への回帰が起こるからです。かつて政治の世界は直接民主主義でしたが、現在は、代議制による間接民主主義が主流です。同様に、経済の世界も消費者の意向を代表して企業が商品開発を行う間接民主主義が主流です。しかし、こうした間接民主主義的な経済構造が、情報革命によって、直接民主主義的な構造へと回帰していきます。それは、まさにヘーゲルの螺旋的発展であり、私たちは、一段進化した「直接民主主義経済の時代」を迎えようとしているのです。
- 井芹
- 政治にせよ経済にせよ、あらゆる分野で私たち一人ひとりの声がより届きやすくなり、世の中を動かす可能性を持てるようになりました。今後、情報革命がさらに加速していくことで、世の中はますます変わっていくのでしょうね。
注1ブロゴスフィア(blogosphere)
ブログおよびブロガー(ブログのユーザー)によって形成されるコミュニティ。ブログ圏とも呼ばれる。
注2プロシューマ型開発
プロシューマ(prosumer)とはProducer(生産者)とConsumer(消費者)を合わせた造語。プロシューマ型開発とは、生産者と消費者が協働で商品やサービスを開発することを指す。
田坂 広志氏 × 井芹 昌信氏 対談からの5つの提言
- 世の中に存在しない情報にこそ価値がある。衆知創発のマネジメントに注力すべし
- 情報は共有するだけでなく、共鳴を起こさなければならない。そのとき、アクションが生まれる
- 言葉で表せない智恵を自発的に共有・伝承する。そのための仕組みや環境を創るべし
- バタフライ効果、収穫逓増、商品生態系によるリスクは、チャンスと表裏一体である
- 衆知創発革命、主客融合革命、感性共有革命を促進できるITベンダーを選ぶべし


