掲載日:2009年12月11日
特集:ダイバーシティ経営が日本を強くする。佐々木 かをり×池上 彰
既存のビジネスの価値観だけでは成長に限界が見えてきた日本の企業社会。多様な視点を採り入れることが本当に強くなるための道。
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経営方針や戦略に新しい視点を加えることで判断に深みが増す
- 佐々木
- この問題では派遣社員という雇用形態が注目されましたが、それ以外にも働く人たちにはさまざまな属性があります。だからこそ、女性や外国人、障がいをもつ人、若い人など、多様な視点を経営に採り入れる「ダイバーシティ経営」が求められるのです。
- ダイバーシティ経営は、日本が強さを取り戻し、社会的責任を果たすために必要不可欠な考え方ですが、今回、企業が危機的状況に立たされたからこそ、多くの人が気づいたわけです。そう考えれば、この不況にもプラスの面があったといえるかもしれません。
- 池上
- たしかに、不況という側面だけでなく、人々の生活スタイルや働き方も多様化し続けていますから、企業が強さを発揮し、また社会的責任を果たしていくためには、多くの視点をもっていた方が有利ですよね。もっといえば、「男性の視点」や「正社員の視点」に基づく既存の価値観だけでは対応しきれない時代が来ているということでしょうか。
- 佐々木
- 大企業の中には、取締役は全員、勤続35年の同期の男性ばかりという企業も少なくありません。そうすると、20年前の出来事でも皆が共有しているような状況ですから、経営方針や戦略のすべてが、長年のうちに築かれた1つの価値観のもとで決定されるわけです。こうした価値観の共有は、スピード経営という点から見れば有利に働きます。しかし一方で、今、そうした感覚が、ほかの属性の人たちに支持されなくなっていることも多いのです。
- そこに気づけるかどうか。これが、日本がこれから強くなれるかどうかを左右する最大のポイントだと思っています。
- 池上
- なるほど。女性の登用にしても、これまでは労働力の確保という側面が大きかった。そうではなく、新しい視点という位置づけで考える必要があるというわけですか。
- 佐々木
- 経営戦略を決定するプロセスに、今までにない視点の人を入れることで、判断の深みが増し、幅が広がり、多くの人が受け入れてくれるようになるのです。
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