掲載日:2008年2月29日
代表取締役社長
籾井勝人 Momii Katsuto
Profile 1943年福岡県山田市(現嘉麻市)生まれ。筑豊炭田にある小さな町で小説『青春の門』さながらの言葉を話しながら高校時代までを過ごす。1965年九州大学経済学部卒業、同年、三井物産株式会社入社。鉄鉱石部長、取締役鉄鋼原料本部長、米国三井物産株式会社社長、三井物産代表取締役副社長執行役員などを経て、2005年6月より現職。趣味はクラシック音楽鑑賞。
第13回
“新たな50年”に向けた取り組み
ITは今や、社会基盤に不可欠な技術となっています。
私は、こうした社会インフラとしてのITのインパクトを強く認識し、これまで以上に品質確保の徹底を図ることが日本ユニシスグループに課せられた重要な責務であると考えています。
近年、品質にかかわる出来事が大きな社会問題の1つとなっていますが、それらの多くは、プロジェクトの初期段階で問題の芽を摘み取らないまま進行してしまったことに要因があったのではないかと思います。
火事でも、発見した人がまずは通報し、ボヤのうちに消し止めることが重要です。しかし人の心理として、自分一人で解決しようとしたり、叱責や評価を気にして報告を躊躇するなど、なかなか周囲に問題を“通報”できないものです。これを解決するためには、問題があれば声をあげる――そんなごくあたりまえの行動を社員が実行できる風土が重要です。
日本ユニシスグループでは、そうした企業風土を定着させ、プロジェクト運営における問題事項を早期に解決するため、昨年12月から「行灯(あんどん)システム」の運用を開始しました。行灯システムとは、もともと自動車の生産ラインで採用されたもので、問題が発生した際、それを周囲に伝える状況報告システムです。
これを採り入れ、プロジェクトにかかわるすべての社員が、問題や不具合に気づいた時点でアラームを発信する、社内報告の仕組みとしたのが当社グループの「行灯システム」です。問題発生の報告は、上司と専任の担当者に伝えられ、即座にその状況を調査します。そして、しかるべきエキスパートを集めてチームを編成し、実態を詳細に把握したうえで、解決にあたります。
また、問題を報告した社員とその上司に対して、ご褒美を出すのもこのシステムの特徴です。これには行灯システムを制度として定着させるという目的とともに、問題を顕在化し、解決を図れる状態にしたことに対して、会社として褒める気持を表すという目的もあります。今までのように問題を起こしたことを叱るのではなく、問題を発信したことを褒めるわけです。私はこのシステムを通して、さらに品質の向上に努めます。
さて、当社は今年、創立50周年を迎えます。これまで当社グループは、ITとその周辺の領域でさまざまな技術を培ってきました。また、昨年はネットマークスをグループに迎え、ネットワークに関する技術を強化しました。これにより、SIとNIを融合し、ユビキタス社会の実現に貢献するICTをトータルに提供できる体制が整いました。さらに、ICTの推進に向けたプロジェクトを始動し、4月から新たなICT事業を本格的に開始します。当社グループは、品質への取り組みで足下を固め、同時に新たな50年にふさわしい事業として、このICT事業に総力をあげて注力していく所存です。そして今後も、皆様から愛され、信頼され続ける企業グループをめざします。


