掲載日:2011年6月20日
代表取締役社長
籾井勝人 Momii Katsuto
Profile 1943年福岡県山田市(現嘉麻市)生まれ。筑豊炭田にある小さな町で小説『青春の門』さながらの言葉を話しながら高校時代までを過ごす。1965年九州大学経済学部卒業、同年、三井物産株式会社入社。鉄鉱石部長、取締役鉄鋼原料本部長、米国三井物産株式会社社長、三井物産代表取締役副社長執行役員などを経て、2005年6月より現職。趣味はクラシック音楽鑑賞。
第30回
「変革」と「継続」
このたびの東日本大震災によって犠牲になられた多数の方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に深くお悔やみを申し上げます。また、現在も各被災地でご苦労をされている皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
大震災は、我々に多くの教訓を与えてくれました。日頃、完璧だと思っていた災害対策や防災実践訓練では対応できない、「想定外」の出来事がたくさんありました。
情報システムは、電気、ガス、水道と同様に、今や生活に欠かすことのできない社会インフラの一部として機能していますが、今回の震災でその利用形態や運用管理のあり方を根本から見直す時期にきているのかもしれません。
近年、事業継続は多くの企業にとって大きなテーマの1つとなっていますが、とくにビジネスの生命線でもある情報システムを障害から守り、安定稼働させることは、事業の継続を図るうえでも重要であると思われます。そこであらためて注目されているのが、ネットワーク上の情報資源をサービスとして利用する、クラウドコンピューティングです。
ICT技術を活用した障害に強いネットワークインフラで構築されているクラウドは、事業継続性の確保、事業効率の向上に向けた重要基盤となりつつあります。
複数のデータセンターを利用し、可用性の高い業務システムを保有することはコスト高になりますが、クラウドであれば必要なときに必要なだけ情報資源を利用することが可能となり、コストも安価となります。また、遠隔地にあるクラウドデータセンターのストレージに常にバックアップデータとプログラムを格納しておくことで、仮に自社のデータセンターが災害に遭っても、クラウド上でサーバを立ちあげ、短時間のうちにシステムを稼働させることができます。
今回の大震災では、自治体の庁舎や病院が被災したことで書類や電子データが紛失し、義援金の配分が滞るなど、被災地域の方々に負担を強いています。
現在、国民ID制度の導入に向けて政府も動き始めていますが、クラウドの技術を用いて可及的速やかに実現すべきではないでしょうか。これを導入することによって、年金をはじめ多くの社会インフラがこれまで以上に効率的に運用できます。日本が復興するためには、社会全体でクラウド化を推進していく必要があると思います。
当社はクラウド環境を支えるサーバやネットワーク、データセンターなどの整備にいち早く取り組み、現在では、システムの提案から開発、運用、保守に至るまで、クラウド化にかかわるあらゆるサービスをワンストップで提供しています。今後、クラウドは利便性、安全性、コスト面など、あらゆる面から急速に拡大し、社会インフラの重要な役目を担う存在となるでしょう。
日本ユニシスグループは、お客様の事業継続と発展を支えるために、ICTでお客様を支援してまいります。そして安心・安全な社会実現のために、単なる流行語としてのクラウドではなく、真のクラウドの普及に努めてまいります。


