2014年3月20日掲載

ユーザー事例

徳島大学 様 糖尿病克服に向けた地域EHRシステムを構築し、「病病連携」と「コホート研究」を推進。

「糖尿病の克服」に県をあげて取り組む徳島

今や世界的な脅威となっている糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの相対的不足によって血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続く病気です。初期段階では自覚症状はありませんが、高血糖状態を放置すると全身の神経や血管に障害を起こし、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、壊疽などの合併症が起こり、失明や腎不全、四肢切断の原因になります。また動脈硬化に起因した脳卒中、心疾患を発症するリスクも高まり、近年ではがんや認知症の発症リスクが高まることも報告されています。このようして最終的に死に至るケースは珍しくなく、国内でも毎年1万数千人がこの病気で亡くなっています。

実は、徳島県はこの20年間、ほぼ毎年「糖尿病死亡率全国ワースト1位」を記録してきました。そのため、「糖尿病克服」は県全体の課題であり、2009年からは産・学・官が連携して糖尿病の新たな治療法や検査・診断装置、医薬品素材などの開発を促進していく「徳島健康・医療クラスター事業」がスタートしています。

この研究活動の核として、2010年1月に徳島大学に設立されたのが「糖尿病臨床・研究開発センター」です。先進的な糖尿病診療をめざし、国内外の優秀な研究者を集めた同センターでは、臨床分野と研究分野の密接な連携によって基礎研究から先進医療までの包括的・総合的なアプローチを展開するという、国内でも例のない戦略的な研究体制が敷かれています。

松久 宗英氏の写真

そして、この糖尿病臨床・研究開発センターを中心に、3年前から進められているのが糖尿病をターゲットとする「地域EHRシステム」の構築です。徳島大学特任教授で同センターのセンター長を務める松久宗英氏は、その背景を次のように語ります。

「私たち糖尿病臨床・研究開発センターでは、先進的な機器や指導法を導入して、大学病院の糖尿病診療のレベルアップに努めるとともに、専門医や療養指導士などの人材育成にも力を入れています。しかし県全体で糖尿病の患者さんが増え続けるなか、大学病院の専門医が対応できる数は限られています。糖尿病の発症、重症化、さらに合併症を予防するためには、ICTを活用したシステムによって地域のさまざまな医療機関が緊密に連携することが、ぜひとも必要だと考えたのです」

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