VOL.33 2011.12.16更新

ホームへサイトマップご意見・ご感想・お問い合わせ

キーワード・スルー検索

ちかごろ気になるITキーワード

掲載日:2003年10月1日

ICタグ

日本ユニシス株式会社 アドバンストテクノロジ本部

ONE POINT 解説

無線でデータを読み書きできるICチップのこと。RFID(Radio Frequency ID)や無線タグ、電子タグなどとも呼ばれている。専用のリーダライタを使ってデータの読み書きを行うことができる。ICタグにはさまざまな製品が存在するが、これらは形状、電池の有無、読取専用/書込可能、周波数などのカテゴリで分類することができる。ICタグの形状には、コイン型、棒型、カード型、紙やシールに挟んで利用するラベル型などが存在する。また、電池を内蔵しているタグをアクティブタグ、内蔵していないタグをパッシブタグと呼ぶ。パッシブタグはリーダライタからの電波を受けて電力を発生させて通信を行う。周波数に関しては135KHz、13.56MHz、2.45GHzなどが存在する。
ICタグとリーダライタの間の通信距離は、パッシブタグで数センチから3メートル程度、アクティブタグで数メートルから数十メートル程度と言われている。但し、周波数やアンテナの大きさ、利用環境によって通信距離が大きく変わってくる。
ICタグは次世代バーコードとして大きな期待が寄せられている。ICタグとバーコードを比較すると次のような特長がある。1) 繰り返し書き込みができる 2) 同時に複数のタグにアクセスできる 3) 表面が埃や泥などで汚れても通信できる 4) ケースに入ったような状態でも読み書きできる。

ICタグの利用シーンとメリット

実用化されているICタグとしては、JR東日本の定期/プリペイドカードとして利用されているSuicaや、自動車業界で利用されているイモビライザーなどがよく知られている。イモビライザーは、自動車のカギにICタグを埋め込み、ICタグのIDと車両側コントローラのIDが一致したときのみエンジンがかかる仕組みになっており、自動車の盗難を防止する効果がある。今後の利用シーンとしては、運転免許証やパスポートなどに埋め込んだ個人認証や、ブランド品の偽造防止などが考えられている。また、最近では食の安全への関心が高まっていることから、トレーサビリティシステムを導入して利用者に情報を提供する企業が増えてきており、ここでもICタグの利用が期待されている。また、アパレル業界でも利用が検討されている。既存のバーコードでは売れた服と売れていない服の判別しかできなかったが、洋服にタグを、試着室にリーダを取り付けることで、売れ残っている服の中で、どの服がよく試着されているかを把握することができ、陳列する服を選定するのに役立てることができる。

ICタグの標準化動向

ICカード、動物管理、海上コンテナなどさまざまな分野でICタグに関する標準化が進められている。ここでは無線インタフェースとID体系およびその基盤技術の標準化について触れることにする。
無線インタフェースの標準化は主にISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)18000で進められており、6つの周波数帯を対象に規格化されている。しかし、米国、欧州、日本など、地域ごとに電波法が異なり、利用できる周波数に制限があるため、どの周波数を共通に利用していくか、議論されているところである。
ICタグに割り当てるID体系の規格化を推進する2つの団体が登場した。一つはMITが中心となって進めているAuto-IDセンター、もう一つがTRONの生みの親として著名な坂村東京大学教授を中心としたユビキタスIDセンターである。両センターではIDの体系化とともに、ICタグを利用するための基盤技術の標準化を目的としている。但し、Auto-IDセンターが主に物流をターゲットとしたバーコードの代替を目指しているのに対し、ユビキタスIDセンターの最終目的はユビキタスコンピューティングの実現であることから、両センターの目的は少々異なる。

ICタグの課題と展望

ICタグは非常に注目を集めている技術であり、各業界における実用化が現実味を帯びてきている。しかし、実際にはいくつかのクリアされなければならない課題が存在する。
一つ目の課題は読取精度である。扱う対象が目に見えない無線なだけに、問題なく読み取れるはずの距離なのに実際には読取りができなかったり、逆に遠距離にあって読み取らないはずのタグを読み取ってしまうことがしばしばある。
二つ目の課題はプライバシーに関する問題である。個人が所有する製品にICタグが埋め込まれた場合、第三者がそれを読み取ることで容易に個人情報を取得できてしまう。実際に消費者団体に訴えられ、ウォールマートとジレットの店頭実験が中止になったこともある。
三つ目の課題は価格である。安価なタグでもようやく100円を切ったところであり、すべてのモノに付けるにはコストが掛かりすぎる。専門家の間ではタグ1個が10円を切るようになるには、あと3〜5年かかると予想されている。
しかし、このような課題は存在するものの、今後の技術革新や利用者の認知により、近い将来ICタグが広く普及していくと考えられる。

日本ユニシスの取り組み

日本ユニシスでは早くからICタグに注目し、先に発表した日本航空様と実施した輸入貨物を対象としたICタグ実験をはじめ、物流、アパレル、ハウジングなどさまざまな業界において実証検証と実用化を進めている。ICタグを使ったサービスの提供にあたっては、机上では明確にならない課題を解決するために、実証検証などによってフィージビリティを確認する必要があるとともに、お客様のビジネス価値を高めるためのビジネスモデルを、お客様と日本ユニシスが共同で作り上げていくことが重要であると考えている。

筆者紹介

峯岸 康史の顔写真

ICタグは最近非常に注目を集めている技術であり、業種・業界の枠を越えてその適用への期待が高まっています。しかし、ICタグを利用するにあたっては、読取率、プライバシーの侵害、タグのコストなど、多くの課題が存在します。これらの課題がすべてクリアされるにはある程度時間がかかると思われますが、まずは適用が比較的容易な領域から導入が進められていくと考えられます。ユニシスでも、さまざまな業種のお客様に対して、ICタグを使ったビジネスモデルの検討からシステム構築に至るまで、お客様の価値創造に繋がるサービスを提供していきます。

アドバンストテクノロジ本部
IT統括部 ユビキタスコンピューティング部
峯岸 康史

ページの先頭に戻る


ICタグ/RFIDソリューション