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ちかごろ気になるITキーワード

掲載日:2006年7月18日

Web 2.0

総合技術研究所 先端技術部 技術開発室

ONE POINT 解説

オライリー社CEOのティム・オライリーが新しいWebの変化とトレンドを第二世代のWeb、「Web 2.0」と表現したのがはじまり。その後、2度のカンファレンスが開催され、新たなキーワードとして知られるようになった。
ティム・オライリーは Web 2.0を「次世代ソフトウェアのためのデザインパターンとビジネスモデル」と述べているが、厳密な定義はなく、次世代インターネットのアプリケーション、サービス、ビジネスモデルを含む概念として注目されている。

「Amazon」に見るオンラインショップからプラットフォームビジネスへの進化

今回は、Amazonを事例にしながら、Web2.0のキーワードである「集合知の利用」や「ロングテール」「API」「アフィリエイト」などを解説していきたいと思います。
Amazonは、インターネットの商用利用の黎明期である1995年、インターネット上で「書籍を通信販売する企業」として起業。その後、書籍だけでなくCDやDVD、家電、日用雑貨を扱う総合オンラインショップに成長しました。
Amazonの特徴の一つが、「カスタマーレビュー」と呼ばれる書評を書き込むことができる点。いわば読者からの口コミで、これからその本を買おうとしている人にとっての評価基準となっています。また、そのレビューを読んだ人がレビューを行った人に対しての評価を行うことで、レビュアーの信頼度も担保しています。こうした口コミやレビュー記事評価によって、さらに参加するユーザーが増え、読者やレビュアーの“集合知”は日に日に活発化しています。
また、Amazonでは書籍の売上における「ロングテール(LongTail)現象」が生じています。ベストセラーや売れ筋などの上位2割の商品が売上の8割を占めるというパレートの法則(2:8の法則ともいう)に対し、下位8割の商品が売上の5割以上になったのです。
さらにAmazonはAPI(Application Program Interface)を無償で公開し、新たなWebアプリケーションを構築するための命令や関数を開発者に広く開放しました。これにより、個人やベンチャー企業がAPIを利用してAmazonの商品を販売することが可能となり、多くのWebアプリケーションが生まれました。そしてAmazonは販売実績に応じて手数料を得るというビジネスモデルを適用しています。AmazonはWebの小売業からプラットフォームビジネスへ進化しているのです。
また、Amazonは「Amazonアソシエイト・プログラム」としてアフィリエイトを提供しています。
アフィリエイトとは、Webサイト間のパートナーシップが強調された成果報酬型広告です。あるユーザーが広告を通じて企業のWebサイトにアクセスし、買物をした場合、その売上の一部を、広告を掲載していたWebサイトの運営者に支払うという仕組みです。これは個人Web運営者やユーザーの参加を推進し、Webサイトに関心のあるユーザーからの購買を期待できるというもので、事実、Amazonでは高い費用対効果をあげています。
Amazonのビジネスモデルの進化は、インターネットの第一世代、第二世代の両方で参考になる事例であり、多くの企業のビジネスモデルに影響を与えると考えます。
価値ある情報を見極め、その情報が企業にとってお金を生むオープンな仕組みをつくり出し、参加する人々にも利益をもたらしています。Web2.0はブログや口コミ、APIを利用した個人Webサイトに留まらず、企業のあり方やビジネスモデルを大きく変える力をもっています。
多くの企業がWeb2.0を取り入れて、新たな価値を生みだすことを期待したいと思います。

筆者紹介

中川 靖士の写真

「インターネットと実世界の融合」をテーマに、画像解析、インターネット中継、個体識別技術(RFID)物流効率化、トレーサビリティ、ITS(プローブ情報解析)などに携わり、現在はAjax、Web 2.0の利用シーンを中心に研究開発を行っている。コミュニティサイト“Tyzoh(タイゾウ)”にてブログ、オープンソース・ソフトウェアを公開中。

日本ユニシス株式会社 総合技術研究所 先端技術部 技術開発室
中川 靖士

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