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ソリューション別事例
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客室乗務員の訓練にWBTを導入
知識/ノウハウを蓄積し、ナレッジ・マネジメントを推進
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WBT導入に至る経緯 |
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全日空では、社内イントラネット「KWiN(Knowledge Work in Network)」を活用したOA化推進に当たって、全社員を対象とした情報リテラシ教育に着手した。PCのある教室に常時インスタラクターを待機させ、時間の空いた人に集まってもらい直接講習を開催することも検討したが、このような集合教育形態で全社員を教育していくには時間がかかり、また、全国に散在する各事業所から訓練センターに集めるには、交通費や日当など高いコストがかかるなどの問題があり、現実的ではないと判断した。
そこで、こうした問題をクリアすべく、インターネットを利用したWBT(Web Based Training)システム「KWiN Academy」を2000 年6月から開始した。
その理由として、同社IT推進室 情報化推進担当 岡本 真悟氏は、「約15,000人の社員のうち、スタッフ関連を除く現場で働く人(客室乗務員やパイロットなど)の割合が約80%と多い。こうした社員はシフト制の勤務体系をとっており、皆が同時に集まるのは難しい。そこで、Eラーニングのような時間と場所を既定されない学習スタイルが最適と考えた」と語っている。
WBTは、まずメール操作やWord、ExcelなどPCスキル習得が行われた。
次いで、WBT活用の効果をさらに高めるために、専門職教育にも適用することとし、その第一弾として2001年7月から客室乗務員教育にもWBT導入した。 |

岡本 真悟氏 |
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客室乗務員へのWBT適用を開始 |
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客室乗務員は、訓練(座学・実技)を受け、審査に合格しないと資格が取得できない。さらに資格(機種)拡張時にも訓練を受ける必要がある。これまでこうした訓練は、訓練センターでの一元的な集合形態で実施されていた。つまり座学では1回に20〜30名が訓練センターに集合し、1日〜2日間インストラクターにレクチャーを受けるという形態である。
しかし、従来の訓練形態では、要件レベルで、次のような限界があった。
- 要件として決められたトレーニングであり、受動的な訓練になりやすい
- 訓練の都度訓練センターへ赴く必要があるため、効率化が図りにくい
- テキストブックや業務要領(ペーパー)による座学訓練のため、リアリティ、面白味を欠き、理解が深まりにくい
また、付加価値レベルの問題点は、
- 職場における“リカレント訓練”の実施がテキストブックやVTRなどの視聴覚教材のみの知識のブラッシュアップでとどまっていた
- 訓練中の質問、ディスカッションから生じる“お互いの知識共有”がクラスルーム・レベルにとどまっている
- 個人の好きな時間に、場所の制限なく学びたいという要望に応えられていない
が挙げられていた。
そこで、WBT導入に当たっては、
◇「いつでも」、「どこでも」、「自らの意思で」実施できる訓練形態への転換
◇バーチャル・ラーニングによる実体験に近い教材の提供
で客室乗務員全体で知識共有ができる仕組みへの転換を目指すこととした。
また、教材の開発に当たっては、
- 操作しやすく、わかりやすい(操作の単純化、表現の見直し)
- 学習時間の短縮化
- 学習意欲の喚起
をテーマとして掲げた。
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ユニシスのVirtualCampus基盤上で稼働 |
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この客室乗務員を対象としたWBT「Pl@net(Personal Learning Aid in net=客室乗務員機種資格訓練用WBT)は、2001年7月から運用を開始している。
Pl@netは、日本ユニシスが開発したEラーニング基盤である「VirtualCampus(バーチャル・キャンパス)」上で稼働している。すなわち、学習者、システム管理者、学習者/訓練管理者からの質問対応などを行う各PCをLANで接続している。これによって、学習者は所属基地、国内・海外ステイ先、自宅など、どこからでも、社内LAN・WAN(Web)を利用して学習できる環境を整えている。
履歴情報を学習者から訓練センターの管理者に転送し、進捗状況や履歴が常時確認できる仕組みになっている。
また、WBTの事前学習がすべて修了した人が、テストと実技の訓練に進むことができる。(下図)
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図:客室乗務員WBT概要図 |
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WBTで教育形態を革新 |
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WBTの導入により、客室乗務員教育は次のように革新された。
| ◆「いつでも」、「どこでも」、「自らの意思で」 |
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座学訓練は、定められた学習期間内に、それぞれの自己管理で訓練を進めていく方法を取っている。
また、各職場の社内ネットワークで学習が行える場所を用意するとともに、さらに自宅などの社外から全日空のイントラネットに入り学習できる仕組みを整備した。この結果、「いつでも」、「どこでも」、「自らの意思で」を実践できるように、受訓生をサポートする体制を整った。
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| ◆バーチャル・ラーニングによる実体験に近い教材を自社開発 |
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教材は、5人のインストラクターCA(キャビン・アテンダント)によって開発された。教材開発に当たっては、「学習効果を上げるために、クイズの設定、動画による臨場感の実現、さらにイラストを使用し強調ポイントを明確にするなどの工夫を凝らした」という。
開発教材は全機材共通知識、「ボーイング777」、「ボーイング747」、「エアバス320」など全日空が保有している全機種毎の機体の概要、脱出経路などの安全対策、さらに機内のゲーム機をはじめとする機器の操作方法、さらに、トイレの水漏れがあった場合の操作方法、ギャレー(台所)の各設備の操作方法などの飛行機の基礎的な知識を収めたものなどと多岐にわたる。
また、最新の旅客機では、ゲームや映画などエンターテイメントのための装置や、機内設備をコントロールするパネルなどの設備があり、テキストでは説明しにくい部分があった。WBTでは、実際にある装置やパネルと同じものをWBTの画面上に出して、動かし方を体験できる。マルチメディア教材を実現し、実体験に近い訓練を可能にしている。
なお、学習時間数は各機種で3〜4時間である。
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教材を作成したプロジェクト・メンバー(左から遠藤智子、岡原美保、鈴木素子、樋田かおり、加藤雅代)のみなさん |
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受講者からも好評 |
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現時点における受講者のPl@netに対する評価は以下のとおりである。
- 自分のペースで好きな時に見ることができ、非常に学習しやすかった。また、不安なところは何度も学習して克服できた。
- テキストブックを見ながら黙々と勉強するよりも目と耳から入ってくるので、実際に授業を受けている感覚で非常に頭に入りやすかった。
- 絵や実際の映像などが豊富で、C.M.S(Cabin Management System)などの操作も体験でき、
分かり易く効率的に学習を進めることができた。特にクイズやセルフテストによって、
ポイントを掴むことができた。
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 画面学習例 |
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今後の課題 |
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今後の課題について、岡本氏は、「まず、学習者サイドのIT機器操作の慣熟が挙げられる。
現在までに分かっている運用ミスによる不具合については、すでのシステム上の抑止策がとられているが、
さらにストレスなく受講者にWBTを使ってもらうためには、事前の慣熟教育やFAQの整備に今後一層力を
入れていく必要がある。また、学習環境の整備も必要である。学習に必要なパソコン台数については、
事業所内の設置スペース上の制限などもあり、今年度については若干不足気味であることは否めない。
今後はパソコン保有率の一層の向上による改善もあり得るが、定期的に学習環境をチェックし、必要な
環境整備を継続的に図っていきたい」と語っている。
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ナレッジ・マネジメントに向けて |
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このシステムでは、質問窓口を2つ設けている。1つは、KWiNデスクというKWiN全体のサポート体制で、
パソコン操作がわからないなどのシステムについての質問窓口。もう1つは教材や訓練内容に関しての
質問対応である。客室乗務員WBTでは、学習者が集合研修でインストラクターへ質問するのと同様の環境
を構築している。
「WBTとFAQを融合することで、社員は常に知識を増やすことが可能となる。また、KWiNシステム自体も、
知識やノウハウが蓄積でき、それを新たな学習者へ提供することができる。会社としても社員やインスト
ラクターが持っているナレッジを蓄積できるなどのメリットがある」(岡本氏)。
全日空では、今回のWBT導入をナレッジ・マネジメントの一環と捉え、社員の問題解決能力の向上/自主
トレーニングの強化を図っていく。
今後は、こうした専門職訓練をほかの職種にも展開し、ナレッジ・マネジメントをさらに推進し、
“業務の質の向上”を図っていく予定である。
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本社=東京都大田区羽田空港3-5-10 |
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代表者=大橋 洋治社長 |
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従業員数=13,308人(2001年9月末現在) |
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