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Foresight in sight

電力小売 クラウドソリューション Enability®シリーズ

IoTの進化がもたらすエネルギー業界の未来とは?

IoTにおけるスマートメーターの存在

ありとあらゆる「モノ」を、ネットワークを介して相互に繋げ、プログラムでコントロールすることで、遠隔での機器操作やリアルタイムでの情報交換を可能にする仕組み「IoT(モノのインターネット)」。現在、様々なビジネスの分野において多様なIoTサービスの導入が進められています。ここでは、IoT活用がもたらし始めたエネルギー業界の変化、そして電力関連ビジネスでの活用事例についてみていきましょう。

エネルギー業界で普及したIoT機器といって最初に思い浮かぶのが、スマートメーターです。旧来のアナログ式の電気メーターの場合、検針員が定期的に各家庭などを訪問し、目視により電力の使用量を検針する必要がありました。しかし、スマートメーターを使用すれば、デジタルで電力使用量を計測し、データはネットワークを通じて遠隔地にある電力会社などにリアルタイムに送信されます。人が一軒一軒を巡回して検針する従来の作業が不要となるのはもちろん、これまでは1ヶ月に1度だけ調べていた電力使用量を、30分単位で把握できるようになりました。これがもたらす「電気の見える化」は、電気の使用を細かくコントロールできるほか、節電の意識を高める効果なども生んでいます。

IoTによる「エネルギーマネジメント」

スマートメーターによって蓄積されたデータを有効に活用すれば、これまで以上に、電力を効率的に使用することが可能になるはずです。そんなエネルギーの効率的な活用を実現する手法として注目を集めているのが、スマートメーターをはじめ、IoTの活用を前提とする新たな「エネルギーマネジメント」の概念です。欧米諸国では、すでにエネルギーマネジメントに特化したサービスを提供する企業が次々と登場していますが、スマートメーターの普及が進んだことで、日本国内においても、エネルギーマネジメントに関連する様々なビジネスが登場し、エネルギー市場を牽引する大きな力になることが期待されています。

エネルギーマネジメントにより期待される効果のひとつは、「省エネ」。スマートメーターで電力使用量を常時把握できるようになったことで、需要家側でも、節電に対する意識が高まりつつあります。それを踏まえ、電力使用のピーク時間帯に節電することで、インセンティブ(報酬)が支払われる「デマンドレスポンス」を展開する電力会社が登場しています。また、スマートメーターによってもたらされたデータに基づいて、機器を自動制御し、節電目標をクリアするのに最適な設定で稼働させる取り組みなども広がっています。

しかし、節電のための取り組みは、エネルギーマネジメントにおけるほんの表層に過ぎません。家庭用の太陽光発電システムや蓄電システムがどんどん普及している現状において、IoTを活用し、これら発電・蓄電システムを遠隔で制御、広範囲にわたるエネルギーシステムを統合・管理する上でも、新たなエネルギーマネジメントの確立が不可欠であると考えられています。

さらに、IoT活用や、それを根幹とするエネルギーマネジメントの広がりは、次世代のエネルギー需給体制の基盤として期待される「スマートグリッド」や、再生可能エネルギーを利用した小規模発電施設などの分散型電源を統合し、大規模発電所と同等の発電力を確保する「VPP(ヴァーチャルパワープラント)」、家庭用太陽光発電システムや蓄電池などの活用によって生じた節電電力(ネガワット)を電力会社が買い取り、市場で取引きする「ネガワット取引」など、新たなエネルギーの需給体制や市場を実現していく上でも、極めて大きな役割を果たしていくことになるでしょう。

IoTの活用で実現したサービスは?

エネルギー業界におけるIoT活用や、それに基づくエネルギーマネジメントは、今後、さらなる発展が期待される比較的新しい分野です。しかし、一部では、IoTと連動した新たなサービスなども登場しています。ここでは、すでに展開されている具体的なサービスの事例をご紹介します。
  • 電力消費量の変化で危機を察知する「見守りサービス」
    核家族化が進んだことで、ひとりで暮らす高齢者が増加し、様々な問題が顕在化しています。そんな高齢者と、離れて暮らす家族双方の安心を守るサービスとして注目されているのが、IoTと電力サービスの組み合わせによって可能となった「高齢者見守りサービス」です。
    スマートメーターなどを通じて継続的に電力使用に関するデータを蓄積することで、外部からも高齢者の生活パターンなどを把握することができます。そのパターンを逸脱し、電力使用量が大幅に減少、または増加した場合には、何か異常が発生している可能性があります。異常を早期に検知し、声掛けや応急処置、搬送などの適切な処置を行うサービスなどを展開する電力会社が増加しています。
  • 家庭内のエネルギー消費量を最適に制御した「スマートハウス」
    現在では、ITの力で家庭内のエネルギー消費を適切に制御する「スマートハウス」に関連したサービスも次々と登場しています。例えば、エアコンを多用する夏場や冬場には、ついつい部屋を温めすぎたり、逆に冷やしすぎたりすることもありますが、こうした状況はエネルギーを必要以上に消費することにもつながります。スマートハウス関連サービスでは、センサーなどで室温を監視し、住宅全体の機器を適切に制御することで、高い省エネ効果を実現することができます。
  • 電力データを活用した機器の点検サービス
    エネルギー消費量を適正に保つためには、機器が性能通りに機能することも大切。そこでIoTにより室内機器等の状態を把握し、適切な時期に保守・修理を行うサービスなども登場しています。

    また、スマートメーター等で得られる電力消費に関するデータを分析し、どこを改善すれば、料金を抑えることができるかなどについて診断・アドバイスするソリューションサービスを提供している会社もあります。今後は、節電により電力料金を抑えるだけではなく、太陽光発電や蓄電システム等の「創エネ」「蓄エネ」に関するシステムの導入の必要性などを診断し、家庭内におけるエネルギーマネジメントをトータルに行うサービスなども登場することが予想されています。
エネルギー業界のあり方が大きく変わろうとしている背景には、IoTをはじめとする技術の大きな進展もあります。また、その技術を有効に活かし、省エネや創エネ、蓄エネなども含め、より高効率なエネルギー需給体制を構築しようという動きも加速しています。IoTの活用、そして、それを前提とした新たなエネルギーマネジメントの必要性は、今後もますます大きくなっていくでしょう。

*Enabilityは、日本ユニシス株式会社の登録商標です。

*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。