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Foresight in sight

マイクロソフトプロダクト

事例紹介

株式会社カプコン様

【導入の背景】グローバル経営のさらなる強化のために情報システムの統一化を構想

  • 海外マーケットのさらなる開拓が大きな経営課題に
カプコン様は、ルーツであるアーケードゲームをはじめ、家庭用ゲーム機向けソフトウェアや携帯電話ゲーム分野でも数々のヒット作を生み出しており、国内はもとより欧米、アジア市場でも有数のゲームソフトメーカーとしての地位を確立。2008年3月期には営業利益100億円突破を達成するなど、現在も新たな成長軌道に向けて躍進している。
そのカプコン様が経営戦略における大きなテーマとして掲げているのが「グローバル展開のさらなる推進」だ。同社が主力とするゲーム市場はいまや海外が中心であり、市場の80%以上を占めていることに加えて、海外は高い成長率で推移している。これは、若年層の増加に加えて、女性・中高年者層などのいわゆるライトユーザーの拡大、さらにこれまでゲーム機が十分普及していなかった新興国などでも新たな娯楽文化として受け入れられていることによるものだ。一方、ゲーム機の進化にともなってコンテンツの開発コストが高騰し、日本市場だけではコスト回収が難しくなってきている。「現在の家庭用ゲーム事業の売上構成比は国内50対海外50ですが、これを売上は伸ばしつつ、国内35対海外65にしていくことを中期目標としています」と語るのは、同社常務執行役員の野呂良材氏だ。
野呂 良材氏の写真
  • 全社的な構造改革の一環として情報システムの統一化を推進
このグローバル展開の一環として、カプコン様では2002年度から全社的な構造改革を推進。米国・欧州・アジアに計8社ある海外拠点を中心に開発・マーケティング・販売を抜本的に見直し、これをもとに2006年度からグループ全体の情報システムの統一化に着手した。

「これまではグループ会社の独立性が高く、各社が独自の方針で仕入・マーケティング・販売を行う経営スタイルをとっていました。そのため、管理会計の方法や行動体系、業務プロセスなどの面でも全社的な統一がとれていなかったのです。情報システムについても各社めいめいでサーバを立てて管理し、全社を結ぶ統合ネットワークもありませんでした。グローバル経営を強化するうえで、これは大きなネックになると考えたのです」(野呂氏)

【選定理由】実績・アプリケーションとの親和性からマイクロソフト製品を選定 プロジェクトのパートナーとしてユニアデックスを指名

  • 目標はシステムの統制・監督機能の強化と情報共有の活性化
同社がシステム改革の第一目標に掲げたのは、各部門・拠点に対する「統制・監督機能の強化」だ。

「従来から各グループ会社単位では管理・統制が行われていましたが、それはあくまで“部分最適”であって、“全体最適”とは言えません。そこで今回のシステム改革では、世界の全拠点について会計方法や行動体系、業務プロセスを統一し、本社が把握・統合管理できる環境をつくりあげることをテーマにしました」(野呂氏)

そしてもう1つ、情報システムの統一化によって世界の拠点間での情報共有を活性化させることも、システム改革の大きな狙いだった。

「情報系環境をすべての国・拠点で統一し、情報をリアルタイムに共有することで拠点間の意思疎通を円滑にする。また、それによって、開発やマーケティング・販売活動の効率をさらに高めたいと考えました」(野呂氏)

こうした目標のもと、同社は新システム構築に関する3つの基本方針を定めた。第一に、基幹系システム、経営管理、文書管理、ワークフロー管理などの各システムを統一して「グローバルな業務基盤」を確立すること。第二にインフラとなる全社ネットワークの構築やツールの統一によって「グループ間のコミュニケーション基盤」を確立すること。そして第三にサーバはすべて日本の本社に置いて全世界の拠点を「集中管理」し、各国へは複数言語でサービスを提供していくことだった。
  • 導入実績の豊富さやアプリケーションとの親和性からマイクロソフト製品を選択
カプコン様では、これらの目標を実現するソフトウェアを比較検討した結果、マイクロソフトの製品群を使用することとなった。

「これまでも社内の多くの部門でWordやExcel®が日常的に使われており、マイクロソフト製品ならばユーザーにとってもストレスなく活用できますし、スムーズなシステム連携も期待できるというのが、その理由でした。また、すでに米国や欧州のグループ会社ではメール管理やID管理にMicrosoft Exchange ServerやActive Directory®が使われていて、グローバルレベルでの使用に耐えるという実績にも期待しました」と語るのは、今回のシステム導入推進を担当した同社情報システム室長の井上恵氏だ。
井上 恵氏の写真
「それにマイクロソフト製品は導入事例が豊富で、システム構築過程で何らかの問題に直面したときも参考にできるデータが多いという安心感もありました」(井上氏)

こうしてカプコン様では、文書やワークフロー管理、情報ポータルの基盤となる『Microsoft Office® SharePoint® Server 2007』、インスタント・メッセージやWeb会議といった統合的なコミュニケーションの基盤となる『Microsoft Office Communications Server 2007』など、マイクロソフトのソフトウエアの採用を決定。2006年10月、本社情報システム室内に推進チームが設置された。そして、マイクロソフトから「関西エリアでこの種のシステム構築を任せられる会社」として推奨されたユニアデックスをパートナーとして指名し、カプコン様とユニアデックスとデータセンターおよびシステム運用を担当するベニックソリューションの3社の協力体制のもとでOA-COEプロジェクトがスタートした。

【導入の効果】製品の導入サポートにとどまらず、最新技術を採り入れた開発方法を提示してシステムの最適化を実現

  • 徹底した業務分析によって既存のワークフローを改善
プロジェクトでは新システムの構築準備として、まず各グループ会社で日常的に使用している業務アプリケーションを統一するとともに、全拠点を結ぶグローバルネットワークを構築。そして2007年8月から、それらを統合的に管理するための文書管理システム・ワークフローシステムの要件定義が開始された。

「今回のシステムでは、Microsoft Office SharePoint Server(MOSS)を中心に据えたワークフローシステムを構築することになっていたのですが、その要件定義は思いのほか大変なものになりました」と話すのは、今回のプロジェクトでSAPグローバル業務システムの導入を指揮し、プロジェクト全体を統括した同社IT統括の井辻敦雄氏だ。
井辻 敦雄氏の写真
「というのも、当初は既存システムの機能をMOSS上に置き換えていくことを考えていたのですが、『業務フローそのものを見直すべきではないか』という意見がユーザーからあがり、フローそのものをもう一度見直すことになったのです。そこでユニアデックスにも協力してもらいながら徹底した業務分析を行い、従来の業務フローにあった不明確な部分や問題点を整理・改善していくことになりました」(井辻氏)
  • MOSSと基幹システムとの連携で最適な「稟議プロセス管理」を実現
こうしたMOSSの実装過程において、もっとも注力したのが「社内稟議」に関するワークフローだ。従来利用していた国産グループウェアに付属するワークフローでは、製品に業務プロセスを合わせるしかなく、その間のギャップを感じていたという。同社の稟議プロセスには、承認者の数や承認パターンが多く極めて複雑なものがあった。この稟議フローを整理・改善するために、業務プロセスの分析から要件を抽出し、MOSSシステム上にプロセスを忠実に反映させていった。

また、稟議が滞ることがないよう通知する機能や、どの段階まで承認が進んでいるかを確認できるモニタリング機能を付加することで、グループ内の稟議状況を効率的かつ高精度に管理できるようにしたほか、稟議システムのデータは、帳票としてPDFに出力し、MOSSのドキュメントライブラリに登録する機能を実装。これによって、稟議に関する文書をMOSS上で管理・検索できるようにした。

加えて、SAPで管理している組織別/勘定科目別に分けられた会計上の計画と実績情報、物販情報や財務情報と、MOSSの稟議データをBAPIでリアルタイムに連携。経営計画と実績を対比する「予実管理」を自動的に行える機能も追加した。

「これによって予算が不足していれば警告が点滅し承認が下りないようになるなど、システムの完成度を高めることができました」(野呂氏)

この稟議システムは、マイクロソフトが提供するMicrosoft® .NET Framework 3.0のWorkflow Foundationをワークフローエンジンとして採用し、MOSSと密に連携できるよう組み込んだものだ。ユニアデックスは、製品の導入にとどまらず、複雑な要件から判断し、最適な開発方法を提示することで、より最適なシステムを実現させたのだ。
  • 社内の理解・協力体制の確立にもユニアデックスが総合力を発揮
導入プロセスでもう1つ苦労したのは「社内の理解獲得」だった。

「今回のシステム刷新は、導入前の段階ではユーザー側からメリットが見えにくく『現状でちゃんと動いているのだから、システムを見直す必要はないのでは』といった声も多く寄せられていました」(野呂氏)

そこで情報システム室とユニアデックスは“合同キャラバン隊”を編成。国内・海外の各拠点を1つずつ訪問して、システム更新の必要性とメリットを説明して回った。

「キャラバンではまず、セキュリティを確保したインスタント・メッセージやWeb会議などのOffice Communication Server(OCS)のコミュニケーション機能をアピールしてユーザー側の関心を喚起し、そこから文書管理や業務管理などの全システム統一化が企業として必要であることを訴求していきました。こうした面でもユニアデックスの存在は、大きな支えとなりました。専門家の立場から明確な説得をしてもらえたおかげで各国の拠点の理解・協力が得られたのだと感謝しています」(井上氏)

【今後の展望】コミュニケーションツールや情報基盤の統合的な運用を視野に

  • 最高意思決定会議でMOSSとOCSをフル活用
こうしたさまざまな過程を経て、2008年9月にグループを統合する新しい情報システムが本格稼働を開始。これらにより、文書管理やワークフロー管理などの業務・コラボレーション基盤、メールやWeb会議といったコミュニケーション基盤が整った。

「おかげで当社の最高意思決定機関であるコーポレート経営会議も大きく様変わりする方向で動いてます。以前は会議の度に大量の紙を印刷して会議を運営していましたが、文書管理システムやOCSを利用することにより、徐々にですが、ペーパレス化を推進しています。これまでのように各拠点でテレビ会議システムを立ち上げるのを待つ必要もなく、OCSを使って、世界
システムを使った業務シーン
各地の経営トップや役員同士が、時差や距離を意識することなく目の前のパソコンを使ってリアルタイムにWeb会議を簡単に開けるようになっていくのです。会議に参加しながらMOSSで最新の情報や資料を検索したり、呼び出して閲覧することもできるので、最重要課題の意思決定も非常にスピーディになることを期待しています」(野呂氏)

「MOSSの検索機能は非常に強力ですね。従来の文書検索では各文書の稟議番号でしか検索ができませんでしたが、自由なキーワード検索ができるので、欲しい資料が素速く手に入ります。またOCSにはWeb会議の録画・録音機能もあるので、会議に出席できなかったメンバーにあとからその内容を知らせることも可能になりました」(井上氏)
  • 各部門での「使いこなし」を推進、構造改革につなげる
新システムのユーザー数は2008年10月時点で国内の非開発部門を中心とする約400名。カプコン様では、今年一杯に国内の導入を完了させ、来春までには米国、欧州やアジアでも利用できる環境を整えていくことを予定している。

「あとはユーザーにいかに使いこなしてもらうか。情報システムは“入れれば終わり”ではなく、活用してもらうことが、本当の改革の成果です。今後は経営層だけでなく、部門単位のコミュニケーションにもOCSによるWeb会議機能を積極的に活用していくよう導入各社・各部門に呼びかけていく考えです」(井上氏)

「MOSSやOCSを通常業務のなかに浸透・定着させ、活用されるようにしていくことで、我々のめざす全社でのグローバルコミュニケーション環境は自ずと進むはずだと思っています」(野呂氏)
  • さらなるコミュニケーション基盤の充実に取り組んでいく
また、井上氏は「グループ間のコミュニケーション基盤もさらに充実させていきたい」と話す。知的創造性をビジネスのコアに置くカプコン様にとって、コミュニケーション基盤整備によるグローバルレベルでの情報共有化と、情報交換の活性化・効率化は、さらなる競争力の源泉とも言えるもの。こうした要望に対して、すでにユニアデックスは、さまざまなコミュニケーションツールや情報基盤の統合的な運用を実現する日本ユニシスグループの「PWP(PowerWorkPlace)」を活用した、新しいコミュニケーション環境の提案にも取り組んでいる。

「企業とシステムベンダーは主従関係ではなく、同じボートに乗った2人の漕ぎ手。両者が呼吸を合わせてしっかりと漕ぐことで初めてプロジェクトは前に進むのだと、あらためて実感しました。今後もユニアデックスと日本ユニシスには、積極的な提案ときめ細かいサポートをいただけることを期待しています」(野呂氏)

【事例のポイント】

カプコン様では、グローバルレベルでの事業拡大をめざして世界の各グループ会社で開発・販売・マーケティングの強化に取り組む一方で、情報システムの全社的統一化を推進。その基盤として、「SharePoint Server 2007(以下、MOSS)」「Office Communications Server 2007(以下、OSC)」など、マイクロソフトの製品を導入した。この事例のポイントは以下の通り。
  • 社内の多くの部門でWordやExcelが使われており、ユーザーがストレスなく活用できること、システムの連携が容易なことから、MOSS、OCSなどのマイクロソフト製品を選定
  • 要件定義に先だって、徹底した業務分析を実施し、既存の業務プロセスの問題点を整理・改善
  • MOSSと基幹システム(SAP)をBAPIでリアルタイムに連携させ、社内稟議に関するフローを効率的かつ高精度に管理する仕組みを構築
  • OCSのWeb会議機能やMOSSの文書検索機能によって、経営層の意思決定が迅速化
  • MOSSによって文書の効率的かつセキュアな管理・閲覧が実現
システム概念図

ワークスタイルの変革を実現するユニアデックスのPowerWorkPlace

  • 多彩な技術とソリューションを活かして、新しいコミュニケーション環境の構築を支援
日本ユニシスグループでは、『PowerWorkPlace』というソリューション・コンセプトのもと、グループ各社がもつユニファイド・コミュニケーション(UC)に関するさまざまなソリューションを体系化。さらに、ソフトウェア製品などで多くのグローバル・ユーザーをもつマイクロソフトや、グローバル市場でのIP電話のマーケットリーダーであるシスコシステムズなどのパートナー企業とも緊密に連携することで、働く人の“場所”“環境”“働き方”に最適な情報活用とコミュニケーション手段を提供し、お客様の生産性を向上するワークスタイルの変革を支援しています。
モバイル端末、IP電話、ネットワークなどの分野で多彩な技術とソリューションをもつユニアデックスでは、グループ企業やパートナー企業とのシナジーを追求し、個々のお客様の利用シーンに合わせた、テレワーク・サテライトオフィスや、情報の“見せる化”を実現するするポータルサイトの提案・構築に注力しています。
うち合わせの写真
井上 恵氏の写真
株式会社カプコン
井上 恵氏
IT統括付
情報システム室長
「コミュニケーション、コラボレーション環境の充実に向け
今後も新たな提案を期待します。」
ユニアデックスは、単なるツールの提供だけでなく、コミュニケーションやコラボレーション環境の充実につながる上流のコンサルティング提案から開発、運用まで一貫したサービスを提供してくれています。今後も当社の経営基盤の強化に役立つ新しい提案を期待しています。
ユニアデックス
株式会社
細川 巧氏
関西システムサービス統括部
サービスインテグレーション部 部長
「“お客様視点でのシステム開発”をモットーに
さらなる信頼獲得をめざします。」
PowerWorkPlaceは、多くのお客様が検討を進めておられる「ワークスタイルの変革やワークライフバランスの追求」に対する私たちの回答です。これからも、お客様の視点に立ってシステム開発に取り組み、「満足いただけるパートナー」であり続けることをめざします。

*Microsoft、Microsoft Office、SharePoint、Active Directory、Excel、SQL Serverは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

*PowerWorkPlaceは、ユニアデックス株式会社の登録商標です。

*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。