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Foresight in sight

マイクロソフトプロダクト

事例紹介

第一三共株式会社様

【導入の背景】経営統合後の、新会社の理念や経営方針をグループ全体に向けて発信するポータルが必要と判断

  • 統合シナジーの最大化に向けて、EIPの整備を検討
“革新的医薬品”——今までその領域になかった薬剤(ファーストインクラス)や、すでにその領域にあった薬剤を効果と安全性で超える薬剤(ベストインクラス)——を創出・提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献する、という企業理念のもと、2007年4月に新しいスタートを切った第一三共グループ様。2015年に「グローバル創薬型企業」を実現するというビジョンに向かって、躍進を続けている。
第一三共株式会社様は、2005年9月に三共株式会社と第一製薬株式会社の持ち株会社として発足し、2007年4月に完全統合。

そのなかで、基幹系システムをはじめとするさまざまなシステムやインフラの再整備にあたったのが、2005年10月に発足した「経営統合プロジェクト」だった。統合によるシナジーを最大化させるために優先して取り組むべきことは何か——同プロジェクトが導き出した答えは、新生・第一三共グループの理念や経営方針をグループの全社員に発信し、また業務効率を向上させるグループ内ポータル(EIP:Enterprise Information Portal)の存在だった。
梅澤 仁氏の写真
  • グループの方針・ビジョンを浸透させるツールとして経営層も注目
統合以前から両社はそれぞれ社内ポータルを構築し、運用していたものの、それは情報の置き場が不明瞭・不明確であるなど構造や視認性に問題があり、また、アップされた内容が長期間更新されないままのことも多いなど、十分に活用されていなかった。
「ですから、古いものはすべて払拭して、新しいスタートを切る“新生・第一三共グループ”に相応しいものを一からつくろうと考えました」と語るのは、IT企画部長 梅澤仁氏だ。
グループの社員全員が日常的に利用する社内ポータルは、共通基盤としてとても重要な存在であると同時に、グループとしての方針やビジョンを一人ひとりに浸透させていくことは経営統合の成否を握る重要なポイントとなる。そのため、プロジェクトメンバーはサイトの方針を決めるにあたって、経営層を含めたさまざまな関係者へのヒアリングを慎重に重ねていった。それほど同グループでは、EIPに大きな期待を寄せていたのである。

【選定理由】マイクロソフト製品との親和性が大きなポイント 日本ユニシスの多くのポータル構築実績を評価

  • SPS2003とMicrosoft Office® SharePoint® Server(MOSS2007)、両環境でプロトタイプを立ち上げ
さまざまな検討を経て、第一三共グループ様が選定したのは、従来から取引のあったマイクロソフトの製品、Microsoft Office SharePoint Portal Server(以下、SPS)だった。
「他商品とも比較したのですが、何といっても私たちが以前から使用していたActive Directory®やMicrosoft® Exchange Serverなどのマイクロソフト製品との『親和性』の高さがポイントとなりました。また、WordやExcel®に慣れているユーザーにとって違和感のない操作性も大きな魅力でした」(梅澤氏)
そして同プロジェクトは、SPSの導入サポートに関する提案をベンダー2社に依頼。その結果、RFPをふまえた提案内容と、さまざまな業界で数多くのポータル開発を手がけてきた実績などが評価され、日本ユニシスがEIPシステムの構築を請け負うこととなった。
泉 貴浩氏の写真
この提案にあたって、日本ユニシスがもっとも考慮したのが“製品のバージョン”だった。実は、ベンダーの選定が進められていた2006年9月当時、すでにSPS2003の次期バージョン製品であるMicrosoft Office SharePoint Server2007(MOSS2007)のリリースが間近に迫っていたのである。そこで日本ユニシスは、次期バージョンであるMOSS2007で要件定義をしつつ、SPS2003に対しても共通の要件定義を行い、両者のプロトタイプを組み上げることで、それぞれの機能を評価・比較(要求整理フェーズ)することとした。
「といっても、MOSS2007は当時まだβ版しかありませんでしたし、製品情報も少なかったため、正直なところ、最初はMOSS2007の導入を躊躇していました」とIT企画部 推進グループ 課長代理 泉貴浩氏はその時のことを振り返り語る。
「しかし、日本ユニシスはマイクロソフトと共同で早くからMOSS2007の検証に取り組んでいたと聞いて安心しました。また、高い安定性を確保するためにSPS2003とMOSS2007の両方について要求機能の検証を行うなど、リスクヘッジの方策も提案してくれました。こうした姿勢に大きな信頼感をもてたことも、EIP構築のパートナーとして日本ユニシスを選定した理由の1つです」(泉氏)
機能検証では、実際の使用環境や負荷を想定した安定性、各パーツに対するアクセス時間などの操作性に関して細かいテストを繰り返し行った。その結果、最大の懸念だった高安定性も実証され、サイト自体に柔軟性をもたせられること、優れた検索性能があることなど、総合的な観点からMOSS2007を利用してEIPを構築することが決定された。
  • 大規模展開、複雑な権限設計に日本ユニシスのノウハウを発揮
今回のポータルは、ユーザー数が約1万人、本番稼働開始時点では50程度だったサイト数もグループ会社や各部署などを含めると140にのぼるまで広がっている。
とくにサイト数が増えれば増えるほど複雑になるのが「権限設定」だ。MOSS2007の権限パターンには、サイトに対するアクセス権限、Webパーツ対象ユーザ、Webパーツ個別権限、アイテム単位の権限などがある。スムーズなサイト運用を実現には、これら権限設定のさまざまなパターンを加味しながら構築を進めることが不可欠であるため、日本ユニシスはサイトの権限設定のプロセスとして、コンテンツに関する「コンテンツカテゴリ整理シート」、コンテンツ管理権限に関する「ポータル運営ガイドライン」などのマニュアルを策定した。また。機能補完ツールとして「権限一覧エクスポート」「アイテム自動承認」「ADプロファイル入出力」などのツールを新たに開発し、スムーズなサイト運営のための環境づくりに貢献した。
  • .NETの高い開発力によって計13に及ぶ付加開発を実施
MOSS2007はさまざまな機能を備えており、標準機能を活かしきるよう工夫をしているが、細かい部分ではどうしても不足してしまう機能もあった。そこで日本ユニシスは.NETによって保持している高い開発力を発揮し、WebパーツやSIツール、機能補完ツールなど、数々のプログラムを開発。その数は13にも及んだ。
また、泉氏は「日本ユニシスは各部署間の調整にもよく奔走してくれた」と語る。
「ポータルサイトはグループのさまざまな部門・社員が利用するため、コーポレートコミュニケーション部や総務部、人事部など、いろいろな部門の意見や要望を聞くことも必要でした。しかし、私たちIT企画部は経営統合に向けた基幹システムの整備なども同時並行で進めていたため、なかなか時間をつくることができませんでした。そんななかで、日本ユニシスがきめ細かく関係部署と折衝してくれて、より見やすく、機能的なポータルになるよう調整をとってくれました。これは助かりましたね」(泉氏)
  • セキュリティ強化のために権限付与に細心の注意を払う
社内討議の結果、第一三共グループ様のポータルのメインサイトは、大きく3種類——経営者や組織長からのメッセージや業界ニュース、各部署からのお知らせ、IR・ニュースリリース情報などを提供する「グループトップサイト」、Outlook®との連携や個人向けのお知らせ、社員検索(Know Who検索)、個人が使うアプリケーションのランチャーなどをもつ「マイワークサイト」、各種業務サービスリンク集への入口となる「サービスサイト」に分けられることになった。
なかでも、日常的な業務に使用するマイワークサイトに表示される情報は、個人の属性に合わせて権限設定され、厳密に管理・制限されている。逆に言えば、権限によって各個人に必要な情報がプッシュされるようになっている。また、個人用Webパーツや個人用サイトとしてパーソナライズできるエリアも設けられている。さらに、このマイワークサイトの下には部門サイトをはじめ、100を越える多彩なサイトが連なっている。
このように多種多様な情報を扱うグループポータルの構築にあたっては、当然のことながらセキュリティ対策にも重きが置かれた。
「サイト上の情報表示はもちろん、個人情報が流出しないよう『Know Who検索』での結果表示、権限付与の設定には細心の注意を払いました」とIT企画部 推進グループ 岩井恵美氏は話す。
「これらの管理には日本ユニシスが用意してくれた運用マニュアルが大いに役立ちました。また、システムに関する些細な質問などにもきめ細かく応えてくれて感謝しています」(岩井氏)
岩井 恵美氏の写真
  • HTMLの知識がなくても、自由にサイトを立ち上げられる
2007年4月、第一三共グループの新たな門出とともにグループ内に公開されたポータルは、「グループとしての方針・ビジョンの共有に大いに役立っている」(泉氏)という。
「公開当初は、トップページに統合の意義に関する経営層からメッセージ、共有すべき情報などを掲載しました。今回の統合によって、どんな変化が起きるのか、何をめざすべきなのかを社員一人ひとりに浸透させる有効なコミュニケーションツールになったと思います。現在も、統合に関するメッセージはなくなったものの、経営方針やマネジメントの方向性などが継続的に発信され、社員にとっても重要な行動指針となっています」(泉氏)
さらに泉氏は、MOSS2007の優れた点として「グループ内の各部署や個人が、一定の権限のもと、HTMLなどの知識がなくても自由にWebサイトを立ち上げられること」を挙げる。これによって、それぞれが所有している情報やファイルの共有など、双方向コミュニケーションが活性化され、現在ではプロジェクト単位でサイトを設けるなど、サイトの総数は約140を数えている。
「稼働から5カ月後にアンケートを実施したところ、新しいポータルを使いこなせていないという意見もありましたが、組織、個人ごとのお知らせ(情報)がリアルタイムで取得できること、検索機能をはじめ多彩な機能が実装されていることなどが高く支持され、『知れば知るほど、便利さが実感できるポータル』という嬉しい感想ももらいました」(岩井氏)

【今後の展望】2008年4月からはグローバル展開を予定

MOSS2007を用いたEIPは、現在、国内事業会社のみで運用されているが、第一三共グループ様では、2008年4月から全世界のグループ会社に展開していくことを予定している。
「今回の案件を通じて、日本ユニシスがSIとしての確かな技術をもっていること、そしてサービスやサポートにも特別な強みを発揮してくれる会社だということを再認識しました」と梅澤氏は言う。
実は、全グループへ向けてのポータル公開を直前に控えた3月初旬、MOSS2007のバグが見つかるという事態が発生したのだが、その時にマイクロソフトのシアトル本社と直接かけあって速やかにバグの原因を究明したのが、日本ユニシスだった。
「正直、頭を抱えたくなるような事態でしたが、日本ユニシスのおかげでバグも一週間程度で修正されました。これは後日談として聞いたのですが、その現象がどういう操作で発生するのかという再現方法を迅速に突き止め、マイクロソフトに伝えてくれたのも日本ユニシスのSEだったそうです。これからも当社グループのシステム案件には、ぜひ日本ユニシスに参加してもらいたいと思っています」(梅澤氏)

【事例のポイント】

第一三共グループ様では、経営統合によるシナジーの最大化を図るため、社内ポータルを刷新することを決定。Microsoft Office SharePoint Server2007(MOSS2007)を利用して最新のEIP環境を構築した。そのポイントは、以下の通り。
  • 1.マイクロソフト製品との親和性
    MOSS2007は、さまざまな要件のポータルに対応する総合的な情報統合基盤であり、ユーザビリティと運用管理性を確保したコンテンツ管理が可能などの特長を備えている。またマイクロソフトの統合認証基盤であるActive DirectoryやメールシステムExchange Serverとの連携が容易である点も特長の1つとなっている。日本ユニシスは、マイクロソフトの既存IT環境との連携が見込まれるお客様に対し、MOSS2007の適用を提案している。
  • 2.SharePoint Portal Server2003(SPS2003)、2007の両バージョンで検証を実施
    システム構築を開始した当時、ちょうど次期バージョンであるMOSS2007のリリースが間近に迫っていたため、MOSS2007で要件定義をしつつ、SPS2003についても共通の要件定義を行い、両者のプロトタイプをつくって、それぞれの機能を評価・比較した。
  • 3.マイクロソフトとの早期からの共同検証などが安心感に
    日本ユニシスはSPS2003の豊富な構築実績をもち、マイクロソフトと共同で早くからMOSS2007の検証を行ってきたことが安心感となった。また、安定性に関するリスクヘッジとして2003バージョンでも要求機能を検証した結果、高い安定性が実証され、またサイトの柔軟性、検索性能など機能も向上していることなども確認できたため、総合的評価でMOSS2007が選ばれた。
  • 4.140サイトにも及ぶ大規模展開、権限設定の複雑さにも対応
    総ユーザー数約1万人、サイト数総計140と、日本ユニシスにとっても屈指の大規模の案件で、各サイトにおける複雑な権限設定が求められた。そこで、混乱による誤設定などを防ぐため、大規模システム開発など日本ユニシス独自のノウハウを凝縮した各種マニュアル、運用のための権限エクスポートツールなどを用意した。
  • 5..NETによる高い開発力がアドバンテージに
    MOSS2007に不足している機能を補完するため、日本ユニシスは.NETによる高い開発力を発揮して、WebパーツやSIツール、機能補完ツールと数々のプログラムを開発。個人別お知らせWebパーツ、アプリケーションランチャー、アイテム自動承認、権限エクスポートツールなど、その成果物は13にも及んだ。
  • システム概要図
    システム概要図

*Microsoft、Microsoft Office、SharePoint、Active Directory、Excel、Outlookは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

*その他記載の会社名、製品名およびシステム名は、各社の商標もしくは登録商標です。

*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。