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Foresight in sight

オープンソース

事例紹介

2009年5月

独立行政法人 国際交流基金様

海外日本語教師支援サイトをLinux®+Javaで構築。
日本語教育用素材データの検索効率が高く、ユーザーコミュニケーションが活性化するサイトを実現。

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USER PROFILE

本社外観
設立:1989年7月
本社所在地:埼玉県さいたま市浦和区北浦和5-6-36
事業内容:
1.海外日本語教師の養成及び研修、
2.日本語教材の開発・制作支援・寄贈
本事例に掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。なお、事例の掲載内容はお客さまにご了解いただいておりますが、システムの機密事項に言及するような内容については、当社では、ご質問をお受けできませんのでご了解ください。

【導入の背景】世界中の日本語教師同士でコミュニケーションが図れるサイトをめざして

  • 構築から5年でシステムの老朽化が顕著に
日本語国際センターは、外務省の外郭団体である独立行政法人国際交流基金の附属機関として、海外における日本語教育の支援事業を展開している。事業の柱は「人材開発」と「教材充実」の2本で、海外の日本語教師を日本に招いて日本語や日本語教授法を教えたり、海外で不足しがちな日本語教材を提供したりするなど、海外における日本語教育を支援している。

同センターは、「教材充実」の一環として、世界各地の日本語教師による学習者のレベルにあった教材の作成支援を目的とする「みんなの教材サイト」を2002年5月に立ち上げた。同サイトでは、日本語教材の作成に役立つ写真やイラスト、教室活動のアイディア、文法解説・例文、読解テキストなどの「教材用素材」を公開。同時に、ユーザーである日本語教師が作成した教材や授業のアイディアを投稿したり、他の人の教材やアイディアに対する感想を送ったりすることができる「みんなのアイディア」を設け、ユーザー同士でコミュニケーションが図れる環境を提供している。
【導入の背景】世界中の日本語教師同士でコミュニケーションが図れるサイトをめざして
「みんなの教材サイト」を立ち上げて約4年が経った2006年、サイトリニューアルの声が浮上した。サイトの企画や運用に関わってきた同センター 事業化開発チーム上級主任 高野千恵子氏は「立ち上げ時に導入したサーバーが老朽化すると共に、サイトのユーザビリティに関する課題も明らかになってきたことから、サイトの再構築に取り組むことにしました」ときっかけを振り返る。
  • ユーザー投稿とコメント機能の強化でユーザーコミュニケーションの活性化を推進
旧サイトの主な改善ポイントは以下の3点。まず一つめは、主要コンテンツである「教材用素材」の追加や多言語化を容易にすること。「『みんなの教材サイト』の第一の機能は、日本語教材の作成に使える写真やイラスト、教室活動のアイディア、文法解説・例文、読解テキストなどの教材用素材を提供することです。再構築開始の時点ですでに約8000点の教材用素材を提供していましたが、今後もユーザーからの要望に応えて新しい教材用素材を効率的に追加し続けるために、データベースの集約と、運営者自身が教材用素材を追加できる管理機能が必要でした」と高野氏は話す。

2つめは、ユーザーが教材などを簡単に投稿できるようにして、コミュニティの活性化を図ること。高野氏は「『みんなの教材サイト』は、世界中の日本語教師が知識や情報を共有できるコミュニティを提供することが目的のひとつで、ユーザーが作成した教材や授業のアイディアを投稿できる機能を持っています。しかし、投稿フォームに入力項目が多く、日々多忙な教師には負担が大きかったようです。投稿が思ったほど寄せられず、私たちが意図していたようなコミュニケーションが実現していませんでした」と分析する。

また、教材用素材やユーザーからの投稿に対してコメントをつける機能もあるが、旧サイトではコメントの書き込みページに誘導するボタンが小さくてわかりにくかった。さらに、サイトへの掲載は承認制で書き込んでもすぐに反映されないため、「コメントを送ってみようというユーザーの意欲を留まらせてしまうのではないか」と懸念したそうだ。

3つめは、教材用素材の検索効率を向上させ、ほしい素材を見つけやすくすること。「ユーザーからは、検索機能が使いにくく、ほしい素材が見つからないという声が多く寄せられていました。2002年の公開以来、序々に追加してきた教材用素材は、分類の基準が異なっていたり、検索機能に統一性がなかったりしたので、教材用素材を分類しなおし、統一的なサイト構成を考えると共に、素材の種類ごとの特性も踏まえた検索機能を再検討する必要がありました」(高野氏)

以上のようにコミュニケーションの活発化とユーザビリティの改善を目標に掲げ、サイトリニューアルに取り組むことになる。

システム構築のポイント

  • 構築から5年でシステムの老朽化が顕著に
日本語国際センターは、外務省の外郭団体である独立行政法人国際交流基金の附属機関として、海外における日本語教育の支援事業を展開している。事業の柱は「人材開発」と「教材充実」の2本で、海外の日本語教師を日本に招いて日本語や日本語教授法を教えたり、海外で不足しがちな日本語教材を提供したりするなど、海外における日本語教育を支援している。

同センターは、「教材充実」の一環として、世界各地の日本語教師による学習者のレベルにあった教材の作成支援を目的とする「みんなの教材サイト」を2002年5月に立ち上げた。同サイトでは、日本語教材の作成に役立つ写真やイラスト、教室活動のアイディア、文法解説・例文、読解テキストなどの「教材用素材」を公開。同時に、ユーザーである日本語教師が作成した教材や授業のアイディアを投稿したり、他の人の教材やアイディアに対する感想を送ったりすることができる「みんなのアイディア」を設け、ユーザー同士でコミュニケーションが図れる環境を提供している。
システム構築のポイント
  • ユーザー投稿フォームとコメント入力欄を改善すると同時にデータベースを集約
リニューアルサイトでは、ユーザー投稿フォームの入力項目を一つにまとめ、自由に書き込む方式に改めた。「気軽に投稿していただけるように、投稿フォームを簡素化しました。写真を1枚添付するだけでもリンク先のURLを書くだけでも構いません。ブログやSNSが普及している今なら、誰でも抵抗なく使えると思います」(高野氏)

コメントの書き込みは、各素材ページのすぐ下に入力欄を設け、投稿内容はすぐに反映されるように改善した。コメントをダイレクトに反映させると、悪意のあるコメントやいたずら目的の書き込みも心配されるが、ユーザー登録制のサイトであるゆえに一般掲示板のようなトラブルが起きる可能性は低い。また、同センターでも翌営業日までにはコメントの内容をチェックしている。導入から半年経った2009年3月現在、いたずら目的のコメントはないという。

教材用素材の種類ごとに構築されていたデータベースは集約し、運営者が簡単に教材用素材を追加したり編集したりできる管理機能を開発した。すべての素材データの集約にあたって、高野氏は「データの移行作業が大変でした。日本語版だけで約8000点、韓国語版、英語版を合わせると2万4000点以上です。データは種類ごとに構造が異なるので、新しいサイトでスムーズに置き換えができるとは限りません。不具合があったものは手作業で開いて確認してから修正していたため、チェックだけで膨大な時間がかかりました」と苦労を明かす。

【導入の効果と今後の展望】投稿の簡略化が実現 ユーザーからのコメント数は大幅アップ

  • ユーザーコミュニケーションの活発化と素材検索効率化が実現
サイトの再構築によってユーザビリティが向上した結果、当初の目的どおりユーザー同士のコミュニケーションが活発化。ユーザー投稿におけるハードルが下がったことで投稿数も増加した。教材用素材や投稿に対するコメントも増えている。リニューアル直後の2008年11月にはコメント数が過去最高の75件を記録。

「これまで1カ月に数件程度だったコメントが、リニューアル後は平均して1カ月に30件以上寄せられています」と高野氏が話すように、ユーザー同士の交流が活発化し、サイトの基本理念が実現する方向に向かいつつある。アクセス数は、2008年10月〜2009年3月の6カ月間で262万アクセスを記録。これは前年同期比で約1.6倍だ。
みんなの教材サイト
ユーザーからも「画面デザインがわかりやすくなった」「情報が整理されて見やすくなった」「教材用素材が探しやすくなった」という声が寄せられているという。
  • 今後の展望は教材用素材の追加
データベースの集約化と管理機能の実装が実現したことから、今後は教材用素材の拡充を積極的に行っていく考えだ。高野氏は「旧サイトでは、教材用素材のデータベースがイラスト、写真、文法解説・例文など種類ごとに分かれ、素材の追加が手軽にできませんでした。新サイトでは教材用素材の追加や編集が手軽になっているので、素材を充実させていきたいと思います」と展望を語っている。

「当初は初級向けの素材が多かったため、ユーザーからは中・上級向けの素材も増やして欲しいというリクエストが寄せられています。また、写真やイラストをもっと増やしてほしいという声や、動画などの新たな素材が欲しいという声もあります。現在、ユーザー数は約160の国と地域から約4万9000人。世界のさまざまな国・地域のさまざまな教育現場のニーズに応えられるよう、サイトを継続的に進化させていきます」(高野氏)

事例のポイント

独立行政法人国際交流基金日本語国際センター様が提供する海外日本語教師支援サイト「みんなの教材サイト」の構築事例は、オープンソースのLinux+Javaを採用し、ユーザビリティに優れたサイトが構築できることを示したものだ。

サイト構築のポイントは以下の通り。
  • ベンダーに依存しないオープンソースを採用。将来の機能拡張にも配慮した。
  • データベースは、現時点で2万4000点の素材データを扱い、データの件数や特性を考慮してOracleを採用。
  • ユーザーターゲットを明確にする日本ユニシスのコンサルティング力。また、ユーザーの行動パターンに応じたサイト、成熟レベルに応じて成長を促すサイト構成、ユーザビリティの高いシステムを提案。
  • 日本ユニシス「担当者からのひとこと」
ICTサービス本部
サービス開発部
塩塚 俊介
海外の日本語教師がターゲットユーザーでしたので、活用シーンなどをヒアリングしながら、ユーザーの成長を促すサイトを提案させていただきました。システムの構築にあたっては、効率よく開発を進めることをめざして日本ユニシスのJavaアプリケーションフレームワークMaiaを採用しました。Maiaは柔軟性の高いオープンソースをベースとするフレームワークで、厳しい要件が求められる案件でも実績がありますから、教育分野だけでなくあらゆるジャンルでご活用いただけます。Maiaの構築実績は急速に伸びており、数多くの経験を持つMaia主管部の技術サポートが期待できることから、様々なノウハウを提供することが可能です。また、「みんなの教材サイト」の構築時、Maiaは日本語のみの対応でしたので、日本語、英語、韓国語の表示は、アプリケーションのプロパティファイルの切り替えで実現しました。今後の言語追加についても同様の方法で対応できると想定しています。なお、多言語対応は、Maiaにフィードバックされ、2008年10月以降のバージョンでは実装されています。
  • オープンソースで構築することでシステムの柔軟性を確保
  • アプリケーションフレームワークMaiaにより効率的なシステム開発を実施
  • 日本ユニシスが他の業界やプロジェクトで手がけてきたMaiaの構築実績で得られたノウハウを提供
  • 多言語対応を実現、将来の言語追加も可能
システムイメージ図
「みんなの教材サイト」のシステムイメージ図

*Maiaは、日本ユニシス株式会社の登録商標です。

*Linuxは、Linus Torvalds氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。

*OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。