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Foresight in sight

ユニシス技報

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2010年3月発刊 Vol.29 No.4 通巻103号
「クラウドコンピューティングとSaaS」

100号の「iDC基盤技術」特集に続き、ICTサービス特集の第2弾として、103号「クラウドコンピューティングとSaaS」特集をお届けします。コンピューティングパワーを必要なときに必要な分だけネットワーク越しに利用できるクラウドコンピューティングは、コストと運用負荷の低減につながるため、注目されています。SaaSは、クラウド上で利用できるアプリケーションサービスの通称です。 本特集号では、先行している米国のクラウドコンピューティング事情から、日本でのクラウド化とオープンソースの台頭について述べ、オープンソース関連事例を挙げています。また、日本ユニシスが提供しているSaaS基盤「ビジネスパーク」とSaaS事業化支援サービス、及びその事例を紹介し、後半ではSaaSアプリケーションの具体的な実装方法とクラウド環境のセキュリティについて述べています。 日本ユニシスが今ビジネスの中心に据えているICTサービス事業の、さらにその中核となるクラウドコンピューティング事業を支える技術を1冊にまとめました。ぜひお読みください。

米国におけるクラウドコンピューティング事情と適用範囲への一考察 田中 克弥

日本ユニシスグループは米国シリコンバレー地域に拠点を置き、米国での技術・ビジネス動向の調査活動を行っている。なかでもクラウドコンピューティング分野には注力している。本稿では2010年1月における米国のクラウドコンピューティング事情をまとめ、パブリッククラウドを利用した際のシステム導入プロセスが従来のエンタープライズの導入プロセスと異なるために顕在化する不安要素があることを明らかにした。また、不安要素の解決のために必要である項目を提示し、今後エンタープライズにおけるクラウドコンピューティングの導入促進を示唆した。

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クラウド化を実現するICTインフラストラクチャとオープンソース活用の潮流 菅谷 俊郎

ICTリソースの有効活用を目的として、仮想化ソフトウェア、運用管理ソフトウェアを利活用したICTリソースや管理業務の効率化がクラウドコンピューティングの第一歩として試行されつつある。この効率化を実現するためのソリューションとして、プライベートクラウドが注目されている。 プライベートクラウドを構成するソフトウェアはICTリソースを仮想化して利用資源を減らす機能と、ICTリソースの運用管理を省力化する機能で構成される。 近年、プライベートクラウドを構成するオープンソースソフトウェアの多機能化が進んでおり、これを活用することにより安価なプライベートクラウドの構築・所有が可能となる。一方、クラウドコンピューティングにおけるセキュリティや品質のガイドライン化や移行を容易にする標準化の取り組みが始まり、プライベートクラウドとパブリッククラウドとを目的によって使い分けるハイブリッドクラウドの形態も普及しつつある。これらのプライベートクラウドを実現する様々なソリューションの提供と組み合わせにより、2011年頃からプライベートクラウドが着実に普及していくと考えられる。企業はクラウド化されたICTリソースを目的に合わせて利活用することを検討していくことが重要となる。

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研究者情報基盤サービス“Researchmap”について 新井 紀子

情報・システム研究機構国立情報学研究所は、研究者向けSaaS“Researchmap”を2009年から公開、運用している。本サービスは研究者の共通課題である、「情報発信」「業績管理」「プロジェクト管理」「共同研究」の四つを中心に、それを取り巻く研究支援ツールを配置したサイエンス2.0基盤サービスである。Researchmapには研究者履歴(Curriculum Vitae)を公開するためのテンプレートのほか、研究ブログ、資料配布用キャビネット、共同研究や研究室運営を管理するためのグループウェアが備えられており、研究者はその中から自分を表現するためのツールを自由にチョイスし、効果的に情報発信・情報共有を行うことができる。

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SaaS市場のエコシステム(生態系)と日本ユニシスの役割 岩本 のぞみ

SaaSの普及によって、ICT市場のエコシステム(生態系)が変化している。さまざまなステークホルダが登場し、その相関関係も複雑さを増している。SaaSの提供形態、ビジネスモデルが多様化し、ネットワーク上のサービス連携によってビジネス連携が生まれマーケットが拡大する。そうした中日本ユニシスは、市場の活性化に貢献するため、ステークホルダが一堂に会するビジネス機会創出の場「ビジネスパーク®」を提供している。ビジネスパークは、アプリケーションやコンテンツを組み合わせたビジネス共創が可能な場を目指す。SaaSが増えるほど組み合わせのバリエーションも豊富になるため、品揃えと共に再利用性の高いAPI戦略が重要となる。SaaSベンダーの事業プロセスの全工程を支援する一方、ユーザ企業に対してはSaaSとSIを組み合わせたサービスインテグレーションを提供するのが日本ユニシスの役割である。

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SaaS企画支援サービスの紹介と新たなビジネスモデルへの対応 綾野 昌史

aaS(Software as a Service)は、クラウド上で業務アプリケーションを提供するビジネスモデルとして注目されている。すでに日本ユニシスではSaaSビジネス事業の開始に向け、パートナー(ビジネスモデルの創出を共に進めるSaaS提供者)に対して「SaaS事業化支援サービス」を提供している。サービス内容は、企画フェーズから開発・販売・運用フェーズに至る。ここでは主に企画フェーズに注目し、「SaaS企画支援サービス」の内容について一部を紹介する。また、SaaS企画を通じて新たなビジネスモデルへの対応を考察した。その中で包括的なサービス提供の可能性を持つ「サービス・アグリゲータ」が今後の対策として強く求められる存在になると考えられる。

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日揮情報システムにおける業種特化型アプリケーションのSaaS提供事例 深池 敏光

昨今の厳しい経済状況の下、システムインテグレータは、生き残りを図るべく新しい収益モデルのビジネスに参入を始めている。本稿では、システムインテグレータである日揮情報システムが、従来のオンプレミス(自社運用)型による永久ライセンスとは異なる、サービスとしてのソフトウェア、いわゆるSaaSプロバイダとして事業化に取り組んだ事例を紹介する。なお、この事業化にあたって、日本ユニシスが提供している「SaaS事業化支援サービス」を活用し、同種の製品に先行してSaaSビジネスを開始することができた。 SaaS事業化の対象製品としては、石油精製プラントをはじめとする、あらゆる製造業の設備保全業務を総合的に提供する設備保全管理システム「PLANTIA」と、建設業、土木工事業、建設設備業の顧客向けに提供している原価管理システム「BEStPRO-原価」を選定した。「PLANTIA」、「BEStPRO-原価」ともに業種に特化し、大規模ユーザーをターゲットとした製品であったが、SaaS化することで、これまで想定していなかった異業種の潜在顧客へサービスを提供することができるようになった。さらに、初期導入コストとなる、ライセンス購入や、サーバー導入及びネットワーク構築に関わる費用を抑えることができるため、SMB(Small and Medium Business)領域へ市場拡大を図ることが可能となった。 また、「PLANTIA」、「BEStPRO-原価」は、SaaS環境での提供を前提とした製品ではなかったが、日本ユニシスのSaaS基盤技術を活用することによって、製品のアーキテクチャを大きく変更することなくサービス提供が実現でき、SaaS事業化に要する期間を短縮することができた。

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Microsoft®製品のSaaS化事例 宇佐見 功,矢邊 佳久

日本ユニシスグループでは、業務効率向上支援ソリューションの一環として、リアルタイム・コラボレーション機能を提供する「PWPオンラインUCサービス」及びCRM「Dynamics CRM」をSaaSとして提供している。これらのサービスは、Microsoft®社の製品を中核に、周辺機能及びSaaSとして機能提供する上での運用機能等を補完し、リリースしたものである。 SaaS型サービスとして必要要件を整備検討した結果、個別導入を前提とする製品の既存機能では不足する部分として、環境構築時における実施効率や利用時の遠隔ユーザ管理機能等が明らかになった。それら課題に対して、環境構築の自動化、補助的なユーザ/サービス管理機能の追加によって解決を図っている。 また、サービス提供コストの削減に向け、仮想化基盤対応及び製品のマルチテナント対応についても評価検証を継続している。

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クライアントサーバー型アプリケーションのサービス化 曽根 信一郎

クライアントサーバー型アプリケーションをサービス化して、iDC上からネットワークを通じて提供するニーズが高まっている。サービス化する際には、利便性の向上、コストの低減などのサービス化要件を満たすために、「アプリケーションの仮想化」や、「サーバーのマルチテナント化」を検討する。仮想化に当たっては、サービス化するアプリケーションとの適合性、その起動と認証などについて考慮し、マルチテナント化に当たっては、テナントの分離方法やパフォーマンスと可用性、セキュリティなどを考慮しなければならない。その結果、仮想化やマルチテナント化が行えない場合は、それを前提としたシステム構成を検討する必要がある。事例では、複数の考慮点からの具体的な検討結果を示した。

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マルチテナント型アプリケーション開発の実装考慮点 中村 誠吾,田中 要

SaaSの提供者は、利用者により良いサービスを提供するために様々な工夫をしている。その中の一つにマルチテナントと呼ばれる考え方がある。 この考えを実現するシステムの実装方法のポイントを整理し、主にアプリケーション領域においてサービス品質保証とデータ領域の視点から実装方法をパターン化する。また、実際に日本ユニシスが提供しているサービスからJavaを利用したRENANDI SaaSと.NET Frameworkを利用したSaaSアプリケーションを事例に取り上げ、顧客ごとにアプリケーション実行環境、データベースを分離する方式の具体的な実装方法を紹介する。本稿で述べる実装方法はアプリケーション構築のための方法であり、サービス提供開始後を考えた場合に、運用状況監視方法などの課題がある。

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SASTIK2.0 ─マルチテナント対応アーキテクチャおよびその実装 川辺 治之

SASTIKサービスは、インターネットから隔離されたイントラネットなどのネットワークで稼働するWebアプリケーションを、インターネットを介して利用できるようにするゲートウェイサービスである。SASTIK 2.0では、単一のシステムによって複数のサービス契約者のもつ隔離されたネットワークと接続し、可用性の高い、安定した品質を確保したサービス提供を狙っている。これを実現するにあたって、複数ネットワーク上のIPアドレスの衝突を回避し、複数バージョンを混在して提供できるアーキテクチャを設計および実装した。これらの技術課題は、同種のネットワークで稼働するアプリケーションと連携・連動して動作するSaaSをはじめ、さまざまなシステムを構築する際にも課題となるものであり、本論文で示したアーキテクチャおよびその実装を適用することで解決することができる。

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クラウドコンピューティング環境におけるセキュリティ上の課題と対策 山田 英孝

2010年現在、クラウドコンピューティングは、システムの新規導入や更新を検討している企業から注目を集めている技術のひとつである。その利便性、コスト削減効果が脚光を浴びており、企業の情報システムは内製からSaaS化・クラウド化へと進んでいく方向にある。しかしながら、情報セキュリティ対策の実施状況について不安を抱くユーザ企業は少なくない。クラウドコンピューティング環境における情報セキュリティ対策の技術や体制にベストプラクティスが存在しないのが現状であるからだ。よって、情報セキュリティ対策はサービス提供者側、利用者側の双方にとって非常に重要な課題である。 クラウドコンピューティング環境において、どのような脅威、リスクが存在するのか、サービス利用者側とサービス提供者(プロバイダ)側、各々の視点から課題や内在する問題を整理し、サービス提供者(プロバイダ)として取り組むべき情報セキュリティ対策について考察する。

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