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ユニシス技報

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2017年3月発刊 Vol.36 No.4 通巻131号
「システム開発とプロジェクトマネジメントIV」

日本ユニシスは,日本郵便株式会社の次世代郵便情報システムの開発に,マルチベンダを構成する一社として参画し,基幹業務システムである取引管理システムの約1万人月に及ぶ大規模開発を,24ヶ月という短い期限内で完遂しました.本号では当該開発事例から,短期大規模システム開発に必要なマネジメントやチームビルディング,アプリケーション開発手法,品質管理,性能管理,移行方式,インシデント対応,マルチベンダ統制の取り組みを紹介しています.

JP取引管理システム開発を着実に先導するプロジェクトの計画立案と遂行 佐々木 貴司,須貝 達也

システム開発プロジェクトの立ち上げ期には,プロジェクト完結までの全体計画を立案のうえ,メンバを編成してプロジェクトを発足する.プロジェクト遂行中は,チームビルディングを実施しながら,事実に基づく計画遵守性の確認を行い,プロジェクト内外に対して目標可視化と透明性のある報告を行うことがプロジェクトマネジメントにおける重要事項である.また,計画との乖離を認識した場合は,スケジュールと体制を迅速に補正することが必要である.
本稿では,日本郵便株式会社の基幹系システム開発を通じて,大規模プロジェクトを着実に先導していくためのプロジェクトマネジメント技術について報告する.

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短期大規模開発におけるシステム分割構築戦略 堀内 衛

システム開発は,顧客へ提供する機能要件と信頼性・効率性等の非機能要件を定義し,開発するアプリケーション・プログラムと稼働に必要となるハードウェアとミドルソフトウェア等の見積りによってその規模を確定する.
アプリケーション・プログラム個々の規模を合計したシステム全体が大規模となっても,いくつかの小さなサブシステムに分割し,それぞれを比較的独立したサブプロジェクトとしてチーム編成することで期間短縮を可能にする.関連性を持つ複数のサブシステム間のインタフェースの境界と責任分界点を早期に確定することにより,各サブシステムは,サブプロジェクトとして疎結合な開発を進めることができるようになる.
分割したサブシステム・サブプロジェクトが独立して開発を並走することのリスクは,操作性やアーキテクチャが不統一になることである.システムテストや受入テストでの大きな手戻り発生を予防するためには,基本設計の段階から標準化関連の規約を整備すること,詳細設計レベルで設計構造を強化すること,チェックリストを作成してアーキテクチャの不統一を予防・検出・対策することが有効である.

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短期大規模開発における標準化品質確保戦略 伊藤 慎太郎

日本郵便の取引管理システム(後続稼働)プロジェクトは,大規模かつ短期間の開発であった.一般的な手法や日本ユニシスの過去のプロジェクトの知識をベースに品質管理プロセスを策定したが,期間内で開発を完了させるためにシステムの細分化を行った結果,標準化をより緻密に行う必要が発生した.その対策として,設計工程における第三者による2段階の標準化レビュ,製造工程におけるハイスキル要員によるコードレビュを追加で実施し,それぞれ効果を上げた.

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性能要件を実現する性能品質確保戦略 川口 真一,下村 剛士

システム性能は,多様なシステム構成要素に加えシステムの利用状況の影響も受ける.それ故,性能問題の原因も多様であり,その検出や是正は難しい.結果として,性能問題はシステム開発終盤になって顕在化する傾向が強い. 開発過程で性能問題を作り込んでしまうことと,その問題検出が遅いということの2点について要因分析を行い,対策を立案した.対策は開発工程全般にわたる四つのステップに整理し,これを性能品質確保戦略として定義した. 取引管理システム(後続稼働)プロジェクトで性能品質確保戦略を実践し,機能品質実現と同時に性能品質実現を達成することができた.性能品質を確保するためにはシステム開発全工程を通じ戦略的に性能を管理することが有効である.

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参加ベンダから見たマルチベンダ開発を成功させる管理と統制 高橋 伸一郎

日本郵便の次世代郵便情報システムでは,大規模なシステム開発がマルチベンダで行われた.マルチベンダ開発では管理の範囲が広くなることで難しさが増し,工夫と注意が必要になるが,複数のステークホルダ間の認識に齟齬が生じてしまうのは必然で,そのために意識合わせを行うことが肝要である.意識合わせのためには,整合性を取ってどの様に同じ情報を保持するか(均質化を図るか)が重要であり,そのためのプロセスと役割定義こそがマルチベンダ開発を成功させるためのポイントと考える.

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大容量データ移行を実現する移行戦略 岸 実

システム開発工程は一般的に,業務アプリケーションの設計・製造・テストを主体として定義される.移行については,業務の移行仕様が確定しない中で移行開発の工程を進める必要がある. 本プロジェクトでは,業務の移行仕様の変更はリハーサル期間で取り込み,本番移行作業開始に向けては,ツールや手順を変更せずに対応する方針とした.最終的に数回の移行リハーサルを経て,移行作業全体の精度の向上をはかり,本番移行作業を計画どおりに完了することができた.

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システム安定稼働のためのインシデント対応計画と運用体制 中尾 茂文

システムの本番稼働後に発生するインシデントに対し,迅速かつ確実に対応するための準備が必要である.取引管理システム(後続稼働)プロジェクトでは,インシデント対応に備えたルール,作業プロセス,手順を特別体制計画として定義した.さらに,プロジェクトメンバーは本番稼働まで手順の訓練を繰り返した. 特別体制期間中は,約4,900件のインシデントが発生したが,特別体制に向けた準備と訓練により,発生したインシデントに対し効率よく迅速に対応し,安定稼働に繋げることができた.

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