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Foresight in sight

ユニシス技報

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2003年11月発刊 Vol.23 No.3 通巻79号
「デジタルエンジニアリング」

デジタルエンジニアリングに関する一考察 大高?彦

有限差分法や有限要素法の数値シミュレーションに端を発する工学問題への本格的コンピュータ適用は,NC 加工,各種設計支援,製品データ管理とその範囲を広げ,Globalizationやインタネットベースへのビジネス形態の変化に伴い製品開発をコアとした業務管理系全体に拡大している. CAD/CAM/CAE の適用が製品開発の不可欠な条件になっていることは事実であるが,コンピュータ化が期待通りの効果を挙げていない問題も多々存在する.本稿では製品開発を焦点にデジタルエンジニアリングの現状分析と将来課題の抽出を試みる.

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デザインナレッジシート:CADCEUS の知識ベース設計支援機能 関戸勝己,宮地恵美,加藤公一

現在のCAD システムはフィーチャ・パラメトリック・モデリング機能を備えることにより,強力な形状処理能力を獲得した.しかしながら,設計意図,設計基準を扱う能力は決して十分なものではなかった.このたび筆者等はDKS(Design Knowledge Sheet)なる機能を開発し,設計意図,設計基準を扱う能力を著しく向上させることに成功した.  DKS は,Mircosoft Excel のシートに設計意図,設計基準を蓄積し,それを再利用することで,設計意図,設計基準に照らした試行錯誤モデリング機能,既存ノウハウとの連携機能などを提供する.これにより,設計業務の強力な支援が可能となった.

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設計者のためのデータ管理システム「Design Information Manager」 岩倉啓修,三浦康雄

製造業では製品開発工程でのCAD/CAM/CAE システムの適用が不可欠な条件となっており,作成されるコンピュータデータの管理のためにPDM(製品データ管理)システムを導入する企業が大手を中心に増加している.しかし,製品データを作りこむ作業に使用されるシステム(CAD/CAM/CAE システム)との連携性,協調性が十分であるとは言えない.設計がある程度進んでからしか(例えば部品化後)PDM システムと連携できないという機能上の問題点の他に,設計者の多くが,本来の設計作業以外にPDM システムへのデータ登録に無視できない時間を費やさざるを得ない状況であり,製品開発効率化の一つの問題点となっている.  今回,この問題を解決する一つの解として,CAx システムとの連携性,協調性の高いデータ管理システム「設計情報管理システム(Design Information Manager : DIM)」を開発した.本稿では,設計情報の管理についての課題を整理し,DIM の特徴的な機能を紹介する.

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プレス金型3次元設計支援システム「CADCEUS/PressDesign」 下木和敏

今日,自動車メーカから金型メーカまで,広く3 次元ソリッドシステムを利用したプレス金型の設計作業が定着している.日本ユニシスは,1998 年いち早くプレス金型専用CADシステム「CADCEUS/PressDesign」を発表し,プレス金型設計作業の3 次元ソリッド化を支援してきた.CADCEUS/PressDesign には,最近成形性見込み機能やサイマルテニアス金型設計に向けての支援機能などを搭載し,プレス金型の3 次元設計機能の充実を図っている.しかし,昨今の期間短縮・工数低減・高品質に対する要望からみると,設計評価機能や前後工程との連携に関しての課題も抱えている.今後は,3 次元データの流通や知識やノウハウを組み込むことによる設計評価の自動化など,より高度なシステム化に向けて取り組む予定である. 本稿では,CADCEUS/PressDesign システムのこれまでの取り組みと課題および今後の動向について述べる.2 章では,プレス金型設計システムに求められる要件を整理する.3章ではCADCEUS/PressDesign の現状機能の概要と課題について,4 章では今後の取り組みについて述べる.

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樹脂金型設計におけるソリッド設計の考え方と応用 平林哲生

樹脂金型業界は,これまでの伝統的な2 次元設計では設計の品質と生産性のいずれの観点でも現状以上の型開発の向上は望めないと認識している.一方,一層の納期短縮とコスト低減は厳しい競争環境での生き残りの必須条件とされる.この打開策としてソリッドの活用による設計品質向上と設計・生産準備一貫作業によるコスト低減が注目されている.本稿ではソリッドモデル基準の3 次元設計の考え方と手法をまず述べる.ソリッドモデルに後工程の自動化に寄与する各種非形状属性を付与することにより,モデリング作業の効率化のみならず部品表作成,型図作成,加工特徴を介した穴加工との連動など型開発全体の作業が品質,納期の観点で見通しが良くなることを示す.ソリッドの実務への適用は徐々に拡大しており2 次元設計との対比で30% 程度の型開発工数低減の報告もある.一層のソリッドモデルの活用は樹脂金型開発の改革に寄与しよう.

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鋳造のCAE の現状と問題点 平林 繁

鋳造のCAE である金属流動解析と凝固解析に関し,その現状と問題点について述べる.流動解析については樹脂流動解析との対比により金属流動の特徴,金属流動解析の難しさについて言及する.次に鋳造のCAE で従来から多用されている直交分割(ボクセル分割)という要素分割手法が鋳造解析には不適当である点について例を交えて詳述する.ボクセル分割自体は鋳造解析以外,他の解析分野でも一部で使用されているが,その精度に関しては充分な検証が必要である.次に鋳造CAE の最近の技術的チャレンジについて紹介する.多点ゲート使用時に各ゲートから流入した溶融物の充填領域を識別する機能,巻き込み欠陥の定量化の試みなどプラスチック射出成形分野でも興味深い機能と考える.最後に,現在開発中のプラスチック射出成形,軽合金ダイカスト鋳造向け金型冷却解析の概要について述べる.このシステムは従来の金型冷却解析システムに較べ大幅な使い勝手向上,計算効率向上を狙ったものである.

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創成時トリム面の技術課題 清水保弘,石田 敦

CAD システムにおいて,自由曲面創成の最初からトリム面として作成しなければならない場合が存在する.成形性見込み変形で,トリム面を変形する場合は一例である.その技術課題の中で,基底面とトリム境界線の離れが精度以内になるよう制御することは共通した難課題である.これは,基底面を微小変形して目標トリム境界線に貼り付ける「フィット面変形」とよぶ技術により解決できる.

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加工残領域の認識 近藤道夫

近年,金型製作の納期短縮に貢献している高速加工(High Speed Machining)は,加工機,工具の革新と共に経路算出法(Tool Path generation)の革新により実現された.切削時における工具の負荷を減らす浅い切り込み切削経路算出は加工後の素材残りをシステムが認識する処理(Detection of Residual Stock)により可能となった.本稿ではCADCEUS3 DNC の一機能である「自動隅取り加工」で用いられている加工残領域の認識処理を解説する.

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機械部品加工向け3次元CAM ソフトウェア「MachiningShip」 青木 敦

製造業界では,2 次元加工の場合でもモデルの授受をIGES(Initial Graphics ExchangeSpecification の略:CAD 間のデータ変換用に使われている汎用的なデータフォーマット)などの3 次元データで行うことが一般的になりつつある.しかしながら,3 次元データを扱うことができるCAM ソフトウェアは,価格も高く,NC データ作成までの加工情報設定に手間がかかるものが多い.そこで,低価格でかつ,簡単な操作でNC データが作成でき,さらに従来の図面や線画を基準としたCAM ソフトウェアの問題点を解決するものとして開発されたのが,この『MachiningShip』である. 『MachiningShip』では,3 次元の設計データをそのまま利用できるため,従来,手間と時間をかけて図面から作成していたNC データを簡単かつ短時間に,しかも熟練者でなくても確実に作成できるように工夫されている.干渉回避問題や,ユーザ加工ノウハウの利用と蓄積の問題等,『MachiningShip』の特徴・機能を本稿にて紹介する.

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点群面張り 土江庄一

自動車のスタイリングは,モデルが重要な位置付けにある.モデルはデザイナやモデラの感性により微妙な曲面の変化を表現している.しかし,現状のCAD システムではその微妙な曲面変化のデータを作るのに苦労している.また,型レベルの高品質な曲面データを作るのは困難である. 最近の非接触3 次元測定機の普及で,モデルの高密度測定点群データが簡単に得られるようになってきており,この測定点群データから曲面を創成する取組みが数多くなされている.その中で著者らは,この高密度測定点群データを忠実に利用することでモデルの微妙な曲面変化を表現でき,さらに,高品質な曲面データが得られると考え,独自の方法を検討してシステムを実装し評価してきた. 本稿では,これまでの成果,現状および課題への取組みについて報告する.

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工業製品と組込みSoftware の形式的要求仕様 ─暦時計と自動航空System を題材として─ 柳生孝昭

暦時計と自動航空System を題材として,要求仕様記述の形式的方法を工業製品の組込みsoftware に適用する際の,特徴的な問題を考察する.記述のための言語は,部分的に解釈された1 階述語論理を用いた.工業製品の振舞いは一般に,状態遷移の因果的連鎖として捉えられ,組込みsoftware は言わば人工的な因果法則の役割を果す.従って状態遷移という動的な側面の,(通常,静的側面にのみ有効と見なされている)述語論理による記述と,古来難題とされて来た因果関係の定式化が,問題の核心に在る.本稿は適切な状態空間と,その上での2 項または3 項述語の定義,及び因果法則を現わす公理の設定によって,これらの問題の解決を試みた.更に,完成した仕様の分析を通して,因果連鎖の並列性やfeedbackの存在を顕にし得ることを示した.これらは仕様の実現(詳細設計)を考案する,また予め製品の異常な振舞いを見出すために,有効であろう.

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