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Foresight in sight

ユニシス技報

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2006年8月発刊 Vol.26 No.2 通巻90号
「一般号」

技報90号は、1年半ぶりの「一般号」です。一般号とは、普通の特集テーマに納まらない「エッジの立った」論文をピックアップして収録するために、不定期に発刊するものです。今号は、日本ユニシスグループ社員でありながら国内の大学・大学院で研究活動を行っている「国内留学生」が自らの研究をベースに執筆した論文4編を前半に、後半は「テクニカルシンポジウム2005」で発表され評価された論文2編を収録しています。テクニカルシンポジウムとは、日本ユニシスグループ全社員を対象に毎年開催されている、グループ内技術論文コンテストです。 一般号らしく、多方面にわたり硬軟とり混ぜた論文構成となっていますので、どんな方でも興味を惹かれる論文が見つかると自負しております。

イノベーション促進のためのネットワーク最適化の考察 吉村真弥

イノベーションの形は社会環境によって変化する.20世紀の終わりには,従来のクローズドイノベーションが効率的・効果的ではなくなり,現在はオープンイノベーションが掲げられる時代となった.この原因は情報化社会というパラダイムシフトによってイノベーションのスキームとプロセスが変化したことにある.その根幹としてネットワークの変化に着目したとき,情報量の増加と情報伝達コストの低減によって,あらゆるネットワークが広く分散したものを結び付け,同時に知識独占の時代から知識結合の時代となったことがわかる.この社会的条件の中でグラフ理論から発展した社会(あるいは複雑)ネットワーク解析とよばれる描像が注目を集めている.これらを総合してイノベーションを調べると,イノベーションとネットワークの間には強い関連性が認められる.本稿ではイノベーションを支えるネットワークの存在を考察し,その最適化がイノベーションを促進すると主張するとともに,このネットワークの操作が次世代のICT(情報通信技術)の応用分野であり,新しいMOT(技術経営)の役割であると提言する.

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量子コンピュータを用いた数値積分計算について 加藤公一

数値積分計算の量子アルゴリズムを紹介する.このアルゴリズムの発見によって,主に離散的な問題に利用されていた量子アルゴリズムが,連続的な問題にも利用できることが示された.このことは,量子コンピュータの更なる応用の可能性を示すものである.計算手法においては,従来の量子アルゴリズムでは所望の結果が高い確率で直接得られるというデジタルな計算が中心であった.それに対し,本稿で紹介するアルゴリズムは,所望の結果が確率の値として得られるというノンデジタルな計算が特徴である.

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確率文法の推定——ベイズ法によるアプローチ 星野 力

近年,不確実さやルールの複雑さを持つ大量のデータを活用する手段として,例からの学習による統計的アプローチの有効性が示され注目を集めている.特に,学習対象が複雑な構造を持つ場合は,従来の統計学の枠組みにはおさまらない問題が生じ,新しい理論および手法の開発が必要となる.本稿では,学習対象が確率的な文法構造を持つ場合について,ベイズ法の有効性を学習モデルの自由エネルギーの漸近的評価を用いて理論的に示すことを目的としている.解析の結果,ある事前分布の設定によっては,変分自由エネルギーは識別可能なモデルに比べて,顕著に小さくなることが分かった.このことは,確率文法のパラメータ推定における変分ベイズ法の有用性を示唆するものである.

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ソースコード解析に基づくレガシーソフトウェアへのSOA適用手法 木村隆洋

サービス指向アーキテクチャ(SOA)は,分散したシステムを柔軟に連携・統合するための,新しいシステムアーキテクチャとして注目されている.しかしながら,レガシーシステムに対してSOAを適用することは容易ではない.レガシーシステムへの効率的なSOA適用を支援するため,本稿ではレガシーソフトウェアからサービスの候補を抽出する手法を提案する.提案手法では,レガシーソフトウェアのソースコードを解析し,依存の強い処理群をサービスとして抽出する.また,提案手法の有効性を確認するために,既存のアプリケーションからサービスを抽出するケーススタディを行った.その結果,既存アプリケーションのソースコードからサービスの候補を抽出可能であることを確認した.

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Linuxカーネルのクラッシュダンプ解析 前原志好

Linuxをミッションクリティカル領域で使うためには,カーネル本体の安定性や拡張性の他に,障害が発生した際のトラブル追及の迅速化・容易化が必須である.本稿では,Linuxカーネルのダンプ解析について,現状を分析し,不足している部分を指摘する.さらに,メインフレームとの比較を行い,その不足分を補うダンプ解析ツールAliciaの作成までを取り上げる.

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高速印書装置によるコンビニ(EAN—128)バーコードの印刷品質 長谷明拓

コンビニエンスストアでの公共料金等の料金代理収納は,2002年7月,JANコード3段/4段からUCC/EAN—128バーコード1段(1行)による「UCC/EAN—128標準料金代理収納」への移行が開始された.このUCC/EAN—128標準料金代理収納のバーコードは1モジュール線幅が0.15mm以上,0.19mm以下の高密度で,高い印刷品質を要求している.本書は,電子写真方式を使用した中・高速の日本語印書装置を利用して,UCC/EAN—128標準料金代理収納バーコードを印刷する方法について述べる.

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