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ユニシス技報

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2008年8月発刊 Vol.28 No.2 通巻97号
「ビジネスの可視化と知財活用」

技報97号は「ビジネスの可視化と知財活用」特集です。一般的に知財と言うと特許や著作権のような知的財産を指しますが、日本ユニシスは以前から業務知識やノウハウを再利用可能な形に形式知化したものも知財として扱ってきました。本特集の実質的な中心となるUnisys 3D Blueprintingは、企業を可視化する知財活用型のシステム化アプローチであり、米国ユニシスで開発されたものを日本ユニシスが2006年度から日本市場に適合させて活用しています。 本特集号では、上流のビジネスモデリングから下流の実装コードまでを連携させるUnisys 3D Blueprintingの考え方を解説し、主に上流部分における可視化と共通理解醸成の事例やツールの応用例を報告するとともに、業務知識を知財化する取り組みや、知財の管理システムも紹介しています。 「ビジネスの可視化と知財活用」は、日本ユニシスの今後のシステムサービスの中心となっていく考え方です。それを1冊にまとめた技報97号にぜひご注目ください。

知財活用型システム化方法論 大塚仁司

最近の企業におけるIT部門を取り巻く環境においては業務スキルの低下やシステム構築技術力の低下などの課題に加え、企業経営へのより一層のIT利活用が叫ばれるようになってきた。IT部門にとっては企業内の縦横の関係部署との合意形成の迅速化、変化対応力を備えた情報システムの実現、既存情報資産の有効活用などIT利活用を実現していく新たな課題に対する取り組みが求められてきた。日本ユニシスグループではこれらの課題解決のため新たに知財活用型システム化方法論を開発し、システムサービスの道具として適用を始めている。これは経営戦略から情報システムまでの可視化と合意形成、利用者部門とIT部門とのギャップ回避、知財化と蓄積技術,知財の再利用をコンセプトとしている。その上で利用者部門とIT部門との役割を明確にするアーキテクチャ、企業全体を可視化するモデリング技術やビジネスと情報システムをつなぐモデル連携技術、知財化と蓄積・再利用技術などのテクノロジを包含して体系化している。これにより業務改革とIT改善とを一体化したPDCAサイクルを実現しアジャイルな経営を支援するものである。 本稿では、このようなシステム化方法論に至った課題認識から日本ユニシスが立案した対応策、それを実現するコンセプトと新システム化方法論の概要を述べている。これはユーザ企業および情報サービス産業全体への提言でもある。

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日本ユニシスにおける可視化と知財活用の取り組み  ──Unisys 3D Blueprintingの展開 増山義三

日本ユニシスでは、システムサービスの方法を労働集約型から知識集約型へ変革しようとしている。従来は、システムサービスに関わる知識や経験の共有化・再利用が、個人や組織内に限られるケースが多かった。そのため日本ユニシスでは、業務知識や経験を共通形式で知財化し、全社で共有・再利用することを可能にする、新しいシステム化アプローチに取り組んでいる。 このアプローチでは、可視化によって、企業のビジネスや情報システムに関する構造、振舞いをモデル図に表現して、関係者の共通理解と合意形成を促進する。また知財活用によって、業務改善案の案出が促進でき、検討要件の漏れが防止できる。このアプローチを用いることにより、顧客へ提供するシステムサービスの品質改善を図り、顧客満足度の向上を目指している。 本稿では、日本ユニシスが目指す知財活用型のサービスビジネスの姿、可視化と知財活用のアプローチに基づくサービスの内容と効用、サービスを支える知財と技術について述べる。日本ユニシスでは、このアプローチをサービスビジネスに活用する道具として位置づけ、業務ソリューションの背景情報やベテラン技術者の業務知識・ノウハウ情報を全社共通形式かつ全社横断で共有する知財として蓄積し、全社統一の可視化手法を用いてコンサルティングやソリューション導入支援などのサービスに活用していく。

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ブループリントの必要性と、ビジネスとITとの連結への期待 藤田 均

日本の高度成長期の半ば以降多くの企業が先を争うように、それまではほとんど見られなかった情報システム部門の子会社化や業務のアウトソーシングを行うようになった。 当初の情報システム部門の子会社化の目的である情報システム部門のプロフィット化やITコストの削減、更には企業価値の向上等に関しては、充分には実現していないのが実情である。また、企業の中ではITスキルや業務知識に関する空洞化が起き、企業経営に必要不可欠な業務改善を伴う迅速な情報システムの構築に支障が出ている。 企業価値の向上に結びつくIT投資を行うためには、まず経営戦略に同期したIT戦略を立案する必要がある。すなわち、経営者が求める経営環境の変化に対応した情報システムを、迅速に立ち上げる必要があり、ビジネスとITとの連結が求められているのである。 ITスキルや業務知識に関する空洞化が起きている企業では、経営環境の変化に同期した迅速な情報システムの立ち上げが難しいので、外部ベンダに対してベストプラクティスや参照モデルを求める傾向がある。 日本ユニシスのUnisys 3D Blueprintingは、戦略の確認から目標設定、要件定義、システム構築までを一貫してつなぐ方法論と、業界毎に整備されたブループリントと称する参照モデルとを活用したサービスを提供して、企業の課題解決に応える。

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Unisys 3D Blueprintingの概要 パトリック・マクガバン

Unisys 3D Blueprintingは米国ユニシスが顧客にソリューションをデリバリする際に使用する技法である。Unisys 3D Blueprintingフレームワークが米国ユニシスのビジネスの中核である。このフレームワークはビジネス上の課題とITソリューションを結び付ける能力を提供してくれる。このフレームワークにより、顧客は企業全体の概念図を描けるようになり、ボトルネックや非効率的な部分を把握できるようになる。また、顧客はIT投資から付加価値を得るために、課題に優先順位をつけて対応できるようになる。Unisys 3D Blueprintingは顧客のビジネス上の問題解決のためにビジュアル(視覚的)モデルを中心に据え、ITとビジネスの整合を可能にする。Unisys 3D Blueprintingの戦略的な方向性は、ソリューションを表現する情報モデルから実際にビジネスの運営を支援する自律モデルへ移行することである。これは大きな目標であり、実現するためにはいくつもの段階を経る必要がある。本論文ではUnisys 3D Blueprintingの概要を紹介する。

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業務ソリューションマーケティングにおける知財蓄積への取り組み 細谷かおる

日本ユニシスでは、業務ソリューションビジネス推進においてブループリントと呼ばれる参照モデルの活用を推進している。 業務ソリューションとは、企業の業務上の要求実現や問題解決を目的として利用される情報システムである。日本ユニシスでは、業務ソリューション提供にあたって顧客の経営課題の分析から、ソフトウェアの導入・運用に至るシームレスなサービスを提供している。仮説ベースの顧客の経営課題や解決策などが一式モデル化されたブループリントを、顧客の経営課題の抽出や解決策策定において参照モデルとして用いることで、迅速で質の高いサービス提供実現を目指している。 ブループリント導入の結果、業務ソリューション関連部署間の円滑な情報伝達、業務専門家の暗黙知の可視化と共有化、モデル化アプローチの業務への有効活用などの効果が認められた。 現状では、業務ソリューションのマーケティング部門で扱う情報を対象としてブループリントの開発に取り組んでいる。将来展望としてはモデル化範囲や活用場面を拡大し、ブループリントの蓄積と活用をビジネス推進の軸に据えることを目指している。

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知財化プロセスにおける品質確保 福島祐子

日本ユニシスでは、知財活用によるサービス品質の向上を目指し、業務知識やノウハウの知財化を進めている。顧客提案やコンサルティングサービスなどの場面で知財を有効に利用するためには、その質が要求される。一方、知財を作り込むプロジェクトにおいてはコストと期間が決まっているため、その制約の中での品質確保が求められる。 本稿ではA社知財化案件において、RUP(Rational統一プロセス)を応用適用し、反復型モデリング、プロトタイピングなどの施策を知財化プロセスに組み入れ、品質と納期を確保した手法について述べる。

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Unisys 3D Blueprinting適用によるシステム化アプローチの効果 村田晴久

Unisys 3D Blueprintingはアーキテクチャ、方法論、ツール、および参照モデルとしてのブループリントで構成されるシステム化アプローチである。 Unisys 3D Blueprintingでは、ビジネス戦略レベルから顧客企業の上位層へ向けたコンサルティングサービスを実施することで、顧客企業の抱える課題や目指すべき方向など戦略を考えるにあたっての重要事項や、顧客企業の持つリソース、留意すべき前提条件や制限などを明らかにする。そのため単に要件定義の仕様を満たした情報システムではなく、企業目標の実現を支援する情報システムの構築を図ることが可能となる。Unisys 3D Blueprintingでは、これら一連のサービスをブループリントを活用しながらワークショップ形式で顧客企業と合同で実施する。 実際に老朽化したシステムの刷新を検討中であったある顧客企業に対してUnisys 3D Blueprintingを適用したケースでは、作業効率とアウトプットの品質にブループリントが貢献した。これはブループリントにより老朽化システムを刷新する上で、何を検討するのか、どれくらいまで検討するのかなどを具体的に提示できたことによると考える。

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アパレル業務知財の蓄積と活用 ──質の高いFIT&GAP分析の薦め 加藤正隆

アパレル事業者は熾烈なビジネス環境を乗り越えるために、独自の戦略と、他社と差別化するビジネスモデルを標榜している。日本ユニシスのアパレル業界向けの統合ソリューションであるeSPANET®は大きな粒度(モジュールと呼んでいる)の業務部品を品揃えしており、アパレル事業者のビジネス戦略に沿ったシステム開発を心がけ、パッケージ適用型の開発とは一線を画してきた。 本稿はアパレル統合ソリューションにUnisys 3D Blueprintingのモデル化技術を適用し、その有効性を検証したものである。すなわち、ビジネスモデリングツール(ProVision)を活用することで、アパレル事業者のビジネス構造を可視化し、事業者の要望と実現すべき業務機能との関連を明らかにすることができる。本稿は質の高いFIT&GAP分析の進め方を提言するものである。 このことはアパレル事業者にとって問題解決の効果を明らかにし、ROI改善の一助に資するものと考える。

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ビジネスプロセスからIT実装への連携 篠原 圭

多くの国内企業が抱えるIT課題の一つとして「ビジネスとITの乖離」がある。代表的な要因として「システムが業務要求を満たしきれていない」ことや「システムが複雑化し、ビジネスの変化に迅速に対応できない」ことが挙げられる。 Unisys 3D Blueprintingでは、URUP(Unisys Rational Unified Process)というRUP(Rational Unified Process)を拡張したソフトウェア開発方法論を採用している。URUPでは業務領域からシステム領域までを段階的にモデリングし、さらにツールを用いて業務領域とシステム領域のモデルを連動させることができるため、業務要求とシステム間の乖離の防止が期待できる。また、モデリングの際に共通部分を抽出することで、業務ロジックのコンポーネント化を促進し、ビジネスの変化に対応しやすい柔軟なシステムの構築を可能としている。 本稿では、URUPにおけるモデリング手法に焦点をあて、その特徴、期待される効果を述べる。

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ナレッジ管理システムWitsPartnerの概要 大西修一

日本ユニシスではシステム開発の経験やシステムサービス活動を通した技術報告などの論文や技術資料をデータベース化し、多次元で分析するナレッジ管理システムを開発し運用を始めた。このシステム化にあたっては、再利用のしやすさを重視しナレッジを提供者側の視点ではなく利用者側の視点で収集・整理・体系化することに取り組んだ。本稿では、ナレッジ管理の考え方とナレッジを活用するための機能を中心に述べる。 ナレッジ管理の考え方としては、プロジェクト、工程、成果物の3軸からなる3次元のデータ構成が特長であり、蓄積されるナレッジは索引データ(ナレッジに関するキーワードなどの付加情報)と実ファイルとで管理される。 ナレッジ管理システム(WitsPartner)の機能としては、登録機能と3種類の検索機能、一般検索(キーワードによる検索)、文字列検索(全文検索)、および検索結果に対する絞込検索を用意している。検索結果一覧からナレッジのダウンロードが可能である。 ナレッジ管理システムに期待する効果は、ナレッジの再利用によるシステム化の生産性と品質の向上である。そのために今後はより品質の良いナレッジの蓄積と再利用を促す高度化に取り組んでいきたい。

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