掲載日:2007年5月31日

特集:知の共鳴から、「革命」は始まる。田坂 広志×井芹 昌信

情報革命がもたらす「権力の移行」。その劇的な変化の中にこそ企業競争力を飛躍的に高めるチャンスがある。

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Web2.0革命によって衆知創発と主客融合、感性共有という3つの革命が始まる

井芹
田坂先生は著書の中で「情報革命で劇的な『権力の移行』が起こる」と指摘されていますが、情報革命は社会やビジネスにどのような変化をもたらすのでしょうか。
田坂
1995年のインターネット革命では「情報バリアフリー革命」「草の根メディア革命」「ナレッジ共有革命」という3つの革命が起こりました。今、これらの革命がWeb2.0によって、劇的に進化しつつあります。
第1の情報バリアフリー革命は「衆知創発革命」へと進化しています。
これは、「衆知」が集まり「新たな智恵」が生まれる革命です。すでに世の中に存在する情報は、情報バリアフリー革命によって簡単に入手できるようになりました。しかし、まだ世の中に存在しない情報は、衆知が集まる場から生まれます。そして、Web2.0によって、誰でも簡単に、人々の智恵を集め、世の中に存在しない新たな智恵の創発を促すことができるようになったのです。
井芹
その典型的な例が、Linuxに代表されるオープンソース・ソフトウェアや、Web百科事典「Wikipedia」ですよね。
田坂
そうですね。それから、第2の草の根メディア革命は、「主客融合革命」へと進化しています。
草の根メディア革命によって、誰でも気軽に情報発信をすることが可能になりました。しかし、Web2.0によって、情報を発信するだけでなく、企業やメディアに働きかけ、一緒に新たな商品やサービス、コンテンツを生み出すことが可能になり、その結果、情報発信者と情報受信者、生産者と消費者、企業と顧客という「主」と「客」が一体化しています。これが主客融合革命です。
そして第3のナレッジ共有革命は、「感性共有革命」へと進化しています。
言葉で表せる知識は文字情報で共有できますが、言葉で表せない智恵や感性は、文字だけでは共有できません。しかし近年、動画共有サイト「YouTube」などによって、音声や映像などが簡単に共有可能になり、言葉で表し切れない所作や智恵、言葉を超えた感動や感情、感覚や感性も共有できるようになりました。
そして、従来は一部の人々が独占していた知識や智恵を多くの人々が共有し、互いの感情や感覚を共有し、共感することによって、世の中で「権力の移行」が起こるのです。
田坂 広志さんの写真 井芹 昌信さんの写真

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