掲載日:2008年7月31日

特集:「仕事と生活」が共存する社会へ。パク・ジョアン・スックチャ×松岡 功

「どう選んで、どう活用するか」が最大のポイント

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法令遵守だけでなく経営効率向上のためにもIT活用は欠かせない

松岡
冒頭で「ワーク・ライフ・バランスは性別や年齢を問わず働く人すべての問題だ」とおっしゃいましたが、パクさんは「男性こそワーク・ライフ・バランスが必要」とも強調しておられますね。その理由は何でしょうか。
パク
よく「女性が働きやすくなれば、男性も働きやすくなる」と言われますが、私は逆だと思います。男性が働きやすくなれば、女性も働きやすくなるんです。長時間労働で仕事だけしかできない今の日本人の働き方は、男性にとっても決して働きやすい環境ではないと思います。これは取りも直さず、多くの日本人男性が家庭責任や地域責任を果たしていないことを意味します。
多くの先進国では、マネージャークラスの男性であっても、家事や育児を担って、地域活動にも参加しています。注目すべきは、そうした国々のほうが出生率も労働生産性も高いことです。男性が家事や育児、地域活動に参加することは、仕事へ悪影響を及ぼさないどころか、かえって生産性向上へプラスに働くことが海外事例から証明されているのです。
とくに今後人口減少に向かう日本にとって生産性を高めることは最優先課題ですが、男性が家庭責任や地域責任を担うことで、職場での無駄な仕事が減り、時間管理が徹底されるようになって、それが国全体の生産性向上へとつながっていくのではないでしょうか。
ワーク・ライフ・バランスは、いわば「人生の選択」です。都会でバリバリ働いて年収1000万円以上稼ぐのか。はたまた年収は300万円だけど田舎でゆったり暮らすのか。これはライフスタイルの問題ですから、好きなほうを選べばいいんです。ただし、こうしたライフスタイルを選択できるのは付加価値をもつ人だけです。漫然と働いている人はどちらも選べなくなってしまいます。誰だって、できれば多くの選択肢を確保したいですよね。ワーク・ライフ・バランスは、その選択肢を提供するもっとも効果的な施策です。
松岡
そのワーク・ライフ・バランスを生み出すきっかけになったITは、一方でテレワークなどを推進する格好のソリューションにもなり得そうですね。
パク
そのとおりです。ITがワーク・ライフ・バランスに及ぼした影響は非常に大きいものがあります。私自身、IT革命は産業革命以上のインパクトがあると思っています。ただ、ITにもワーク・ライフ・バランスにも共通して言えるのは、どちらも与えられるものではなく、私たちが幸せになるために、どう選び、どう活用していくかが重要だということです。

パク・ジョアン・スックチャ氏 × 松岡 功氏 対談からの5つの提言

  1. 日本人の働き方を抜本的に革新せよ。
  2. 企業と社員のWin-Win関係を構築すべし。
  3. 将来のために自らの能力開発に投資せよ。
  4. 男性こそワーク・ライフ・バランスが必要である。
  5. ITもワーク・ライフ・バランスもどう選び、どう活用していくかが重要である。
パク・ジョアン・スックチャ氏の写真 松岡 功氏の写真

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