掲載日:2010年9月22日

特集:「強い経営」の秘密に迫る。対談:加賀見 俊夫 池上 彰

脈々と受け継がれてきた哲学と一貫した企業理念が卓越したソフト力を生み出す。

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設立当時から変わらぬ一貫した理念と姿勢が50年を支えてきた礎

池上
双方向のコミュニケーションという点でいえば、ゲストの声は貴重な財産だと思いますが、それらを活かすためにどのような仕組みがあるのでしょうか。
加賀見
ゲストのご意見には、タテとヨコの組織を設けてマトリクスで対応しています。タテはゲストの声を集めるCS推進部、ヨコは解決にあたるCS推進委員会です。CS推進部はゲストから賛辞やご不満を直接伺い、それを分析し担当部門にフィードバックします。また、CS推進委員会は部局を横断した組織であり、さまざまな部署の長が参加します。この委員会で、ゲストのニーズを実現するための意見を交換し、すぐに実行に移します。
また、ゲストからいただいたご不満については、あえて「拾わない」と判断するものもあります。
池上
どのような内容がそれに該当するのでしょうか。
加賀見
実行してしまうと、パーク全体のコンセプトに影響を及ぼすもの、あるいは結果的に大多数のゲストにとって不利益になるようなものです。
池上
具体的な例があれば教えてください。
加賀見
例えば、入場制限についてのご不満です。夏休みなど来場者が多い場合には入場を制限させていただくのですが、これに関してはなかなかご理解を得ることが難しいですね。たしかに、遠方から来た方などには非常に申し訳ないのですが、これに応じてしまうと、園内が混みあってパークを楽しめなくなってしまうのです。
池上
なるほど。拾うか拾わないかの判断基準が非常に明確ですね。とはいえ、かなりの覚悟がいるような気がします。
加賀見
仰るとおりです。一時の、あるいは一部の満足度向上を狙うのではなく、経営理念やコンセプトに立ち戻り、あるいは将来的なビジョンを踏まえて、全体最適の視点からブレない判断をすることが重要なのです。
池上
その基準こそが、経営哲学というべきものだと思います。ゲストの声を選別することが、その再確認にもつながるのですね。
加賀見
もちろん、ゲストに満足していただけるサービスを提供し続けていくためには、我々も変わり続けていかなければなりません。しかし、その根底に流れる企業理念や経営哲学は、常に一貫しているのです。すべては夢・感動・喜び・やすらぎを提供するために――この変わらぬ姿勢こそが、これまでの半世紀を支えてきた原動力なのかもしれません。
加賀見 俊夫氏の写真 池上 彰氏の写真

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