掲載日:2014年5月22日

東京五輪の先を見据えて。

五輪開催は世界に最新技術をアピールするチャンス

河野 一郎氏の写真

福島 敦子氏の写真

福島
スポーツをビジネスにつなげていくには、民間企業の戦略が不可欠です。河野理事長が民間企業に期待することは何ですか。
河野
東京五輪を“ショーケース”として捉え、世界にアピールする製品や技術、サービスを明確化してもらいたいと思います。
福島
例えばどんなことでしょうか。
河野
新国立競技場の冷暖房に最新の省エネ技術を活用したり、まったく新しい太陽電池や建築資材を試してみたり。ほかにも、新国立競技場がある外苑地区全体をスマートシティ化するといったことが考えられます。
福島
エネルギー・環境や建築、ICTなど、日本の先進技術を世界に発信する、オリンピックはこれ以上ない舞台でもあるわけですね。
河野
もちろんICTでは日本ユニシスにも期待しています。ただし、1社単体では難しいでしょうから、多くの企業が連携して新国立競技場をこの国の「健康を司る街」にしていく。そうすれば、ナショナルプロジェクトとして日本を大いにアピールできると思います。
福島
期待が膨らむお話です。しかし一方で、日本は欧米に比べると、スポーツを戦略的に捉え、ビジネスに活用する視点や発想が弱いように思います。
河野
理由はいろいろあると思いますが、1つは「学校体育」からスポーツに入ることでしょう。学校体育のシステム自体は素晴らしく、国際貢献の一環として途上国に輸出する試みも進めています。しかし、学校体育をスタート地点とするがゆえに、スポーツを「競技」という視点だけで捉えてしまいがちなのです。
福島
なるほど。もっと広い視点が必要ということですか。
河野
本来、スポーツは競技を行うだけでなく、見たり支えたり、あるいは健康やレクリエーションなど、生活のなかに自然に取り入れていくべきものです。
福島
これも、先ほど仰っていたスポーツのコンセプトチェンジですね。最後に、東京五輪に向けて国民へのメッセージを聞かせてください。
河野
まずはプロセスを楽しんでいただきたい。さらに、当事者意識や関心をもっていただければ、より楽しめるはずです。また、若い人たちは、自分たちのステージが日本だけでなく世界にあることを意識し、外に目線を向ける良い機会になると思います。
そして、日本流のおもてなしや国際貢献を通じて、国家としてのアイデンティティやプライドを今一度見直し、高めていくことにつながることを期待しています。
福島
日本でオリンピックを開催する意義を、より強く実感できました。本日はありがとうございました。

対談からの5つの提言

  1. 前例にこだわらず新たなチャレンジで世界一をめざすべし
  2. 国の戦略のもと地域レベルでの国際連携を推進せよ
  3. 民間企業も協力し東京五輪を“ショーケース”化せよ
  4. スポーツを「競技」の視点のみにとどまらず多角的・戦略的に捉えよ
  5. 日本ならではのおもてなしや国際貢献で国家の価値をあげよ

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