対談

2016年1月掲載

スポーツに学ぶリーダー力。

ラグビー日本代表チームの大躍進をロールモデルに、
勝利に向けた個と組織の関係を見すえる。

目標と戦略を選手全員に浸透させたヘッドコーチのリーダー力

福島
昨年のワールドカップでは、エディー・ジョーンズヘッドコーチというリーダーのもと、ベスト8という目標を掲げ、その達成に向けた戦略を綿密に練り、厳しいトレーニングを積んできたようですが、南アフリカ戦に至っては、対戦が決まった3年も前から戦略を立てていたそうですね。
この話を伺って、改めてリーダーによる目標設定と戦略策定の大切さを実感しました。企業経営にも通じる要素が多いのではないでしょうか。
岡村
そのとおりです。リーダーは明確な目標を設定すること、そしてメンバーとそれを共有することが重要です。今回のワールドカップでは、エディー・ジョーンズと選手たちとの間でそれが非常にうまくできていたと思います。
福島
戦略策定についてはいかがですか。
福島 敦子氏の写真
岡村
エディー・ジョーンズは戦略を立てる際、まず日本人選手がもっている特性や強みを分析し、スピードと忍耐力だと判断しました。
そして、海外の強豪チームに体力では勝てないと思い込んでいた選手たちに対し、肉体を強化したうえでスピードと忍耐力を活かしていく必要性を認識させ、フィジカルを徹底して鍛えるためのトレーニングを課したのです。
福島
世界一厳しいトレーニングとも言われましたね。
岡村
選手たちがそんな過酷なトレーニングをやり遂げられたのも、やるべき理由に納得していたからです。目標に基づく戦略を選手全員に深く理解させる――この点が彼の優れた「リーダー力」だと思っています。
企業経営もまったく同じです。エディー・ジョーンズには改めてリーダーのあり方を教えてもらった気がします。
福島
とはいえ、チームも企業も最初から全員のベクトルが揃うとは限りません。リーダーが目標や戦略を全員に浸透させ、意志統一を図るためには何がポイントになるとお考えですか。
岡村
コミュニケーションでしょうね。リーダーが目標や戦略を一方的に伝えるだけでメンバーが理解しなければ、実行力をともなうわけがありません。
一方、メンバーが理解して実行したとしても上手くいかないこともあるでしょう。そうした時に大切なのも、やはりコミュニケーションです。メンバーがリーダーに相談できる環境をつくり、リーダーはメンバーの考えを知ったうえでアドバイスをしたり、時には戦略を変更したりと柔軟に対応する。常に現場とリーダーとの間でフィードバックがかかっている組織が一番理想的です。

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