INSIGHT 日本ユニシスグループの視点から

2016年10月掲載

ビジネスエコシステムを通じて
社会課題の解決に向けた新しいイノベーションを創出。

INSIGHTイメージイラスト

革新的な発電技術とIoTを組み合わせた次世代風力発電サービスを開発

――ビジネスエコシステムによる新事業の事例を教えてください。

大堂
私は、総合マーケティング部の事業開発室において、新たなプロジェクトの発掘から事業計画の立案、実行までを担当しています。
アプローチとしては、まず解決したい社会課題を研究・分析し、その解決に必要な技術要素やビジネスリソースを抽出します。そこから日本ユニシスグループのなかでまかなえる技術やリソースを引き算すると、何が必要か明らかになるので、その要素をもつパートナーを探し出して事業化を提案します。
古林
「次世代風力発電サービス」のプロジェクトもそんなアプローチから動き始めました。
大堂
洋上・陸上の風力発電は、政府の試算では国内の再生可能エネルギーのなかで圧倒的な導入ポテンシャルをもっているにもかかわらず、欧米先進諸国に比べてあまり普及が進んでいません。その大きな要因の1つに、島国である日本では風速や風向が一定しないため、欧米に比べ発電効率が下がるという問題があります。
古林
さらに日本列島は台風の進路上にあるので、台風の時には強風で壊れないよう風力発電機を停止させなければならない。それで稼働率が落ちるということです。
大堂
プロペラ式風力発電機は、強風や落雷の影響を受けやすいうえ、これまでも経年変化などによるプロペラ部分の事故が多数発生してきました。そのため政府では3年ごとの定期検査を義務づける方針を固めています。ただし、IoTを活用した常時監視・予兆把握技術を導入した場合には、検査時期の間隔を延ばしたり、検査期間を短縮したりするインセンティブ措置の導入も検討されています。
羽田
日本ユニシスには、IoTによる遠隔監視システムやエネルギーマネジメントなどの技術がありますから、必要なのは新しい風力発電技術ですね。
大堂
そうしてリサーチしていくなかで出会ったのが、株式会社チャレナジーが世界で初めて開発した「垂直軸型マグナス式風力発電機」です。衝撃を受けました。これは円筒を気流中で自転させた時に発生する「マグナス力」を活用して発電する革新的な風力発電方式であり、風の強弱や風向の影響を受けにくく、安定的な発電が可能です。
昨年実施した風洞実験では風速20mでの性能検証に成功しました。この「垂直軸型マグナス式風力発電機」と日本ユニシスのIoT遠隔監視システムを組み合わせた「次世代風力発電サービス」の開発を進めており、8月から沖縄県南城市で実証実験を開始しました。
垂直軸型マグナス式風力発電機の写真垂直軸型マグナス式風力発電機
古林
次世代風力発電が実用化され、膨大なエネルギーを少しでも有効利用できるようになれば、非常に大きなインパクトがあります。
大堂
風速20mというと中型台風クラスなのですが、理論上はもっと強風下でも動作可能なので、今後の展開が楽しみです。また、プロペラ式に比べて安全性が高いため、さまざまなエリアで風力発電の普及が期待できます。
このように大きな可能性を秘めた風力発電機でしたので、技術開発段階から当社と組んでもらえるよう積極的にアプローチしました。それに当社のICTを組み合わせることで、実用的で利便性の高い風力発電サービスへと発展させる事業化プランを一緒に描いています。
八田
その「一緒に描く」ことが重要です。今回の事業においても、競争優位の源泉となる技術はチャレナジーがもっているわけです。ただ、それをもっと社会に普及させるために何が必要か、どうすれば良いかといったノウハウは私たちにある。そこで、技術をこう使えば1が2になる。もっと普及させれば2が10になるといった可能性を丁寧にキャッチボールし、共有していくことで共同実証実験に至ったと思います。
オープンイノベーションもほかのビジネスと同様、結局は人と人との信頼関係です。「この人と組んだら、この会社と組んだら何かできそう」と思ってもらえるかどうかが肝ですから。
八田 泰秀の写真
古林
たしかに大堂さんの熱意には圧倒されます。こういう人が新しい事業をつくり出していくのかと感心しました。
大堂
プロジェクトメンバーやパートナー様のおかげだと思います。さまざまな業界の方とビジネスエコシステムをつくっていければ嬉しい限りです。

次世代風力発電サービス

次世代風力発電サービスの図

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