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feature vol.7

新生バドミントン部、いよいよ本格始動! 悲願の団体戦初優勝めざし山田新キャプテンと中村新マネージャーが熱く語る!
山田新キャプテンのもと、新生日本ユニシス・バドミントン部が いよいよ本格的に始動した。目標はもちろん「団体戦初優勝」。
かつてない気合いが全身に漲る山田、そして精神的支柱として 彼をがっちりサポートする新マネージャー中村。
チームを牽引する二人の闘将が、今年に賭ける熱い胸中を語ってくれた。
山田英孝「選手が練習に集中できる環境を作りたい。すべては団体戦優勝のために」
“キャプテンシー”という言葉に定義があるとするなら、まず挙げられるのはチームをひとつに束ねる統率力だろう。だが、その方法論は十人十色。それぞれの考え方や個性、環境によっていろんなやり方があってしかるべきだ。今年から日本ユニシス・バドミントン部のチームリーダーとしてキャプテンに任命された山田英孝選手。彼は今、自分の置かれている立場をどう捉え、そしてどんなプランを頭の中で巡らせているのだろうか。今年に賭ける意気込みも含めてガチンコ・インタビューを敢行した。

「昨年まではシングルのキャプテンを担当していたのですが、今年からダブルスも含めたチーム全体のまとめ役をやってくれないかと言われました。ですから、キャプテンに任命されて特に驚きというのはなかったですね。チーム全体を統括する、という意味では気合いは違いますが…」
日本ユニシスはナショナルチームに所属する選手が多いため、なかなか全員が練習に揃うことは難しい。だが、3月のある暖かい日。山田新キャプテン、そして先日ご紹介した新人の早坂、廣部を含め、新生バドミントン部の選手全員が集結した。ピーンと張り詰めた緊張感の中、声を張り上げ練習に没頭する山田の気合いが体育館中にこだましていた。
「声を出すのは、自分を鼓舞するというよりも、他の選手たちに“がんばれ!”という意味合いが強いですね。もともと声を出しながらプレーするのはあまり好きな方ではないんです。体力も使いますからね(笑)」
コートの中での山田は、あまり細かいことを選手に言わない、そして要求しない。ただひたすら行動で示す。背中で示す。自分が率先して自分を練習で追い込んでいく。その姿を見て、選手が何を思うか、何を感じるか。山田のキャプテンシーはそこに帰結する。しかし、その胸中にはいろんな思いが去来し、そして交錯する。
「キャプテンという立場から日本ユニシスというチームを眺めて見ると、気になる点がいくつかあります。一つは、選手同士がとても仲がいいので、若干緊張感に欠ける面が見えること。公私の切り替えがもう少し明確にあった方がいいのかな、と感じています。もう一つは、モチベーションの問題。レギュラーなりたいとか、試合に出たいとか、みんな個々に目標はあると思うのですが、そういう野心が大会間際にならないと出てこない。普段は目標が遠いだけに、気持ちを盛り上げるのは難しいと思いますが、苦しい練習を苦しいと思ってやっていても成長しないと思うので、日々、意欲を持って取り組んでほしい」
HIDETAKA YAMADA Profile
山田選手画像1
さらに山田は、日本ユニシスのチームカラーを、いい意味でも悪い意味でも“ジェントルマンだ”と捉えている。紳士的でスマートなことは決して悪いことではない。だが、いったんコートに入ったら、もっと勝ちにこだわり、もっと闘争心をむき出しにしないと、最後の、あと一歩のハードルを越えらないと山田は見ているのだ。
「今年の目標は、何が何でも“団体戦優勝”です。そのためにも、選手一人ひとりが自分の置かれている立場をしっかり認識し、目的意識を明確に持って練習に打ち込んでほしい。そのプロセスの積み重ねが優勝に繋がりますから」
コートの中と外。山田はよくこの言葉を口にする。コートの中では鬼と化す彼も、コートの外では対照的に選手との対話を何よりも重視しているようだ。 「今年から、チーム全体のミーティングとは別に、月に1度、選手だけのミーティングを設けることにしました。練習法やメンタル面など、監督、コーチに直接言いにくいことを話し合い、僕の方からまとめて伝えるようにしています。逆に監督、コーチからの意見も直接本人にぶつけられるとカドが立つ場合もあるので、なるべくワンクッション置くようなカタチにしたいと思っています」
キャプテンという存在は、選手に一番近い相談相手でもある。だからこそ、絶対的な信頼がそこになければ、対話も何も、あらゆるコミュニケーションが成立しない。では、その信頼を勝ち得るためにはどうすればいいのか。答えはおのずと見えてくる。そう、コートの中で示すしかないのだ。理屈でなく、山田はコートの上でどうなんだ。その行動で、その背中で示す以外道はないのだ。
「昨年まではきちんとしたキャプテンの権限もなく、システム的にも確立されてなかった点があるので、先輩方はとてもやりにくかったと思います。その悔しい思いをなんとか今年、成就させたいと思っているんですよ」
反省の時があったからこそ、自分の恵まれた環境が存在する。山田はあくまでも謙虚に、そして先輩たちへの労いの気持ちを持って現実を見つめているようだ。山田は言う、選手全員が練習に集中できるような環境をとにかく作りたい、と。選手はただひたすらプレーに没頭すればいい。そして壁にぶち当たったら、いつでも俺のところに来い、と。キャプテンシーとは何か。それが知りたければ、山田の生き様を見ればすべてがわかる。
山田選手画像2
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最後に2度のオリンピックを経験し、今後ますます期待が高まる山田個人の目標を聞いてみた。世界の壁を、彼はどう捉えているのか。
「やはり、痛感するのは、国のバックアップ体制の違い。勝てば官軍、一生遊んで暮らせるくらいのハングリーな体制がある。僕個人としては、過去2回、オリンピックに出られる!ということで気持ちが頂点に達し、肝心の試合は若干ホっとした気持ちで臨んでいたような部分もあった。そこは反省したいですね」
さらに山田は、練習の質と体のケアを強調した。怪我をしているのに無理に練習に参加して、結果、長期休養になってしまっては何の意味もない。大怪我になる前に休む勇気、練習も量ではなく中身にこだわる姿勢。世界を経験し、山田は確実に進化を遂げているようだ。抑えきれないほどのハングリー精神と冷静沈着な判断力、その両極のバランスに、彼は世界の頂点を見ているのではないだろうか。
「ここ一番、勝ってほしい!という場面で、ファンの気持ちに応えられる選手になりたい。そのためにも、階段を一歩一歩確実に昇っていきたい」 そういえば、趣味の欄に燦然と輝いていた“恋人探し”が最近なくなったが…。
「あ、あれね、一応、目標を達成しました(笑)」
私生活では、相手の気持ちに応えられる勝負強い男になったようだ。
山田選手画像3
中村憲尚「自立した人間の集合体、それが日本ユニシスの強さの秘密」
中村選手画像1
やや大袈裟な言い方をすれば、山田新体制を陰で支える有能な参謀長官、中村にはそんなイメージが漂っている。物静かだが、揺るぎないポリシーを胸に宿す。そして誰よりも激しい情熱を体内に燃やし続ける信念の男、それが中村憲尚選手であると直感した。彼は今年から、チームマネージャーとして山田と二人三脚を組むことになったのだ。

「山田さんとは高校が同じだったので、お互い気心が知れた関係ですね。いい意味でも悪い意味でも。当時からとても責任感の強い人で、よくガツンとやられました(笑)」
運命に吸い寄せられるかのように、二人は再会し、そして今、同じチームで、同じ時代を生きている。新生日本ユニシス・バドミントン部を団体優勝へ導く原動力は、紛れもなくこの二人にあると言っていいだろう。 「自分のスケジュールは自分で管理する。普通の実業団チームならこれが常識です。ところが、うちはナショナルチームで海外遠征に行く選手が非常に多いので、調整役が必要になってきた。これまでは、フロント、監督、コーチと選手の連携がバラバラだったのですが、山田さんがチーム全体を統括するキャプテンとなり、僕がそのパイプ役として日々奮闘しているので、環境は結構整ったのではないかと思います。選手のコンディションやスケジュールの調整が、以前よりスムーズになったんじゃないかな」
数々の栄光を手にする絶対的なキャプテン山田とは対照的に、様々な苦労を“意志”の力で乗り越えながら、いまなお向上心を持ってチームに貢献する中村。そんないぶし銀のような彼も、今年は“引退”か“続投”かの岐路に立ったという。
「選手の面でも私生活の面でも、いろいろ考えさせられることが多かった。パートナーが引退したことも大きな要因でした。 “中村は指導者に向いている”という周囲の囁きがプライドを大いに刺激しました。でも、迷ったあげく、僕は再びコートに立つことを決意した。これまで自分を支えてくれた家族やコーチや友人たちに恩返しがしたい、そして自分の限界までプレーを磨き抜き、自分の目で、自分のスキルを見極めてみたい…。ようやく、そう思えるようになったんです」
戦績だけが、スポーツのすべてではない。無心で羽根を追いかける本能、意図をもって相手を制す策略の妙、観客を酔わせる優雅で力強いパフォーマンス、そして人生の縮図とも言えるフィロソフィー。人間として何を学んだか、人間としてどう成長したのか。中村はバドミントンに自身の「THE LONG AND WINDING ROAD」を見ているようにも思える。

「僕が考える日本ユニシスというチーム、これは山田キャプテンの考えと若干ズレるかもしれませんが、何はともあれ、個々のレベルを徹底的に磨き、日本を代表する選手になることを優先すべきではないかと。団体戦優勝だけを狙っていくのであれば、それは案外簡単にできてしまうような気がする。世界に視点を置いてオリンピックを目指す。その方が伸びると思うし、個々の能力を高めれば、どんな状況(団体戦)にでも対応できると思いますから。“個の力”があってこそ“チーム”が強くなる、これが僕の考えですね」
山田キャプテンに絶対の信頼を置きながらも、自分の考えをはっきりと言い切る中村は、やはり、信念の男、フィロソフィーの男。
「自立した人間の集合体、これが日本ユニシスの強み。個々の素晴らしい能力があって、あとは目標を設定してあげるだけで、想像を絶する能力を発揮する。これこそ理想のチームと言えるでしょう」
 バドミントンを志す少年たちが、みんな憧れるチームになってほしい。最後に中村はそう呟いた。日本ユニシス・バドミントンに中村あり。チームへの愛情は、彼の右に出るものはいないと思った。
(2005年5月20日掲載)

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