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Foresight in sight

Technology Foresight

新しい社会の在り方を支えるネットワークとサービス

センサーデバイスや通信技術の革新に伴い、多様な情報がデジタル化され、インターネットにつながることで、多くのモノがその価値を飛躍的に向上させる。IoTによってデジタル化されたデータは、企業データやオープンデータと融合することで、AIの学習精度を上げ、高度な予測に基づくサービスが広く利用される。ビジネスや社会生活にIoTが浸透し、新しいサービスを支えるプラットフォームになっている。
新しい社会の在り方を支えるネットワークとサービス

背景と現在の状況

多くの企業では、IoTで何ができるか模索している。スマート工場やスマート農業、スマート物流など、IoTを活用することで各業界の課題解決をもくろみ、試行が始まっている。既存のデバイスにセンサーを後付けし、クラウドにデータを集約して可視化することで、技術的な検証と今後のビジネスへの効果を見極めている。

3~5年後の姿

IoTデバイスの低価格・高度化と同時にさらなる通信技術の発展や標準化が進むことで、各領域で検証を終えたIoT関連サービスは、業界を超えて連携し始める。現在のクラウドサービスのようにサービス間の連携が深まり、私たちはどこのデータがどこから来たのかを意識することなく新しいサービスを利用している。

モノからコトをセンシングする

センシング技術の進化により、センサーはあらゆる「モノ」に搭載され、多種多様な情報収集が実現する。センサーデバイスと通信は一体化し、センサー同士は自律的なネットワーク上で情報を処理する。またAIによる認識・検出・判定といった技術は、センシングデータと連携してさまざまな判断を自動的に行うことが可能になる。多様なセンシングデータは、モノそのものの情報から、状況や状態を表す「コト」として活用される。
モノからコトをセンシングする

情報はネットワーク化され利用される

自動車通行の状況を常時監視し、自動で信号切り替えを変更することで自動車の混雑状況を緩和させたり、緊急車両優先の信号モードに制御させたりするなど交通インフラ整備が進む。信号などに取り付けられた機器から得たIoTデータは、AI処理により予測や信号制御に利用され、停滞車の状況から故障の可能性を判断し、緊急車両を手配するサービスによって人口増加が進む都市生活の向上につながる。

再生エネルギー発電設備の情報やEVの蓄電池情報をIoTデータとして把握し、電力のネットワーク化が推進されることで自律的な電力システムの構築や電力不足時の節電対応、停電への柔軟な対応が可能になる。電力依存度の高い社会では、クリーンエネルギーとエネルギーの安定供給とのバランスが課題だ。すでに環境モニタリングとしてセンサーを活用し、水質や騒音、大気の品質などの正確な解析によってクリーン都市を実現する取り組みとしてIoTを活用する動きも出てきている。

予測・予防・対応に関わる災害情報を府省間で共有する「レジリエンス災害情報システムの構築」が政府主導で推進されている。情報収集技術やAIを活用した予測、情報の配信通知、技術など大規模自然災害への対応のために個々の仕組みを統合する。判断や対応の基礎となる情報はIoTデータとして常に収集されることに加え、データを選別して即時判定するなどのデータ処理技術も求められる。

情報がつながる社会へ

各業界で蓄積された情報は、業界を横断し、連携が進んでいる。スマートシティでは、基礎インフラと生活インフラの各種サービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目指している。目的達成には、エネルギーや交通に関連するIoTプラットフォームと、生活情報や教育、福祉、公共設備などの日常インフラのきめ細かな情報連携が必要である。また、生活を脅かす自然災害への対応として、災害緊急対応を含めた社会的
プラットフォームとの連携も必要になる。国や自治体、地域など各単位での情報連携も必要になり、個々に管理された情報と連携する仕組みが必要となる。概念的なスマートシティ・データプラットフォームは、実装レベルにおいては、データ収集部分と管理、データ連携を可能にする安全で高速な通信が必要となる。セキュアデバイスや自律的なセンサーネットワーク、5G通信などの大容量通信基盤をフルに活用することで連携が実現する。

安全で安心できる快適な生活を実現する

モノが持つデータに加えて、人の生活に寄り添う仕組みが重要となる。リハビリ機器やアシスト型ロボット、自律走行型車いす、視力・色覚・聴覚など人の五感に関する分野への支援など、生活を豊かにするデバイスや情報制御が進む。装着型デバイスはセキュアで安心して使用できることやパーソナルユースを考慮に入れたデザインなどが求められる。IoTは人に搭載される観点での進化が期待される。

サービスプラットフォームの実現に向けて

広範なデータ活用や人に関するデータなどの機微な情報については、いかにセキュアに管理して活用するかを利用範囲の拡大スピードに合わせて対策する必要がある。同時に、IoTシステムのプラットフォームデザインは、データの取得と可視化にとどまらず将来的な活用を想定した検討が必要だ。この意味で、遠隔医療や介護、遠隔教育、行政手続きの簡易化、エネルギー、上下水、産業廃棄物の最適化といった、サービス創出とプラットフォーム化の両側面からIoTに取り組むことが
重要である。成功の鍵となるのは、顧客体験の価値発見から事業化・商品化に向けた構想を行うビジネスプロデューサーや、センサーデバイス・通信・データ利用などの多角的視点からIoTデータを活用したサービスプラットフォームの仕組みを俯瞰(ふかん)的に検討できる専門家の存在だろう。
サービスプラットフォームの実現に向けて

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