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Technology Foresight

すべての企業がデジタルでつながる

すべての企業がデジタルでつながる
デジタルテクノロジーは、人々に新しい体験価値を提供する。顧客ニーズが刻々と変化するビジネス環境において、企業は調査/企画から、調達/製造/物流/販売/アフターサービスまでの一連のバリューチェーン全体をデジタルでつなげ、バリューチェーンの全体最適と、顧客の体験価値の向上を試行している。デジタルテクノロジーを介して企業や業務、サービスが時間や場所の制約だけでなく、国境や業界の垣根を越えてつながり、新たな体験価値を創造し続けている。

背景と現在の状況

デジタルへの変革の波が、人々を「時間」「距離」「物量」の制約から解放し、より早く、より便利な生活空間へと変化させた。AIやIoTなどのデジタルテクノロジーによる斬新なサービスは、産業構造を様変わりさせ、常識とされたビジネスモデルの破壊が進んでいる。DX(デジタルトランスフォーメーション)は拡大し、企業単独での取り組みにとどまることなく、パートナーを巻き込んだバリューチェーン全体の再定義に向けた変革が始まっている。一方、DXの必要性に迫られながら具体的な方向性を模索している企業も多い。

3~5年後の姿

労働力人口の減少と企業活動のグローバル化が進む中で、DX先進企業は、自社のビジネスを補完する外部パートナーとのリレーションを強化し、バリューチェーンをデジタル化している。社会に浸透したIoTなどを通じてバリューチェーンに集積される自社内外のあらゆる情報をデジタルで見える化し、将来の顧客ニーズや社会課題を予見して新しい付加価値や社会価値を創造する。一方、DX後進企業は、デジタル化人財の獲得や自社内システムのモダナイズに手間取り、持続的なビジネスの源泉となるバリューチェーンに加わることができず、さらなる苦戦を強いられている。

デジタル変革がもたらす価値のつながり

複雑化する顧客のニーズに迅速に対応するために、バリューチェーン全体がデジタルでつながる。多様なビッグデータが収集され、データドリブンな体験価値の最大化が訴求されている。IoTにより膨大な情報は収集・可視化され顧客接点が拡大し、提供されるサービスは、AI活用によって未来を予見しながら絶え間なく軌道修正と最適化が繰り返されている。

バリューチェーンがデジタル化することで、異業種やスタートアップ企業も参画可能なプラットフォームを形成し、利用者の増加によって価値が高まるネットワーク効果を伴いながら、オンラインとリアル双方からビジネスを加速させる。企業は、プラットフォームに蓄積される顧客の声や行動、販売・生産データをリアルタイムに分析し、迅速にサービスに反映する。ヒト・モノ・コトが複雑に織りなすバリューチェーンは、デジタルでつなぎ合わせることでバリューチェーン自らを再定義し、最適化を繰り返す。
デジタル変革がもたらす価値のつながり

異業種連携が進む

デジタルビジネスを進めるには、従来と異なる競合企業が出てきたり、従来とは異なるパートナー企業との連携が必要になったりしている。デジタルビジネスに積極的な企業は、ビジネスの仕組みや在り方を大きく変化させるため、あえて業界の垣根を越えて、異業種の企業と連携するようになる。連携の起点は企業ではなく、市場や顧客が求めるニーズを起点に、必要となる能力が企業・個人の垣根さえも越えて結びつく。従来のビジネス構造に縛られない柔軟性の高いスキームの下、市場にフィットする価値創出がスピード感を持って実現される。

デジタル変革をプロデュースする仕組み

自ら掲げたビジョンに向かって、業界や企業の枠組みを超えた価値を実現するために、社内外の資源を最大限に融合しながら業界をリードする企業がDXを先導していく。DXの旗手となる企業は、自ら開発した社内システムをベースに業種特化型SaaSやPaaSを開発し、新たな価値を創造し続けるために同業他社に提供する。これにより、企業はデジタルビジネスの売り上げを伸ばし、業界のバリューチェーン全体をプロデュースする役割を担い始める。

バリューチェーンを支えるデジタル基盤は、多種多様なサービスの組み合わせで構築され、ニーズに応じた素早い仕様変更や、入れ替えへの柔軟性が要求される。顧客ニーズをリアルタイムに捉えるために、仮説検証を短期間に繰り返しながら、段階的に体験価値を高めるアジャイル開発を取り入れ、小さな機能に分割したマイクロサービスを組み合わせたシステムが構築される。新しい体験価値を提供するには、ビジネスプロデューサーの手腕や既存のバリューチェーンや業界を超えた社内外のマイクロサービスを連携させたエコシステムを実現することが重要になる。

ビジネスの高速化に向けた取り組み

変化が激しい経営環境では、価値創造の速度が優先される。顧客からの反応、あるいは仮説検証からのフィードバックを素早くサービスに反映し、市場へと一気通貫でリリースする。価値提供サイクルを高速化するため、デジタルサービスを内製化する企業が増えていく。内製化の要となるデジタル化人財には、将来を見据えた新技術をキャッチアップし、自らビジネスを企画し、テクノロジーを駆使して推進する能力が求められる。こうしたデジタルテクノロジーとビジネスの両面からインサイトを得て、社内外の協力者をファシリテートしながらビジネスを推進できる人財の確保は容易ではない。内製で必要とされる人財を指導・教育する体制が整わない企業では、外部からのDX人財の獲得、あるいは、従来のようなテクノロジー企業の活用にとどまることなく、DXを牽引可能なスタートアップ企業やバリューチェーンを構成する企業とのパートナーシップ構築やビジネスの共同運営に活路を見いだす。

デジタルでつながるための組織

共創を重視して、企業の垣根を越えて俊敏かつ柔軟な協力関係を構築できるように、社内においても権限委譲と情報のオープン化が進む。従来の縦割り的な階層から、社員同士が横でつながる形態へとシフトが進む。自律性を尊重するチームメンバーが、自身で掲げたゴールを共有し、自律的につながりながら行動することで自己組織化が進む。不確実性が高く、スピード優先の事業環境下において、個人の多様性とコミュニケーションを駆使し、試行錯誤の繰り返しから学び、共通のビジョンに向かって自ら価値を創造するマインドが評価される。
 
これらの組織構造やマインド変革に向けて、CDO(最高デジタル責任者)をはじめとした経営層の支援の下、社員一人ひとりが挑戦する企業文化の醸成がDXの成功につながる。一方で、組織の改革や新たな企業文化の醸成が進まない企業は、DXに取り残されてしまうだろう。

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