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Technology Foresight 2016

Technology Foresight 2016 の要約

全てのビジネスにAI

AIは仕事、社会、生活のあらゆる場面で利用が広がり始め、その活用範囲は、定型的な事務作業の代替のみならず知的活動領域まで多岐に渡っている。
多くの企業はAIを競争力強化のために活用し、その結果、AIをうまく使える企業とそうでない企業の間でAI格差が生じ始めている。AIはSaaSやITベンダー/SIerの重要な選定基準になっている。

クラウドがITインフラの中心に

各種クラウドの特性が広く理解され、多くの企業が自社に適したクラウド利用方針を定めている。クラウド導入に積極的な企業では、各システムの更改タイミングでクラウドへの移行が進められ、順次移行した結果、クラウドがITインフラの中心になっている。データセンターの利用が縮小し、ITインフラを担当していた要員の再配置が行われている。また定型業務向けのSaaSの完成度が高まり、利用企業が増えている。

セキュリティリスクの拡大による対応の変化

サイバー攻撃に対する100%の「防御」は不可能であるとの認識が広がり、セキュリティ対応の重心は「検知/対応/復旧」へ移動している。セキュリティ対応の高度化と複雑化から、複数のセキュリティ製品/サービスを組み合わせて統合的なセキュリティ対応を行うことが求められるが、情報システム部門がそれを自営することは限界を迎えつつある。そのため、ITベンダーによるマネージドサービスやクラウドを活用したセキュリティ対応へと変化が始まっている。

スマート・マシンによる産業構造の変革の始まり

ロボット、自動運転車、ドローン、3Dプリンタなどの成熟・普及が進み、グローバル製造業を先頭に工場や事業所の完全無人化やスマート化が前進する。また、2020年に向けた建設・交通・旅行関連や、地域コミュニティや介護・医療の現場等のスマート・マシンによる自動化が拡大している。
スマート・マシンやAIによる自動化は、新たな産業革命の始まりをもたらし、数十年にわたって産業構造が変革され雇用が再配置されていく。この変革に伴う混乱は不可避であり、社会/産業/生活が安定に至るには長期的な進化が必要になる。

IT駆動型ビジネスの拡大

ITの活用を中核に据えたIT駆動型のビジネスが拡大していき、多くの企業でIT駆動型ビジネスが主力事業へと変化を遂げている。IT駆動型ビジネスに積極的な企業は、自社のビジネス範囲を広げ、製造業のITへの参入や流通業の決済への参入など業界の境界線を越えている。
IT駆動型ビジネスは旧来のITの範囲を超えるため、既存のIT部門ではなく新設の専門部署や事業部門直轄のIT組織が実施している。シリコンバレー等に調査研究組織を設立して、最先端の研究動向の把握を行っている企業が増えている。

*Technology Foresightは、日本ユニシス株式会社の登録商標です。

*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。