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人の暮らしに溶け込むデジタルテクノロジー

日々の生活、働き方、街歩きなど、人の暮らしや社会にデジタルテクノロジーが溶け込み、フィジカル空間とサイバー空間が融合したサービスを受けられることが当たり前になる。多様な価値観を持つ人が集まり、それぞれが場所や時間を選ばずにサービスを受けることができる社会において、生活や働き方が変化する。デジタルテクノロジーが浸透した社会では、顧客、企業、国などさまざまなステークホルダーと価値共創し、ビジネスエコシステムへとつなげるサービスデザインの重要性が増していく。

人の暮らしに溶け込むデジタルテクノロジー

背景と現在の状況

日本や世界の人々を取り巻くデジタル環境は大きく変わり、生活は大きく変わろうとしている。あらゆるサービスにAIの適用が始まり、音声による操作が普及している。リビングに置いたデバイスに話しかけ、天気予報を聞いたりネット注文したりすることが容易にでき、家の温度管理、電気料金の管理、宅配の受け取りもできる。デジタルテクノロジーとのインタラクションは、より人間の行動に溶け込み、行動データの蓄積が進み、AIが人間の行動を先回りして対応するといったことも始まっている。

3~5年後の姿

デジタルテクノロジーの進歩によって、人々の暮らしや働き方、価値観、そして社会のありようさえも大きく変わっている。生活がデジタル化されることにより、そのデータを活用したパーソナライズされたサービスが普及し、場所や時間を越えて高品質のサービスが提供されるようになるだろう。個人と企業、企業と国などが常につながり、相互に変化しながら社会を発展させていくだろう。

働き方が変わる

人々の働き方は、リモートワークの進展や、特定領域においてAIが分析し判断する能力が流通することで大きく変わる。打ち合わせは場所の制約のないサイバー空間で実施され、発言やメモは即時にデジタル化される。AIにより新たな発想を呼び起こすアイデアが提案され、専門的なスキルや調査結果が即時に提供される。AIを当たり前に活用できる新卒社員が増えることで知識やスキルの逆転が起こり、人事評価などの評価軸が変化する。また、就社から就職に変化する人が増え、自分のスキル・価値を1つの会社に縛られることなく発揮することが可能になる。個人が複数の企業や仲間とつながり、世界中のプロジェクトに参加するようになる。

働き方が変わる

街歩きが変わる

街歩きは、個人の行動・思考を察する街中に溶け込んだデジタルテクノロジーによって誘導される。目的地への道順や、好みに応じたレストランやカフェのリコメンド、観光情報などの情報が最適なタイミングで目の前の空間に表示され、スマートフォン上の地図を取り出す必要がなくなる。店舗でのショッピングにおいても、フィジカル空間とサイバー空間が溶け込んだ体験が実現される。試着しながら過去の購買履歴や好みに応じたリコメンドを得たり、自宅にある洋服を空間に投影しコーディネートしたりすることができる。店員の役割はより高度化し、デジタルだけでは提供できない体験価値をより追求することになる。

また、パーソナルモビリティを実現するロボットやIoTが社会に浸透し、足腰の悪い人や障がいを抱えた人も自分で自由に移動可能となり、生涯を通してアクティブな行動ができる。

言語や年齢・身体の壁を越えて、誰もが適した方法でいつでも情報にアクセスでき、誰とでも会話し、安全・安心な街歩きが可能になる。その場にいない世界中の友人と空間を共有し、貴重な体験を分かち合うこともできる。街の利便性は均質化し、どんな街に行っても買い物、移動、エンターテインメントを楽しめる。街の価値は、利便性よりもそこでしか味わえない自然の豊かさや景観、伝統芸能や体験、文化がより重視されるようになる。

生活が変わる

人の動きや蓄積された生活行動データ、気温、時間、季節、天気などから、AIが人の気持ちを自律的に判断して空調や照明、音楽などを最適に調整する生活が始まっている。人々はAI やロボットなど複数のデジタルテクノロジーと共生し、さまざまな感情センサーと身体センサーにより、生涯を通じてバイタルやメンタルの状況が把握できるようになる。AIが生活やヘルスケアだけでなく、職場や家庭の悩みなど個人の感情をサポートするようになり、人々に寄り添うパートナーとしての役割を担う。

モノを所有しないシェアリング生活が普及し、日常生活の基盤となる住まいも、ホテルのように短期で気軽に使える不動産が増加し、その日の気分で生活空間の選択が可能となる。家具や家電はもちろん、衣料品、日用品などもサブスクリプションサービスとなり、個人の価値観やライフスタイルに沿った最適な選択をAIが促す。蓄積されたデータと生活空間の融合により、宿泊先や引っ越し先でもいつもと変わらない生活を送ることができる。

新しい体験をデザインし、実現するサービスデザイン

デジタルテクノロジーの浸透により、ITシステムだけではなく、社会の仕組みや制度などが互いに関係し合い価値を提供する複雑な社会システムが増加する。

人々の暮らしや体験の中におけるテクノロジーへの接点は多岐にわたるため、新しい体験の実現には、産業や業界の垣根を越えて、民間企業、行政も巻き込んだBtoBtoXのサービス連携が前提となる。これらのサービスの連携によりデータ蓄積や流通がさらに進み、そのデータの利活用により新しいサービスや顧客体験が創出され、その循環によりビジネスエコシステムが成長していく。

企業には、顧客価値や技術、ビジネスモデルなどを含めた包括的なデザインが求められる。企業は、多様なステークホルダーを巻き込み、人間中心のアプローチによってデジタルテクノロジーを活用した体験の価値を共創するとともに、複雑に変化する社会システムに対応できるサービスデザインが必要になる。顧客の課題を理解するだけでなく、企業として顧客にどのような価値をもたらしたいのか、どのような社会課題の解決に貢献したいのかという、顧客との企業の価値共創の重要性が増す。

新しい体験をデザインし、実現するサービスデザイン

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