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日本ユニシス ホームMITメディアラボ伊藤所長と日本ユニシス黒川社長が対談

MITメディアラボ伊藤所長 日本ユニシス黒川社長 対談

2011年4月、1985 年に設立されたマサチューセッツ工科大学メディアラボ(以下,MITメディアラボ)の第4代所長に就任された伊藤穰一氏(愛称:Joi(ジョーイ))が日本ユニシスを訪れ,代表取締役社長の黒川茂と対談しました。伊藤所長は,MITメディアラボでは初めての外国人所長として,また黒川は初めての日本ユニシス出身の社長として,それぞれの組織に新たな歴史を刻んだ二人が,これから取り組みたいことや,伊藤所長からは日本ユニシスへの,また黒川からはMITメディアラボへの期待について,意見を交わしました。

それぞれの組織

MITメディアラボに参加するにあたって

私は自分自身の人生を、非営利、ベンチャースタートアップ、大きな研究機関との良好な関係、そして長期にわたるアジャイルソリューションについての研究によって育んだ世界中の人々とのネットワークの中に存在させてきました。John Seely Brown はよく"引き出す力(The Power of Pull)"について話をします。資産やリソースを貯め込むのではなく、私たちは必要に応じてそれらをどのように引き出すべきか、知識を押し込んで中心から物事を指し示すのではなく、私たちのネットワークの中からコンテクストを生み出してくれる人を引き出していく。細かいことを全て計画するのではなく、偶然の機会を快く受け入れ、そして一般的な曲線に当てはめて未来を予想し、全てを一緒に高度なコンテクスチュアルでアジャイルな方法で引き出していく。そのような問題に真正面から取り組むために必要な要素がMITメディアラボ とそこで交わした会話の中にあったように思います。

普通の人々は嫌がるであろう混沌とした複雑さを楽しんでしまう、私たちのような人種をひきつけるものがあるように思いました。また、MITメディアラボ は、そういう人たちや、創造という命題に加えて、外部との広い結びつきとそこで成果を上げる実力を持っていました。

学会、公的機関、ベンチャー企業、大企業、アート、ジャーナリズム、社会的活動、非営利団体、などと手を結び実際にそれらで実用化され反響や成果を上げています。MITメディアラボ の共同創始者で会長のNicholasNegroponte は、プレスリリースでこう言っています。「これまでの25年間はMIT カルチャーが、デジタル革命の実現に貢献してきた。しかし革命は終わった。今や我々がデジタル・カルチャーなのだ。MITメディアラボ にとっての"メディア"は、今では脳科学からアートまで、より幅広いイノベーションを含むことになる。これらは、国際社会、経済そして政治的な面でインパクトを与えることになる。これこそまさにJoi の世界だ。」私はいろいろな意味で初めてくつろいだ気分になりました。物事に全神経を集中できる場所のようだと思いました。と同時に、強大な力が湧き出て、チームと協力し、私の大きく広がるネットワークも使い、意味のある有益な結果を皆さんにもたらせる気がしています。

日本ユニシスの新たな本流

ここ数年で、技術も現場も大きく変化してきていると思います。お客様の要求をそのまま具現化し、いい品質、計画通りのコストがいいシステムだった時代は終わりました。最近はお客様の経営に直結する貢献が望まれています。より上手く使う、より効果的に使う、何かあった時に俊敏に対応する、将来を見通すという意味で技術の基本・原理の知識・見識を持っていることは大切ですが、必ずしも作るということとは別です。寧ろ、最近、私は作らないのが一番生産性が高いと思っています。お客様に近いところ、現場にいると技術は利用するものであり、最大限活用すべきものであると感じます。もともと、U&U(Users&Unisys)の考え方に基づいて、私たちのベースはお客様目線です。お客様のコスト競争力とビジネス競争力を強化すること、一緒にビジネスを進めウィンウィンになっていることを共感できることが大切だと考えています。

技術的にはITそのものを中心に、現場としてはIT部門を中心に、お客様と共に現場で汗を流すU&Uは日本ユニシスの源流です。しかし、技術も現場も変化しています。これまで以上にITの本質を深く理解し、業務のなかでITを最大限に活用する、或いは、新しい組み合わせをデザインする力が必要と考えています。

また、現場は、IT部門にとどまらず業務部門、お客様のお客様との接点へと拡大させなければなりません。そして、これまで以上に、お客様の経営にコミットしていく、「新たな本流」としてU&Uを発展させ、現在の社会環境やお客様の要請にお答えすべく、U&U2.0を目指します。新たな技術力と現場力、これを猛烈なスピード感で進めます。私はSEとしての大規模プロジェクトの経験から、迷うこと、決めないことが最悪であると思っています。間違っていたら修正する、兎に角「スピードが命」です。これは経営においても同じであると考えています。

お互いへの期待

伊藤所長 日本ユニシスへの期待
私の使命の一つは私のネットワークをMITメディアラボ と結びつけること。友人達皆にラボを知ってもらうこと。LabCast ビデオ( http://labcast.media.mit.edu/)やウェブサイトで研究を見てもらうことはもちろん( http://www.media.mit.edu/research )、何より実際にラボに来てもらいたいと思います。既に日本ユニシスはラボのスポンサーですが、実際に時間を一緒にここで過ごすことで、私たちのビジョンが一つになり魔法が生まれるということを確かめたいと思います。MITメディアラボ は未来のためのコンテクストとイノベーションを生み出す重要な役割を担っていると、私は心から思っています。これからも日本ユニシスも同じテーブルについて、この会話に参加して欲しいと思います。
黒川社長 MITメディアラボへの期待
当社は、MITメディアラボのThings That Thinkコンソーシアム(以下、TTT)メンバーとして、2009 年10 月に会員となり、2011 年10 月で3年目を向かえます。この間のTTT への参加を通じて、一つにはMITメディアラボが多くのナレッジを有するコモンセンスコンピューティング技術を活用した、株式会社電通様との協働による「空気が読めるコンピュータを作ろう」プロジェクトの実証実験などに取り組んできました。現時点では、新しいビジネスの創出に向け、ようやく芽吹き始めた段階といえ、さらに大きなビジネス成果へと結実する必要があります。日本ユニシスでは、通信とコンピュータの先端技術、そしてその融合技術が既存のビジネスアプリケーションをより人と社会に役立つように「現場」を通じて変えていくことが重要と捉え、早期に技術取得、検証することを期待しています。
伊藤穰一氏 プロフィール
1966 年京都生まれ。デジタルガレージ共同創業者で取締役。カルチュア・コンビニエンス・クラブの社外取締役。CreativeCommons の会長。アジア、中東での新規事業育成を手がけるNeoteny Labs ファンド、ジェネラル・パートナー。慶応大学大学院メディアデザイン研究科非常勤講師の他、FireFox 開発の Mozilla Foundation 、WITNESS、Global Voices などの非営利団体のボードメンバーも務める。エンジェル投資家として、シリコンバレー地域を中心に複数のインターネット事業への投資、事業育成にも携わり、これまでに Twitter、 Six Apart、 Wikia、Flickr、 Last.fm、 Fotonauts 等を初めとする有望ネットベンチャー企業の創業や事業展開を支援している。1997 年米国TIME 誌にて、「サイバーエリート」、2000 年米国Business Week 誌にて、「アジアの星50 人」、2001 年世界経済フォーラムにて、「明日のグローバルリーダー」、2008年米国Business Week 誌にて、「ネット上で最も影響力のある世界の25 人」に選出。2011 年英オクスフォード大学インターネット研究所にて「特別功労賞」受賞。2011 年4 月26 日にMITメディアラボ新所長に就任。

MITメディアラボ、日本ユニシス、電通の協働プロジェクト「空気が読めるコンピュータをつくろう」プロジェクト 第三弾
2010年9月24日にスタートさせた「空気が読めるコンピュータをつくろう」プロジェクト(URL:http://omcs.jp/)では、わたしたち人間がコミュニケーションを図るときの前提として共有している常識的な背景知識や感覚(以下 コモンセンス)を活用することで、ゆくゆくは「適切な時に適切な知識・言葉を使える、人間のように空気の読めるコンピュータ」の実現を目指しています。