JP/EN

 

Foresight in sight

エンタープライズサーバ Windows®/Linux®/仮想化

事例紹介

2004年11月4日

株式会社ヤマザワ様

システム改革の指揮をとった業務部長(現・情報物流部長)妹尾好真氏。現場で磨いたプロの眼が、ES7000の可能性に命を吹き込んだ。
山形・宮城をホームグラウンドに、54店舗のスーパーマーケット事業を展開する株式会社ヤマザワ。
かつてアウトソーシングで受発注処理システムなどを稼働していた同社は、あまりに散漫な基幹システムの構成と煩雑な運用状況を改善するため、2003年日本ユニシスの「Unisys Enterprise Server ES7000」(以下、ES7000)を導入しWindows® ベースに統合、システム再構築にあたっては日本ユニシスの小売業向け業務パッケージ「OpenCentral」を採用し、自社運用に切り替えた。第1フェーズとして、受発注配送業務を整理一本化し、大幅なコストダウンや月次決算のスピード化を実現。次なる目標は、第2フェーズである財務会計システムとの統合だが、果たして現状はどこまで進化しているのだろうか。ES7000導入の仕掛人でもある情報物流部長の妹尾氏にお話をお伺いした。

Interview

インタビュー
業務部長(現・情報物流部長)
妹尾 好真 氏

Page Index

本事例に掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。なお、事例の掲載内容はお客様にご了解いただいておりますが、システムの機密事項に言及するような内容については、当社では、ご質問をお受けできませんのでご了解ください。

現場での豊富な経験が、システムの方向性を導き出す

「現在は情報物流部に所属していますが、もともと私はお店の現場にいた人間です。 青果担当を8年、商品部を5年、あとは副店長を2年、店長を8年。さらに、店長を統括するブロック長を2年くらいやりました・・・と言うと年がバレてしまいますが」

と口火を切った妹尾氏は、まさに現場のたたき上げ。さすがにその物腰、その笑顔は、長年接客業で磨き抜いたプロフェッショナルな輝きを放つ。そんな彼が何故、業務システムの改善に関わるポストに就いたのか。

「分かりません。定期異動でもない時期にある日突然、人事異動の連絡が入りまして、業務部への転属を言い渡されました。当初は、以前よりの懸案であった新物流センターの立ち上げを前任者より引き継ぎ、加えて弊社の新しい取り組みとして、顧客の囲い込みのためのポイントカード導入を任されました。いくらのお買上げ金額でポイントを差し上げるか、どんなカードデザインにするか、どんなキャンペーン展開を行うかなど、トータルのプロデュースと実際の展開を行ってきました。当然、ポイントカードの"しくみ"にはPOSレジのシステムも大きく関係するわけですが、加えて新しい物流センターの立ち上げにも関わっていたので、自然と受発注から物流、販売まで、企業の神経網であるシステム全般に目がいくようになりましたね」

ここで、株式会社ヤマザワを概観しておこう。同社は、1962年、山形市に第1号店をオープンして以来、山形県と宮城県を中心に食品スーパーマーケットを展開。店舗増に合わせて関連する工場や物流センターなどの建設を進め、2005年9月現在で山形県に39店舗、宮城県に15店舗の計54店舗を持つ。社員数も737名を数え、生鮮・加工食品を中心とした新鮮で豊富な品揃えは評価が高い。ところが、妹尾氏が業務部に配属された2001年当時は、企業の規模拡大とは裏腹に、受発注、仕入れ、在庫管理、経理財務などの基幹システムがバラバラだったという。
妹尾氏の写真
「スーパーマーケットは、お店の売場へ商品を補充しそれをお客様に販売する業務と、必要な商品を過不足なく手配するための受発注および仕入れ配送業務がルーティンワークです。そして、前日までの売り上げ統計や傾向分析などに基づいて、各店は補充する品目とその数量をそれぞれ決めて本部に発注する。これが大ざっぱな業務の流れなのですが、当時のヤマザワは受発注だけでも業務の仕組みが3つもあり、部門や商品によって異なったシステムが使用されていたんですよ」

また、運用も受発注システムは業務委託会社にアウトソーシングしていたが、その他の業務システムはいくつかのプラットフォームを使い自社運用をしていたという。各システムは一応連携していたが、その都度システムをつぎはぎしてきた弊害により「トラブルが起きても、どこに原因があるのかすぐには分からない」「欲しいデータがすぐに取り出せない」「一旦出力した帳票から別のフォーマットに手入力しないといけない」「生鮮食品の仕入れ業務に一貫性がない」など本部各部や店舗からの不満の声も高まり、経営層からは「情報システム全体コストの適正化」「月次決算を出すまでの期間短縮」などの注文も多くあった。そのような中、「抜本的にシステム全体を見直し、旧来の仕組みを打破しなさい」という経営層からの号令を受け、業務部長に就任していた妹尾氏は決断した。各業務システムの統合化による基幹システムの再構築が急務だと。

メーカーへの一方的な責任転嫁。その発想をリセットしたら未来が見えた

妹尾氏の写真
基幹システム再構築の陣頭指揮をとった妹尾氏は当時をこう振り返る。

「システムがうまく稼働しないのはつくったメーカーが悪いだけではない。使う側の我々ヤマザワにも非のある部分があったはずだと感じましたね。当時は、システムを一旦つくればなんでも完璧にやってくれるだろうっていう意識をみんなが持っていた。かく言う私もそうですが、とにかく何かトラブルが生じれば、アウトソーシングしていた部分は特に全ての責任をベンダーに押し付けていた。でも、我々自身が当事者意識をしっかり持ってもっと業務のしくみ全体を見直さなければダメだ、ということに気付き始めたんですよ」
また、業務部のメンバーにも非常に恵まれたと妹尾氏は語る。

「私が業務部に着任した時期より早く、店舗から業務部に異動していた部下が2名います。彼らも情報システムの経験は全くありませんでしたが、ヤマザワの中では比較的機械に強く平たく言うとパソコンオタクな・・・彼らにはおこられますが、芦埜、小埜両マネジャーの力は今でもそうですが、非常に大きいですね。私と同じようにお店で担当者や店長などを経験し現場に精通している彼らとは、これまでも常に議論しながら事を進めてきましたし、私だけでは判断できないところも適切な見解を示しつつ、時には遠慮なく反対してくれるんですよ。これは本当にありがたいことです。普通であれば、上司に遠慮して口をつぐむ人種が多いですけどね。また、情報システムに以前からいるメンバーも、機械の前から時折は離れて、現場のことを積極的に知ろう、きちんと理解した上でシステムを考えよう、とする意識が非常に高まってきたのも、芦埜、小埜両名がいればこそと思っていますね」

こうして、妹尾氏を中心とする業務部は本格的に検討を開始した。本題となる基幹システムの統合化を2つのフェーズで行うことを基本方針として決定。第1フェーズの目標は、受発注配送システムを統合し自社運営へ切り替える。この時点で効果が確認できれば、第2フェーズとして、基幹システムの完全統合をめざす、というプランだ。

「2002年7月、このような我々のプランにふさわしいシステムインテグレーターの選定を開始しました。4社のプレゼンテーションを受けましたが、他はみな一様にメインフレームと個別開発によるアプリケーションの組み合わせによるアプローチでしたね。ところが、日本ユニシスだけはオープンプラットフォームとパッケージソフトウェアの組み合わせだったんです。個別開発したものは得てして切り替え時にトラブルに見舞われるものですし、製作期間もコストも膨大にかかる、と考えていた我々の構想にピタリとはまりましたね」

妹尾氏を中心とした業務部の構想に、日本ユニシスの提案がピタリはまった。これは確かに大きな決め手ではあったが、実はそれだけではなかった。

「システムを提案してくれた日本ユニシスの技術者の方が、小売業についての知識がとても豊富で、精通されていた。わざと業界人にしか分からない質問を投げかけたりもしましたが、的確に理解し答えてくれましたね。売り上げや仕入れに関することだけでなく、とりわけ生鮮食品の利益管理や在庫管理など、本当によくご存知でした。これなら安心して任せられる、信頼できる、と思ったのも事実ですね」

プランの成否は? ES7000の真価が問われた第1フェーズ

再構築プランの第1フェーズは2003年1月から始まり、2004年3月末に完了、4月より本番稼働している。受発注仕入れ系及び情報分析系のプラットフォームは、ES7000。受発注仕入れシステムは4CPUずつの2つのパーティションでクラスタ化され稼働している。なお、受発注仕入れ処理を行う業務システムでは、日本ユニシスの小売業向けソフトウェアパッケージである「OpenCentral」を一部カスタマイズしたものを使用している。

「第1フェーズを見る限り、このプランは成功といえるでしょう。アウトソーシングしていた受発注システムを自社運用のES7000一系統に整理したことで業務を一本化でき、ランニングコストを大幅に削減できた。これが何より大きかった」

その他、人的コスト、データ圧縮効果による通信回線コストの削減や、月次決算のスピードアップなど、ES7000導入による効果はてき面に現れた。ヤマザワは、第1フェーズの成功を受けて、2005年10月本番稼働に向け第2フェーズのシステム化を進めており、現在メインフレームで稼働している仕入買掛システムがES7000に移行される。同時にオフコン上で稼働している財務、経理システムが、Windowsベースの財務会計パッケージに移行し、営業側の仕入買掛システムとしっかり連携されるようになる。

「仕入伝票や支払明細書、請求書など、これまでは全て紙ベースだったのが、データ化によって、今後どんどんペーパーレスになっていく。お取引先様もさることながら、こちらの経理部門でもかなりの効率化が期待できますね」

新旧システムの並行稼働が今後半年間続くが、来年4月からの新システム本番稼働に期待したい。

ヤマザワが考える"コスト削減"の本当の意味とは?

現場からいきなり管理する側、つまり文句を言う側から当事者側に祭り上げられてしまった妹尾氏だが、現場で鍛えられ、メンバーにも恵まれ、磨かれてきたプロの厳しい選択眼にやはり間違いはなかった。第2フェーズの成果も気になるところだが、現状においてまだここを改善したいとか、ES7000を利用してもっとシステムアップしたいとか、そういった夢、あるいは戦略はあるのだろうか。

「受発注や情報分析を中心とした基幹システムのしくみづくりに関して3年を費やしてきましたが、この点に関しては大変満足していますね。これからは、巷で騒がれている電子オーダーブック(EOB)や電子棚札、自動発注システムなども積極的に検討したいと思っています。店舗展開として、今後は山形・宮城地区だけでなく他県への進出も考えられますが、そうなると物流センターを複数持つことになる訳で、その辺りのシステム構築と様々なオペレーションのボリュームも大きな課題となってくるはずです。そうそう、まだまだ実験段階ですが、ネットショッピングも最近始めたんですよ。山形の特産物の販売が中心なのですが、ビジネスとしてはまだまだこれからですけどね」

システムの刷新に成功し、コスト面でも大きな成果を挙げたヤマザワだが、これによって、スーパーの形態自体にも変化が現れるものなのだろうか。

「これから、世の中がどのように変化していくかは分かりません。ただ、食品スーパーに携わっている我々のこれからの使命は、そんなに変わらないものと思っています。我々がシステムを改善し、業務の効率化を図る目的は、全てお客様に還元するためです。できるだけお客様には直接関係のないコストを絞って、お客様により新鮮で良いものをお買得なお値段で提供する、あるいはもっともっと便利な商品、おいしい商品を発掘してお客様に紹介する、そこに尽きるのではないでしょうかね」

現場で鍛えられたプロフェッショナルな選択眼、そして接客業で磨かれた類まれな人間力が日本ユニシスのES7000と運命的に出逢い、そして"システム革命"という化学反応を起こした。今年3月、ヤマザワは東証1部に上場。まるで、血液のめぐりがよくなった健康体のように、颯爽と21世紀を闊歩する企業の姿が誇らしげである。

ES7000を核とした日本ユニシスのソリューションは最強のサポーター役として、これからも元気なヤマザワを支援し続ける決意を新たにした。
妹尾氏の写真
ヤマザワ社屋の写真

*MicrosoftおよびWindowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

*Windowsの正式名称は、Microsoft Windows Operating Systemです。

*その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。