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システム開発とプロジェクトマネジメント (III)

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システム開発とプロジェクトマネジメント (III)

IT業界における人材育成の状況と将来展望

村上 拓史

IT業界の人材状況は、量の不足感は急激に緩和されつつあるものの、質の不足感は依然として高い。これまでにも、共通キャリア・スキルフレームワークの作成、それに基づく情報処理技術者試験の改訂、産学連携教育など、高度IT人材育成に対するさまざまな取り組みが行われてきているが、具体的成果はまだ見出せていない。すなわち、IT人材の育成はうまく行われていないといえる。この原因は、IT業界で働く人材のプロフェッショナルとしての意識の欠如、IT企業のおかれた状況が成長を促す経験の場を与えない、つまり失敗を許容しない環境になっていること、OJTの機能不全、マネジメントが時代遅れのアメとムチによるモチベーションの維持を図っていることなどにある。 これらの解決策として、ITのプロフェッショナルとしての自律を推進するプロフェッショナルコミュニティの設立と、経験を学びに変える場としてワークプレースラーニングを現場に取り入れることを提案する。そして、これらを実現していくためには、エデュケーション人材の役割が非常に重要になる。企業、業界は、このような人材の育成に注力すべきである。

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効果的なプロジェクト計画の立案プロセス

田中 修二

プロジェクトの目標達成のためには「品質」、「コスト」、「スケジュール」、「リスク」等の種々の要素を統合し、総合的にマネジメントしていくシステム、つまりプロジェクトマネジメント(PM)手法を適用することが重要であるが、その中でもプロジェクト計画が鍵となる。 プライベートクラウドを構成するソフトウェアはICTリソースを仮想化して利用資源を減らす機能と、ICTリソースの運用管理を省力化する機能で構成される。 本稿では、効果的なプロジェクト計画立案における九つのステップを紹介し、更によい計画立案に至るキーポイントと、今後のプロジェクト計画立案への科学的なアプローチの展開について筆者の考えを述べる。

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要求管理のプロセス紹介

三宅 晴夫

要求の実現を目指すためのプロジェクト管理技法として、要求管理がある。これは、ソリューション開発に求められた技術的な要求に漏れなく対処するための管理技法で、プロジェクトライフサイクルを通して実施される。要求管理の実施により、要求の取り込み漏れや、誤った解釈の埋め込みを防止することができる。 すべての要求を実現するのが理想ではあるが、開発期間中に新たな要求や変更が発生することはあり得ることで、初期の要求とのトレードオフを考慮しなければならない事態もでてくる。その際、要求管理と構成管理などを勘案してプロジェクトとしてベストの選択を検討し、実施することが可能となる。 本稿では、この要求管理の考え方と日本ユニシスのプロジェクト管理手法であるISBP(Information Services Business Process)で定義されている要求管理プロセスを紹介する。

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統合的ロジスティックス支援

勝田 祐輔

本稿では、先ず最初に統合的ロジスティックス支援の概念を説明する。統合的ロジスティックス支援プロセスは、システム開発プロジェクトにおける開発支援のための諸々のアクティビティを体系立てて構成し、品質管理、要求管理プロセスなどと同列のプロジェクト管理計画書における重要な要素として位置づけたものである。次いで、筆者らがこれまでに担当した実際のシステム開発のプロジェクトマネジメントにおいて、ロジスティックス的アクティビティとしてどのような事柄をどういう点に注意して実施したかについて述べた後、この統合的ロジスティックス支援の考え方と日本ユニシスのプロジェクト管理手法であるISBP(Information Services Business Process)で定義されている統合的ロジスティックス支援プロセスの概略を紹介する。

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プロジェクト統制とマネジメントレビュー

吉田 孝久,清野 善之

プロジェクトを成功させるためには、プロジェクト管理計画に基づいて、その実行を統制する必要がある。ISBPではプロジェクト統制について、その手順と主要統制領域を定義することにより体系的なアプローチを提唱している。プロジェクトメトリクスを利用してプロジェクトの可視性を高め、達成価値分析(EVA)によってスケジュールとコストの関連を統制することにより健全なプロジェクト運営を行うことが重要である。さらにプロジェクト内でのコミュニケーションを強化し、潜在的な問題点を明確化し、組織的な意思決定を行うためにマネジメントレビューを計画的に開催することを強調している。

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組織マネジメントとコミュニケーションマネジメント

会田 信弘

昨今のシステム開発で顕在化している課題として、従来のような業務に通暁した経験豊かなシステムエンジニアを確保することや、長年の交流を前提とした顧客とのコミュニケーションを持つことが難しくなってきていることが挙げられる。スピードと品質をより一層求められる今日のシステム開発では、状況変化に即応できるプロジェクト運営が必要であり、その第一歩はプロジェクトマネジャ(PM)がリーダシップを発揮できる組織作りである。PMがプロジェクトに不足している機能をおぎなう手段として、全社的なプロジェクトマネジメントオフィスを活用することも適切な手段といえる。プロジェクト運営は、ステークホルダとの相互理解とメンバの意欲向上のために、コミュニケーションを良くする活動を通して、知恵と知識の輪をつくることが求められる。

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業務分析手法BMAPROS®

長瀬 隆

システム受託開発における失敗事例の分析の中で、その原因として「上流工程での要件定義/設計の不備・不足・漏れ」が指摘されることが多い。 業務の要件を整理し、業務の中で発生する様々なビジネスルールを定義し、その上でシステムが処理すべき各機能の要件を詰めてゆくのが要件定義工程の作業となるが、どのようなやり方をすれば「業務要件」を整理できるのか、どうやれば正しくかつ漏れがなく「ビジネスルール」が定義できるのか、といった具体的な課題については決定的な解決策がなく、各プロジェクトメンバの過去の経験に依存しているのが現状である。 このような状況の中で当社では、様々な場面により変化する業務を可視化する、従来にはない業務分析手法(BMAPROS)を活用している。要件定義工程での工程生産物の品質を高めることは、その後のシステム開発プロジェクトの運営をよりスムーズなものとし、プロジェクトを成功に導くうえで非常に重要な意味がある。本稿ではBMAPROS®による業務分析の進め方、および活用事例を紹介する。

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