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サービスインテグレーション

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サービスインテグレーション

サービスインテグレーションによる持続的競争優位の確立

白井 久美子

日本ユニシスは、顧客から期待される役割の変化を様々な顧客企業との協同事業支援局面で体感した。SIer(System Integrator)に求められる役割は、これまではシステム構築に代表される「物的価値」の提供が中心であったが、ビジネス推進に必要な「もの」「しくみ」「人的資源」を調達し「サービス」として組み上げる「サービス価値」の提供を求められることが多くなった。顧客企業は、ビジネススピードに即応し、ICTを駆使したサービスを調達・実装しながら共創ビジネスを推進できる戦略的なパートナーを必要としている。 顧客企業とゴールを共有し、戦略的なパートナーシップを発揮しながらビジネス推進に必要な「もの」「しくみ」「人的資源」を調達し「サービス」という実現形態で提供することを、日本ユニシスは“サービスインテグレーション”と呼んでいる。サービスインテグレーションで求められる技術、人材、ビジネス実践に関するケイパビリティについて「現場力」「技術力」「スピード力」という三つの切り口で記し、持続的競争優位の源泉となる経営資源(組織/人的資源)の強化の方向性を示唆する。 ICTパートナー日本ユニシスは、サービスインテグレーションを推進することで、顧客の共創ビジネスにおける成果獲得を実現する。

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ショッピングモールサイト構築での共創ビジネスモデルの紹介

鈴木 龍生

日本ユニシスは、2009年より量販店A社の事業に対して「レベニューシェア」という共創ビジネスを適用し、新たな顧客価値を創造し提供してきた。「レベニューシェア」とは利益配分を指す成功報酬型のビジネスモデルであり、顧客要件に応じたシステムを構築する従来型の受託開発ビジネスとは異なり、そのシステムを利用して得られる収益の中から一定割合を報酬として受け取るビジネスモデルである。 A社では新たな事業としてショッピングモールサイト・ビジネスを立ち上げ、日本ユニシスは「レベニューシェア」モデルを適用し共同事業主として参画すると共に、サービスインテグレータとして日本ユニシスグループが展開する「U-Cloud」をベースにITプラットフォームを短期間に構築し提供した。 本稿では、このショッピングモールサイト・ビジネスにおける「レベニューシェア・ビジネスモデル」「スピード開発」について事例を紹介する。

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UX(ユーザエクスペリエンス)指向開発事例

吉原 ヤマト

2008年以降のiPhone、iPadの登場に代表されるように、情報システムは、ユーザに対し豊かな表現方法や利用方法を提供することが必須の要件となってきている。この流れは、業務システムにも影響を与えることは必然であり、これからの業務システムの開発においては、ユーザが真にやりたいことを「楽しく」「面白く」「心地よく」実現させるコンセプトであるUX(ユーザエクスぺリエンス)指向のもとでシステムを構築する必要性が高まる。 S社事例において、UX指向を取り入れた業務システムを構築することが必須要件であり、一般的な開発工程以外に次の2点を実施しシステム開発を成功させている。一つは、曖昧なデザイン要件を具現化するために、通常の開発工程と平行して4段階のUXデザインプロセスを実施したこと、もう一つは、独特なクライアントアプリケーションを実現するために、デザインやインタラクション(動き)とビジネスロジックを完全に分離したフレームワークを作成したことである。

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スマートタクシーの事例に見る高付加価値サービスの提供方法

佐藤 祐嗣

ビジネス環境の急速な変化に対応するためには、利用者ニーズを理解し価値あるサービスをタイムリに提供する必要がある。そのためには、通常のシステム開発に求められるQCD(Quality, Cost, Delivery)とは別のアプローチが必要となる。本事例ではアジャイル開発や既存技術の有効活用、クラウド型システムの採用などのアプローチによってそれを実現した。また、それらの創意工夫に加え、目的を達成するためには「必要なものだけをつくり、不要なものは極力作らない」などの判断も重要となってくる。

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フルアウトソーシングにおけるSLMの役割

外舘 正章

サービスレベルマネジメント(SLM)は、サービスレベル目標に対して、定期的に測定、分析・評価を行い、ITサービス品質を継続的に改善する活動である。目標達成のためにPlan-Do-Check-Act cycle(PDCA)のマネジメントサイクルで改善を実施していくが、そのためには組織横断的な活動が必須である。本稿では、サービスレベル管理の役割を中心的に担う組織に、サービスマネジメント全体に対する支援機能の役割も加えSLMの活動を遂行した結果を紹介している。SLMの活動を進めるためにさらに補完的な活動、すなわちKPI導入による改善活動、トラブルの再発防止や未然防止を中心とした品質向上のための活動、日本版SOX法の統制対応とプロセス標準化の活動、技術レベル向上とナレッジ基盤による情報共有、作業時間管理とモチベーション管理なども必要である。これらを実施することで、ITサービスの継続的な改善を効率的に進めることができる、日本ユニシスは、顧客の戦略的パートナーとして高いサービスレベルでアウトソーシングサービスを提供することを目指している。

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共創ビジネス確立のためのモデリング手法

細谷 かおる

企業がビジネスを遂行するための仕組みをビジネスシステムと呼ぶ。ビジネスシステムは、組織、人、ビジネスプロセス、ITシステムなどの経営資源や外部環境との接点など複合的な組み合わせから成る。 ビジネスシステムの中でもビジネスプロセスは、組織、人、ITシステムなどを統合して機能させる重要な役割を担うが、形のないビジネスプロセスを扱うにはモデリング技術が不可欠である。 市場の変化、技術の変化に対応するために、自社に不足する能力を他社に求め、自社はコア・コンピタンスに集中するビジネススタイルにおいては、ビジネス企画の段階からパートナと協同でビジネスプロセスモデリングを行うことになる。バックグラウンドの異なるチーム要員が協同でビジネスプロセスモデリングを行うためには、モデリング作業の手順化と標準化が不可欠である。

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サービスインテグレーションの超上流アプローチ

萩原 喜武

バブル崩壊以降、日本経済は「失われた20年」と言われる低成長が続いている。2000年以降高い成長を実現した米国と比較して生産性の低さが指摘されており、日本のシステムインテグレータも日本企業の生産性向上に寄与できていない。生産性向上をもたらすサービス提供とSIビジネスの成熟をふまえ、日本ユニシスはビジネスパートナーと利益をシェアする共創型のサービスを開始し、これまでのICTサービスの提供だけではなく、ビジネスプロセスに対するリソースも提供している。 ビジネスプロセスに対するBPOサービスを提供するにあたって最も重要なことは、顧客や共創ビジネスのビジネスプロセスの可視化と最適化である。最適化されたビジネスプロセスに対して、役割を定義し、最適な人的資源を提供する。また、変化する経営環境に追従するために、ICTは柔軟性のあるサービスを疎結合した形で提供する。導入期間の短縮とリスク低減のため、ICTに最適化されたリファレンスモデルを業種別に用意する。 事業環境の急激な変化に対応するためには、ビジネスプロセス基点でエンタープライズ・アーキテクチャをデザインすることが必要である。最適化されたビジネスプロセスに基づき組織、ICTアーキテクチャをデザインすることにより、変化対応力と生産性を両立させることが可能となる。

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サービスインテグレーションに求められる人材とその育成

村上 拓史

2010年代に入り、システムインテグレーションビジネスは、急激な構造変化に直面している。従来、システムインテグレータは、様々な産業において、ビジネスの効率化という顧客のニーズを実現するために情報システムを開発する役割を担ってきた。この役割は、今後も引き続き重要であるが、さらに、様々な産業分野とICTの融合領域においてイノベーションを創出し、新たなサービスや事業を創出することが求められるようになる。このような要請に応えられるように自らを変革したシステムインテグレータがサービスインテグレータである。イノベーションを生み出すためには、産業や社会の現場における課題や潜在ニーズを掘り起こし、それを起点とするアプローチが求められる。このような新たなサービスや事業の創出プロセスとその活動局面において求められる人材像は、従来のシステムインテグレータ型人材とは思考の視点が異なる。このような人材をサービスインテグレータ型人材と呼ぶが、サービスインテグレータ型人材の育成は、従来の技術獲得型の研修では対応できない。異業種交流などの多様な価値観に触れる場や実際にサービス創出を実践する場を作り、経験させることが有効である。 日本ユニシスグループでは、2011年よりサービス創出を実践する場であるプリンシパルプロジェクトを実施している。多くのシステムインテグレータは、現在の利益の大半を既存の受託開発ビジネスで得ており、サービスインテグレータへの変革を推進する環境の整備はまだまだ試行的である。中長期的な成長のために今、組織、個人がサービスインテグレータへの変革に向けて、もう一歩踏み出さなくてはならない。

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経験に基づくキャリア開発

澤上 和弘

ICT市場およびその技術環境は、成熟と、多様かつ速いスピードでの変化という両面性を持っている。人事・人材育成の観点からもこれらの成熟と変化をキャッチアップしていくためのキャリア開発が企業および個人に求められており、様々な取り組みが行われている。ICT業界では近年、業界標準となる役割モデルを設定することによって人材育成が行われてきたが、成熟の中での競走優位確立や変化対応力の面では制約が生じている。このため企業がキャリア関連施策を進める上では、役割を固定的に示すのではなく、キャリアを考える上で参考となる実ケースを提供することを主眼とした取り組みが必要との見解をもつに至った。この仮説を基に、インタビューを通じた経験の可視化、キャリア上の転機やきっかけとなった経験の抽出から、日本ユニシスのキャリアケースを整備した。このキャリアケースの整備とその方法は、市場変化への対応が求められる様々な企業のキャリア開発プログラムの推進においても活用可能であると考えている。

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