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ユニシス技報

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2018年8月発刊 Vol.38 No.1 通巻136号
「ビジネスエコシステムを支えるプラットフォーム」

今日、ビジネスは、高度経済成長期に見られたモノを作る側を中心とした供給者主導型から、消費社会の成熟に合わせた消費者主導型へ移り、企業活動は顧客価値創造を中心とするようにシフトしました。また、企業は消費者だけでなく社会の要請に応えることも求められています。それらの要請に一社が単独で応じることは難しいため、業種・業態の垣根を越えて複数の企業が連携し対応するビジネスエコシステムが注目されています。ビジネスエコシステムの実現には、デジタルトランスフォーメーションによるビジネスのデジタル化と、それを活用したプラットフォームの構築が有効です。
本号では、ICTによるビジネスエコシステムの実現方法と、それに向けたプラットフォーム型ビジネスの形成について解説し、日本ユニシスが提供するプラットフォームの事例を示すとともに、データ流通社会とビジネスエコシステムの関係についても考察します。また、プラットフォーム解説の社外寄稿を1編収録しました。

ビジネスエコシステムの実現 須貝 達也,川口 真一

経済成長期が終わった現代,企業は新たな成長機会創出と社会課題対応という二つの大きな課題に直面している.この課題の解決には今までにない新機軸,すなわちイノベーションが求められる.イノベーションは自由な発想によって実現され,自由な発想を生むには業種・業界の垣根を越えて様々な企業が連携する「ビジネスエコシステム」が有効である. ビジネスエコシステムの構築に際しては,多様化する現代の消費者ニーズに応えるためにMVP(Minimum Viable Product)という考え方を採用し,ICT の活用にはBizDevOps という概念を採用して,市場の反応を見て臨機応変に商品を開発・提供できるようにする.ビジネスエコシステムを支えるICT には,ビジネスエコシステムの特徴を活かすための様々な配慮が求められる.

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プラットフォーム型ビジネスを支えるシステム運営 川口 真一,下村 剛士

プラットフォーム型のビジネスは,ネットワーク外部性によって自身の利用価値をさらに高め,より多くの利用者に受け入れられる.そうしたプラットフォーム型ビジネス同士がつながり新たな価値を生み出す.この価値創造が連鎖的に自然発生し,ビジネスエコシステムが形成される.
プラットフォーム型ビジネスにおいては,顧客ニーズを短い周期で取り入れながら,システム自体も持続的に成長させる運営を実現するBizDevOps が重要となる.また,ビジネスエコシステムの形成においては,各ビジネスのサービスをAPI というオープンな形で公開し,ビジネス同士の接続性を向上させること,およびそれらのAPI を安全な形で公開し利用できる場となるAPI 連携プラットフォームを利用することが重要である.さらに,ビジネスの拡大に追随できるシステムインフラや,短いスパンのリリースに対応できるセキュリティ確保の仕組みも併せて実現することが望ましい.

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次世代モビリティサービスプラットフォーム 國府田 一輝

日本ユニシスは,EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)の黎明期から,EV 普及の土台となる充電インフラシステムサービス「smart oasis」を提供してきた.充電インフラ整備が進むにつれEV 業界に新たなニーズが生まれるようになった.ニーズに対応するため,日本ユニシスはモビリティに関するビジネスエコシステムを実現する「次世代モビリティサービスプラットフォーム」を新たに提供する.
次世代モビリティサービスプラットフォームは,各サービス間で独立性を保ちつつ連携を実現する構造を持っている.また,各サービスで使用する機能を共通化している.それにより,各種事業者は柔軟かつ迅速にサービスを提供できる.

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シェアリングビジネスプラットフォーム 新井 祐也

シェアリングビジネスの広まりから,シェアリングビジネス向けアプリケーションの需要が見込まれる.シェアする対象は,オフィスや自動車など様々であるが,多くのサービスでは,シェアする対象を予約する機能や,利用後に実績を計上する機能を使う.日本ユニシスでは今後のシェアリングビジネスの拡大に向け,シェアリングビジネスで共通的に使われる機能を提供する「シェアリングビジネスプラットフォームサービス」を開発し,2017年度からサービスの提供を開始した.
シェアリングビジネスプラットフォームサービスは,マイクロサービスアーキテクチャとWebAPI を採用し,アジャイル開発にスクラムを利用することにより,事業者の多様なビジネス要求に迅速に対応するとともに,システムを柔軟に運用することができる.

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データ流通社会の課題とビジネスエコシステムへの影響 豊田 裕之

世界のIoT化はデータ活用を促進し,新たなビジネスを産み出す原動力となっている.従来は想定していなかった組み合わせのデータから価値創造を行うには,他社とのエコシステム形成あるいはデータ流通の一般化が助けになる.課題はデータの所有権やレジデンシー,セキュリティ対策と法整備,流通基盤や認証基盤などである.エコシステム形成にはデータ提供者への十分な利益配分や,高精度な情報を所持する企業とのパートナーシップが有効である.

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【一般論文】量子系の仮説を読み解く ——量子計算の深い理解にむけて 川辺 治之

量子プログラムで広く用いられているデータモデルでは,量子系を4 個の仮説に従うものとして定式化する.この量子系の状態や操作についての直観的なイメージをプログラム言語で記述するためには,その4 個の仮説およびその基礎をなす数学的構造を十分に理解することが求められる.そして,そのような数学的構造を理解するというのは,単に提示された公式を知るだけでなく,それが何を意味し,なぜそれが成り立つのかを実感することにほかならない.

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