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災害時の帰路確認のため徒歩帰宅訓練を実施

2007年7月10日掲載
CSR推進部

大規模地震が発生した場合に、社員の自律的な行動力を高めることを目的に、会社から歩いて帰り自宅方向の徒歩経路の安全性を確認する、という試みをしました。実施日はウィークデイの金曜日、6つのルートを設定し数人のグループ毎に実際に歩きました。万が一、事故が起こった場合を考え、組織長が同伴し16:00-18:00の時間帯で業務として行うことにしました。結果から言うと、やってみてとても良かったと思っています。

帰路の設定は当社の本社がある豊洲地区から帰宅する際にルートになる可能性がある6つの橋を通ってみる、という以下6つのルートです。

1. 渋谷ルート :

新豊洲→新豊洲橋→勝どき橋→新橋→御成門、愛宕→神谷町→六本木→渋谷

2. 新宿ルート :

れいめい橋→勝鬨橋→銀座4丁目→日比谷公園→麹町→四谷三丁目→新宿

3. 池袋ルート :

月島→佃大橋→有楽町→和田倉門→丸の内→一ツ橋→飯田橋→江戸川橋→池袋東口

4. 品川ルート :

ゆりかもめ「市場前」→お台場海浜公園→レインボーブリッジ→品川

5. 北千住ルート :

春海橋→相生橋→永代橋→清澄白河駅→両国駅→駒形橋鐘ヶ淵陸橋→北千住

6. 舞浜ルート :

東雲橋→新木場駅→荒川河口橋→葛西臨海公園駅→舞浜大橋→舞浜駅

実施して良かった点は、一つは数名で歩けば結構な距離でも歩けることが分かったこと、そしてターミナル(私の場合は池袋)に意外に早く着く(2時間40分、16000歩ほど)ことが分かったこと、歩いてみると高速道路のガード下や歩道の狭い箇所、ガラス張りの高層ビルなど危険な感じがする場所が分かったこと、そしてなにより「歩いて帰れる自信がついた」ことです。女性の場合は「歩ける靴」でないととても2時間以上は歩けないことも分かりました。

一方、暗くなってくると知らない道を歩くのは非常に不安で、実際に震災が起こり、一人で暗い中を帰ることは、安全面から絶対に奨められないと感じました。橋も帰宅のネックになる可能性があります。実際、レインボーブリッジは強風時や17:00(夏場は20:00)以降は歩行者進入禁止ということで、 震災時や強風時には安全のため通行が禁止されることが確認できました。

芝浦工大側の豊洲橋は掛け替え中ですが、古い方は震災時の通行は不安です。古い下町は道が狭く、木造家屋も多いため月島や牡丹、門前仲町、神田、飯田橋、新橋などの通行には注意が必要で、震災時には火災や瓦礫で通行できるか事前に確認が必要でしょう。また、公衆電話はほとんど街中からその姿を消しており、期待できないと考えるべきです。帰宅途中にコンビニや自動販売機はたくさんありますが、食料や水はそれらにはあまり頼らず持参したほうが良いでしょう。

勤務時間帯に強い地震があった場合、会社としての最小限の機能は継続できるように計画を立てておくことが事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)で、まずは会社に待機というのが最初の判断だと考えています。

その上で、社員とその家族の安全が第一優先ですので、被災状況を確認し、帰路の安全が確認できた方面については社内の災害対策本部から社員に情報を流すことにしています。

しかし、停電、けが人、ITトラブル、通信不通などの状況が想定できますので、日没後の判断など、状況に応じた現場ごとの臨機応変な対応が求められると思います。このような事態が起こった場合には会社の事業継続計画だけでなく、家族や親戚、近隣住民との連絡方法や協力体制についても普段から確認しておくことが重要になってきます。NTTによる171発番の災害ダイヤルについては、家族で使い方を練習しておきたいものです。

日本ユニシスグループでは、今後も社員による徒歩帰宅訓練を実施する予定ですが、皆様も、企業、家庭、あるいは個人で訓練をしてみては如何でしょうか?