BIPROGY Foresight in sight BIPROGY Foresight in sight

事例紹介

OMO時代のSaaS型コマースサービス「Omni-Base for DIGITAL’ATELIER」のシステム基盤にAWSサービスをオンデマンドで利⽤可能なCLOUDForesight  utility on AWSを採⽤、迅速な環境構築やリソース変更への柔軟な対応を実現

Omni-Base for DIGITAL'ATELIER

BIPROGY株式会社「CLOUDForesight」導入事例

2023年10月02日

SUMMARY

顧客の環境構築や環境変化に対する柔軟な対応が可能に

サービスのシステム基盤にCLOUDForesight utility on AWSを採⽤。迅速な環境構築やリソース変更への対応を実現。


環境構築時∕変更時のオペレーションミスが低減

Infrastructure as Codeの推進で再現可能性が⼤幅に向上。⼈⼿による記述ミスや操作ミスが⼤幅に低減。


⼀つのテンプレートから複数顧客のAWS環境を構築

以前活⽤していたAWS CloudFormationを汎⽤化。⼀つのAWS CloudFormationテンプレートから複数顧客の環境が構築可能に。


INTERVIEW

BIPROGY株式会社
プロダクトサービス第⼆本部 OBDサービス⼀部
サービス適⽤室 サービス基盤課⻑

清⽔ 久芳

BIPROGY株式会社
プロダクトサービス第⼆本部 OBDサービス⼀部
サービス適⽤室 サービス基盤課

松井 佑記

サービス概要

OMO事業者∕通販事業者向けSaaS型サービス「Omni-Base for DIGITAL’ATELIER(オムニベース フォー デジタラトリエ)」

OMO事業者∕通販事業者向けSaaS型サービス「Omni-Base for DIGITAL’ATELIER(オムニベース フォー デジタラトリエ」
ECサイトシステムに必要なアプリケーションやシステム基盤およびこれらの保守‧運⽤サービスをオールインワンで提供するサービス利⽤型コマース事業基盤であり、2021年にサービスリリース。仕⼊∕受注∕販売∕出荷各々の管理機能やスマートフォン∕PCサイト∕タブレットから利⽤できるEC機能、店舗POSと連携する機能などを実装する。

※OMO: Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインの融合を意味する。

導入ソリューション概要

AWSをワンストップでサポートする「CLOUDForesight utility on AWS」は、AWSの利⽤にBIPROGY独⾃のサポートを付加したサービスで、各種申請業務の代⾏や技術的な質問対応といったヘルプデスク機能に加え、24時間365⽇の障害対応や、クラウド基盤上のWindows、Linux、データベースなどの⼿厚いサポートメニューをワンストップで提供する。セキュリティチェック機能によりセキュアな環境でAWSを利⽤することが可能。またAWSサポートの最上位レベルであるエンタープライズサポートが付帯していることで、システム構築に関するアーキテクチャレビューや利⽤開始後のシステム最適化⽀援を受けることができる。

プロジェクトの狙い

流通事業者に提供するSaaS型コマースサービスのシステム基盤として、導⼊実績とエンジニアが豊富なAWSを採⽤

BIPROGYが提供する「Omni-Base for DIGITAL’ATELIER(オムニベース フォー デジタラトリエ:以下OBD)」は、2021年にサービスリリースした流通事業者を対象とするOMO時代のSaaS型コマースサービスだ。受注や決済などのEC機能に加え、在庫管理などバックオフィス機能も備えたEC‧フルフィルメント統合システム基盤を提供する。OBDを利⽤することで、ユーザー企業は年々拡⼤するIT投資を抑えつつ、時代の変化に合わせて進化する業務システムをサービス型で使⽤することが可能となる。
BIPROGYは約40年にわたって個々の流通事業者に対して、フルフィルメント統合システム基盤を個別に開発‧提供してきた。ECやクラウドサービスの発展と共に現在のデジタラトリエプロジェクトチーム(以下、プロジェクトチーム)が 2018年ころにクラウドインフラとして採⽤したのが、アマゾン ウェブ サービス(AWS)だ。その採⽤理由について、プロダクトサービス第⼆本部 OBDサービス⼀部 サービス適⽤室 サービス基盤課⻑の清⽔久芳は、次のように説明する。

「データ量やアクセス増加に対して柔軟に対応できるため、将来の成⻑を予測したサイジングから解放されること、突発的なピークに対しても、柔軟に構成変更できることが挙げられます。またAmazon RDS、Amazon ElastiCache、Amazon S3を始めとする豊富なマネージドサービスが提供されていることで運⽤負荷が軽減できることも⼤きな魅⼒でした。さらにAWSはインターネット上で調べて得られる情報量が圧倒的に多くありました。また導⼊実績に加えてAWSエンジニアの数も多く、AWS関連のITパートナーを⾒つけやすいという利点もありました。そこで2018年に個別サービスのクラウドインフラとしてAWSを採⽤しました」(清⽔)。

導⼊経緯

OBDのリリースに伴い、複数企業の環境構築∕変更を迅速かつ正確に⾏うためにAWS CloudFormationを活⽤

今回プロジェクトチームは、BIPROGYが提供するクラウドサービス利⽤⽀援のサービス体系「CLOUDForesight」の1つである「CLOUDForesight utility on AWS(以下、CFu on AWS)」を利⽤した。CFu on AWSは、AWSのライセンスにBIPROGY独⾃のサポートを付加したサービスで、各種申請業務の代⾏や技術的な質問対応といったヘルプデスク機能に加え、24時間 365⽇の障害対応や、クラウド基盤上のWindows、Linux、データベースなどの⼿厚いサポートメニューもラインナップしている。
また、OBDをサービスリリースするにあたって活⽤したAWSサービスが、インフラストラクチャをコードとして扱うことでAWSリソースのモデル化、プロビジョニングをAWS CloudFormationが支援する。その狙いについて、清⽔は次のように続ける。

「OBDは、お客さまに⼤きく3つのメリットを提供するサービスです。それはノンカスタマイズ、無償バージョンアップ、システム運⽤アウトソーシングで、それらを⽀える技術としてAWSがあります。新しいお客さまが OBDサービスの利⽤を開始する時には、新規のAWSアカウントにベースとなる環境を構築する必要がありますが、その際にAWS CloudFormationを利⽤することで、基本となるAWS環境の“横展開”を迅速かつ正確に⾏うことが可能となります」(清⽔)。

AWS CloudFormationを利⽤すれば、必要とするAWSリソースの設定をコードで定義し、テンプレートファイルとして作成することで、プロビジョニングや設定作業を⾃動化ができる。

「AWS CloudFormationは、個々の事業者にEC‧フルフィルメントシステムを提供していた当時から構成管理ツールとして使っていましたが、今回OBDをリリースするにあたり、AWS CloudFormationをより活⽤して作業効率や再利⽤性を向上させることができました」(清⽔)。

導⼊効果

Infrastructure as Codeの推進で再現可能性が⼤幅に向上、環境構築時∕変更時のオペレーションミスが低減し、環境変化の追跡も容易に

今回OBDのリリースに際し、プロジェクトチームは前⾝となる個別のEC‧フルフィルメントシステムのクラウドインフラとして採⽤したAWSを踏襲し、さらに当時も活⽤していたAWS CloudFormationを汎⽤化して、⼀つのAWS CloudFormationテンプレートから複数顧客の環境を構築できるようにした。AWSの導⼊効果について、清⽔は次のように説明する。

「AWSについては、お客さまからの突発的なリソース変更の要求にも、柔軟に対応できるという点が挙げられます。またピークに応じた動的なリソースの変更が可能なことも⼤きなメリットですね」(清⽔)。

⼀⽅AWS CloudFormationは、いわゆるInfrastructure as Code(IaC)でプロビジョニングを⽀援するソリューションだが、その効果として、プロダクトサービス第⼆本部 OBDサービス⼀部 サービス適⽤室 サービス基盤課の松井佑記は以下のようなメリットを獲得できたことを強調する。

「IaCを推進し、AWSリソースの構成や設定をコード化して管理するようにしたことで、再現可能性が⼤幅に向上しました。これにより⼈⼿による記述ミスや操作ミスを減らすことが可能になりました。またコード化し、コードを構成管理することで、環境の変更履歴を追跡することも容易になりました。さらにAWS CloudFormationの利⽤は、環境構築∕変更作業のスピードアップや正確性の向上にも繋がっています」(松井)。

今後の展望

クラウドネイティブ化を推し進め、先進的なAWSサービスを積極的に活用していきたい

今後プロジェクトチームは、顧客企業の事業規模拡⼤に伴う要求に柔軟に対応し続けるために、多様なサービスとの連携や各種機能の追加を加速していきたい考えだ。

「今後もOBDをより安定したサービス基盤へと進化させることを⽬指して、クラウドネイティブ化をより⼀層推し進めていきたいと考えています。そのためには、随時追加される先進的なAWSサービスも積極的に活⽤していきたいですし、構成管理やプロビジョニングだけでなく、⾃動化の領域をさらに広げて、より迅速かつ正確な環境構築を実現したいです ね。また障害を発⽣させることなく安定運⽤を維持すること、お客さまからのリクエストによりスピーディに対応できる体制を整備していくことも重要なテーマだと考えています」(清⽔)。

今回BIPROGYは、プロジェクトチームのCFu on AWS利⽤に際し、デフォルトのサービス仕様で制限していた機能の試⽤にプロジェクトチームと連携して取り組むことで、AWSサービスの活⽤が円滑に進むようにサポートした。今後も本プロジェクトをテストケースとして顧客ニーズに合わせたサービス拡⼤に向けて柔軟な対応を計画している。

「今回1ユーザーとしてCFu on AWSを利⽤しましたが、我々ユーザーサイドの要望を⼗分にヒアリングした上で、サービスの範囲内で対応できる部分については真摯に対応してもらうことができました。CLOUDForesightには、クラウド導⼊を⽀援するCLOUDForesight integration(以下、CFi)というサービスもあります。⾃社サービスではありますが、CFu on AWSやCFiはユーザー企業のクラウドネイティブ推進に⼤きく貢献してくれるサービスだと⾔えます」(清⽔)。

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